梅雨真っ盛りだが、新聞の折り込み広告は塾の夏期講習の募集で賑わっている。広告には「夏から本気で頑張ろう」みたいなことを書いてあるけれど、なぜ夏まで待たなければいけないのか。志望校に合格する子は夏前からちゃんとやっている。
そこで今日は、トップ校を狙う高校受験生が夏前までにやるべきことを書いてみようと思う。
夏休みまでにあと30日程度あるという事実。
夏休みから本格的に受験勉強しようと思っている人。夏休みまでにあと30日程度あるんですが、この期間はどう過ごすつもりですか?2期制の学校ならば、すでに定期テストは終わっていて、6月後半〜7月までは三者面談やらなんやらで、学校が早く終わる日も普段より多くなるはず。
「夏休みから勉強しよう」と思っている人は、「明日からダイエットしよう」と思いながらも永遠にダイエットができないタイプの人と同じ。結局、夏休みが来ても、「明日からやろう」「8月からやろう」「お盆休みが終わってからやろう」・・・が続き、最終的には「やっぱ秋からやろう!」ということになってしまう。
ダイエットにも勉強にも何事にも、「明日から頑張る」とか「いついつから頑張る」という人に対して、「なぜ今日からやらないのか」と言いたい。
いいですか。夏休みから受験勉強を始めるのではなく、今日から、いや今から受験勉強を始めましょう。それだけで、夏休みからやる人よりも30日間のアドバンテージがあります。
夏休み前に何をやるべきか
公立トップ校受験に限って言えば、夏から受験校の過去問をガシガシと解いていく必要はない。過去問や実践形式の問題をガシガシと解いていくのは、秋以降から冬にかけてでも十分間に合う。
なので、夏の間に取り組んでおきたいことは、秋以降からの実践形式の勉強を可能にするための「下地作り」だ。つまり、各教科の基本の徹底、これに尽きる。
今、「基本の徹底ならば、夏休み始まってからやればいいじゃん」と思った人!考えが甘いです。甘過ぎです。長いように感じる夏休みといってもたかだか40日程度。40日程度で5科目全ての復習ができるハズがない。ここに、夏休み前の30日をプラスすると、30日+40日=70日にも膨れ上がる。70日間あれば、理社の復習+英数のうちの自分の苦手な単元の復習くらいならできる時間の余裕はあるだろう。
秋が来るまでにやらなければいけないことは、理社の復習+自分の苦手科目(英もしくは数)の基本徹底だ。
理社の復習
理社は、単元が明確に分かれていることから勉強がしやすい教科だ。しかし同時に、特に社会は正確に暗記するべき量が膨大で、基礎を定着させるだけでも時間のかかる教科でもある。「勉強しやすい+習得するのに時間がかかる」という科目という性質上、夏の間の勉強に最適というワケ。
理社の勉強法は、単元ごとにきちっと基礎を積み上げていくことに尽きる。受験用の難しい問題集を使う必要はないが、標準的なレベルの問題集を自力でしっかりと解けるようにしておくことが目標だ。全ての単元を勉強するのが時間的に難しい場合は、苦手な単元をピックアップして、苦手度の高いものから復習を始めると良いだろう。
理社以外の苦手科目の復習
理社以外の科目、特に英語や数学に苦手意識があるのなら、是非夏の間に最低限の基本を復習しておきたい。英語や数学が苦手だと感じている場合、「特に何が分かっていないから苦手なのか」ということから考え始めること。「ただ苦手だから」と漠然と最初から復習していても、積み重ねの科目である英数の苦手はまず攻略できない。
どこら辺からつまづいたのか。何が分かっていないのか。それをまず分析することから始めよう。よくあるのが、「自分が何を分かっていないのかが分かりません」というタイプ。そういう人はかなり重傷なので、薄〜い復習用の問題集を一通りやりながら、どこでつまづきやすいのかを把握すること。つまづいたポイントが把握できれば、その部分に戻ってとにかく量をこなしながら復習する。苦手なのに、「質で勝負」とか言っている場合ではありません。苦手だからこそ「量勝負」。同じ問題集を何回も繰り返し解いて、解法や仕組みを頭に叩き込むこと。
まとめ
繰り返しになるが、高校受験生(トップ校志望者)が夏の間に必ずしておきたいことは、過去問などの実践形式の前の各教科の「下地作り」です。あとは、それとプラスして、9月以降の先取り学習で中3の学習内容をある程度完成させておくが望ましいが、それは塾なしで一人でやるにはかなり難しい。一番の理想は、塾の夏期講習で先取り学習をし、自宅での自主学習で下地作りをするという方法。
ちなみにうちの塾の中3生には、定期テスト後から本格的に中1中2の理社の復習に取り組んでもらっている。「夏からやろう」なんて甘っちょろいことは言ってられない。入試の日は既に決められているのだから、少しでも早く受験勉強を開始することが重要だ。