特色検査突破講座で話した、特色検査を解くためのコツとかポイントとか。

2014年11月25日

11月23日、特色検査突破講座の初日を迎えました。私も、「正しく知ろう特色検査」というガイダンスと理系講座の授業を担当させていただきました。講座の中で話した特色検査を解くポイントを、少しですがまとめてみたいと思います。
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特色検査と通常の学力検査の違い

パターン化されているかどうか

ガイダンスで時間をかけて話したことは、特色検査と通常の学力検査の大きな違いについてです。両者の違いを一言でいうと、ズバリ「パターン化されているかどうか」ということになります。

通常の5教科の学力検査や学校の定期テストの問題などは、ほとんど問題がパターン化されています。たとえば数学でいうと、「食塩水の濃度を求める方程式」の解き方のパターンの基礎が定着できているならば、食塩水の濃度に関する文章問題は、基礎的な問題だとそのパターンを当てはめただけで簡単に解けてしまいます。しかも、よく勉強している人なら、問題をパッと見ただけで「あぁ、これは食塩水の濃度の解法パターンだな」とか、「速さの連立方程式で解けるな」ということがすぐ分かってしまいます。

一方、特色検査で出題される問題というのは、そのほとんどが今まで見たことも触れたこともない問題です。これを言い換えると、「パターン化されていない問題」ということになります。つまり、特色検査の問題は、先ほどの例に出した数学の方程式の問題のように、問題を読んだだけで「これはこのパターンをあてはめれば解けるな」ということが分からないということです。

これが、特色検査が5教科の学力検査や定期テストと異なる違いです。

パターン化されていない問題に隠れたパターンを探る

パターン化されていないんだったら、一体どんな勉強をすればいいの?と思う人がいると思います。というより、パターン化されていない問題を勉強するなんて今までやったことがない人がほとんどのため、特色検査に対する勉強の仕方が分からない人がほとんどです。

でも、特色検査と言っても、公立高校の入試問題なワケですから、中学校の指導要領を越える出題は出来ません。パターン化されていないからといって、何も高校の学習内容の理解が必要だったり、他の奇想天外な発想が必要だったりすることはないということです。表面上は見たことも触れたこともない問題であっても、必ずその裏には中学までの5教科で培ったパターンで解ける解法が隠されているのです。

特色検査の問題を解く上で一番重要なことはココです。パターン化されていない問題に隠されたパターンを探るということです。その考え方ができるかどうかが、特色検査の問題を解く上での鍵となります。

隠れたパターンを探るコツ

問題を解くのに必要な情報を根こそぎ拾え

じゃあ、「パターン化されていない問題に隠されたパターンはどうやって探ればよいのか」という疑問が湧いてくるでしょう。

まず、何度も言いますが特色検査の問題は表面上はパターン化されていません。今まで見たことも解いたこともない問題ばかりです。だからこそ、問題文に書かれている情報が全てなのです。

出題者側の立場に立って考えましょう。特色検査と言ってもそこには必ず正解が存在し、しかも受験生に正解を書いてもらう必要があります。受験生がちゃんと正解にたどり着けるように、問題を解くために必要な情報を全て書いておく必要があるのです。じゃあどこにその情報が書いてあるのか。当然、問題文です。というより、出題者側は問題文でしか、受験生が問題を解くために必要な情報を書くことができません。

特色検査を解くためには、問題文に書かれている情報を1つ残らず拾い上げることが必要なワケです。通常の学力検査でも同じですが、通常の学力検査はパターン化されていて同じような問題を幾度も解いたことがあるので、問題文を読んでいるうちに必要な情報は目に飛び込んできます。しかし、初めて見るような問題の特色検査の場合はそうはいきません。知らず知らずのうちに読み飛ばしていたり、表や図から必要な情報を拾い切れていなかったりします。そうすると、当然その問題は解けなくなります。

特色検査の問題を解くとき、「必要な情報はどこにあるのか」ということに着眼しながら問題を読みましょう。そして必要だと思う情報に線を引いたり丸でかこったりしてチェックします。問題を解いていて行き詰まった時も同じです。もう一度問題文や表や図を見ながら、情報を全て拾ったか、拾い切れていない情報はないかどうかを見直します。だいたい、情報を拾い切れていないために解けないことがほとんどです。

どのパターンが使えるのかを知るために整理する

23日の特色検査模試の理数系の問題で、受講生の誰一人として解けない問題がありました。ちなみに、この問題を一言で表すならば、「ひし形の面積を求める問題」です。対角線が3mずつ(つまり正方形ですね)の面積を求めるのだから、3×3÷2=4.5で終わりです。小5で習うひし形の面積を求める公式を知っていれば、誰しもが解ける問題だったのにも関わらず、誰一人として正解できていませんでした。

この日集まった受講生は、みなトップ校志望者です。ひし形の面積の公式くらい、当然知っています。でも解けないのです。なぜなら、「ひし形の面積を求めなさい」という問題文の書き方をしていないからです。

問題文から情報を根こそぎ拾った後は、「結局どんなパターンで解ける問題なのか」を考えます。上でも述べたように、中学校の指導要領の範囲内で問題は作られているので、今まで習った基礎の組み合わせで解けるハズです。拾った情報を図に表したりして整理しながら、どのパターンを使えるのかを見抜きます。

先ほどのひし形の問題については、必要な情報を全て問題文から拾い上げ、その情報を図に書いて整理していくことではじめて、それが「ひし形の面積」の問題だということが浮かび上がってくるのです。パターンを見抜くために、情報を図や絵に表したり、時には表にしてみたりしながら整理する必要があります。整理することで、裏に隠れたパターンが見えてきます。

まとめ

その他にも色々お話しましたが、今日はこれくらいにしておきます。今日まとめたポイントを頭に入れながら解くだけでも、だいぶ考え方や解き方が違ってくると思うので是非実践してみてください。

ちなみに特色検査模試の難易度が高く、平均点が思ったより低かったにもかかわらず、受講生の多くが「とても刺激になった」と答えてくれているそうです。特色検査の問題は、普段使わないような思考回路で解くので、刺激的で新鮮に感じると思います。実際、5教科のパターン化された問題よりも、パターン化されていない未知のものを暴く方がわくわくしますよね。