入試直前!塾講師が教える最後にやっておきたい3つの勉強法

2015年2月4日

神奈川の公立入試まであと12日。今日から金曜日までの志願変更受付期間を経て、今週金曜日の夜には最終倍率が発表されます。いよいよ入試までのカウントダウンが始まりました。

「入試直前の時期って何を勉強すれば良いんだろう」と悩んでいる人は案外少なくありません。なかには「入試の直前なんて何をやってもムダ」と勉強するのをやめてしまう人もいれば、直前だからといきなり火がついて猛勉強し始める人もいる。

勉強法って最終的には人それぞれだから、基本的に自分がやりたいことをやれば良いとは思うんですが、塾講師の立場として「直前はコレをやっておいた方が良い」と思うことを書いておきたいと思います。
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「やや苦手」な単元を中心に勉強する

入試直前のこの時期になると、得意科目は放っておいてもある程度点数が取れるし、それ以上の点数アップはあまり見込めない。一方で、苦手すぎる単元は、あと何日かで基礎からやり直ししようと思っても、残りの日数を考えたら入試まで仕上げられるかどうかは微妙。

今の時期に一番効果的なのは、「やや苦手」レベルの単元(あえて教科とは書かず「単元」と書いている。教科ごとに大きく括るな。教科を単元別に細分化することが大切)。入試本番で出題されたときに、「アレ、これ何だったっけ?やったはずなんだけれどどうやって解くんだったっけ?」となる恐れのあるあやふやな記憶や解き方を、完璧なレベルにまで仕上げることが、入試直前に最も効果のある勉強だ。

今まで解いた問題集や模試をもう一度パラパラと見返しながら、そのようなあやふやな単元がないかどうか、もう一度確認する。もしあやふやな単元があれば(絶対にあるハズ)、その単元の問題をもう一度解きながら、解法の流れや暗記するべきポイントを復習しよう。大切なのは、一度解いた問題をもう一度解くということ。新しい問題を解くより、一度解いた問題の方が、かすかでも解法プロセスを覚えている分、問題を解く時間が短期間で済む。

そのとき、ダラダラと何時間も何日も1つの単元を勉強し続けないこと。すでに今まで一生懸命勉強してきたのだから、1単元を復習するのに2〜3時間あれば十分解法を定着できるハズ。たとえ3時間かかったとしても、1日9時間勉強すれば、1日3単元は復習できる。それをあと12日繰り返せば、単純に計算しても36単元分復習可能。そう考えれば、あと12日でもまだまだ点数は上がっていく。

過去問をもう一度解いて解法の流れをチェックする

この時期なので、さすがに1度や2度は過去問を解いていると思うが、すでに解いた過去問を使いながら、解法の流れをチェックすると良い。特に国語や英語の読解系でこれは効く。それぞれの設問で、どの箇所に問題を解くためのヒントがあったのか、なぜその箇所なのか、この問題を解くにはどういう視点が必要なのかを丁寧にチェックしよう。

国語の条件作文や英語の英作文などの作文系の問題は、すでに添削されてある模試や模範解答を参考にしながら、どういう表現でまとめれば良いのか、どういう内容を織り込めば良いのかもチェックしておくこと。

要は、読解系の科目は解法手順とプロセスを明確にしておくこと。そうすると、入試本番でも解法で迷うことは少なくなるだろう。1度解いている過去問チェックなら、1科目1時間あれば余裕で終わる。

新しい問題(入試問題)を解く

先ほど、やや苦手な単元は、新しい問題を解くより一度解いた問題をやり直せと書いた。ただ、一度やった問題をもう一度解くことで効果的なのは「やや苦手な単元」を復習する場合だ。よく、入試直前は「新しい問題には手を付けない方が良い」と言われるが、私の考えではむしろ逆。この時期でも、入試問題や模試などの実践形式になっている新しい問題をどん欲に解いていくべきだ。

というのも、入試本番では、どの科目も全く新しい問題を解くことになる。似た問題が出る可能性はあるが、神奈川県のようにここ2年で問題傾向やレベルが激変している入試となると、むしろ似たような問題すら出ない可能性の方が高い。

新しい問題を解くときにのみ、使う頭というものがある。一度解いた問題を解く場合、記憶の引出しの中から探そうとする頭がはたらくが、新しい問題を解く場合は、まず解法の手がかりを掴もうとする頭がはたらく。この2つの頭は、全くの別物だ。

入試問題が初見の問題である以上、新しい問題を解く訓練を怠ってはいけない。過去問は、あくまでも過去問でしかない。新しい問題を解く時は、なるべく実践形式の模試や他の都道府県の入試問題を使おう。一問一答のような問題や基礎中心の教科書準拠の問題集のような問題を解いても、あまり入試を解くために必要な頭を使う訓練にはならない。

新しい実践形式の問題を解く時、「分からない問題の対処法」を考えておくと更に良い。分からない問題に対して、どこまで考えるのか、はなから飛ばして捨て問にするのか、先に他の問題をやって戻る時間があるのかどうかを臨機応変に考えておくと、本番で分からない問題に出くわした時にも慌てずに対処できる。

まとめ

入試まであと12日だが、入試直前の勉強が一番ダイレクトに当日に反映される分、まだまだやれることはたくさんある。「入試前だから調整に入ろう」と、ワケの分からない「調整」という名目で絶対に手を抜かないこと。

やや苦手な単元をしっかり復習し、過去問チェックで解法の手順を確認し、新しい問題にどん欲に挑戦していくことで、初見の問題に対する解答力を磨いていく。これは、ほとんどの人にとっていつも通りの勉強かもしれない。そう、入試直前だからと新しい奇抜な勉強法をやる必要はどこにもなくて、普段通りのことを入試前日まできちんとやる。これが一番大切なことだ。