「男の子は後半に伸びる」はウソか本当か。塾講師が考える「後半に強い子」はこんな子。

受験にまつわる噂はたくさんあります。そのうちの一つが、「男の子は後半に伸びる」というもので、中受でも高受でも大受でも、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。

息子さんをお持ちのお母さんが、「うちの子は部活ばっかりで全然家で勉強しないのよ。部活から帰っても寝てばっかりだし。この前も模試で酷い点数をとってきちゃって、このままだったら第一志望なんて夢のまた夢だわ」と嘆くのを聞いた娘さんをお持ちのお母さんが、「あら、大丈夫よ!男の子は部活を引退した後に受験勉強に集中するから、後半に伸びるって言うじゃない。うちの子なんて、コツコツやっているみたいだけれど、マイペースすぎるというか、そっちの方が心配だわ・・・」なんていう調子で、井戸端会議をしている光景は日本全国で見られます。

さて、この都市伝説のようにまことしやかに囁かれている「男の子は後半に伸びる」は本当なのか。私の経験則から検証していきたいと思います。
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男だから女だからって関係ねーよ!

はい、いきなり結論が出てしまいました。タイトルにも書いた通り、「男の子だから」「女の子だから」というのはほぼ関係ありません。そんなステレオタイプのジェンダー論は、昭和時代の産物に過ぎません。確かに、部活動引退を機に、受験勉強に集中して後半に追い上げてくるタイプの生徒はいます。でも、それは男の子だからというワケではなく、女の子だってそういうタイプの子はわんさかいます。

逆に、部活動で燃え尽きてしまって、引退後のせっかくできた自由な時間を勉強時間に充てられず、結局部活引退前と比べても成績が伸びない子もたくさんいます。もちろん男の子でも女の子でもです。コツコツ派の子は伸びにくいというのもまたステレオタイプの一つです。コツコツ派の子だって、受験直前期にグンと伸びる子もきちんと存在します。

結局は、男の子だから後半強い、コツコツ派の女の子は後半弱いなんてことはまずありません。これは言い切っても良いレベルです。

後半伸びるのは国語力のある子

後半に伸びる子は、部活動を全力で頑張った男の子ではありません。国語力のある子、言語能力の高い子です。

そもそも、なぜ後半に伸びる子が存在するのか。答えは簡単で、受験本番が近づくにつれ勉強に真剣さが伴ってくるからです。それまでは勉強に対してほとんどヤル気を見せなかった子でも、受験が近づいてくるとさすがに「このままではマズい」と思い始め、自発的に勉強をするようになります。自発的な勉強を支えるのが、ズバリ「国語力」です。自分で教科書や参考書を読んで復習したり、分からない問題は解説を読んで考えてみたりなど、自発的な勉強には「読む」という行為が欠かせません。つまり、「読んで理解する」ということができない国語力の持ち主の子は、いくら受験後半にようやくヤル気に火がついて、自発的に勉強をしようとしても、勉強のクオリティは極めて低くなってしまうのです。

毎年、中3生の塾生それぞれの進路指導をするとき、私は必ずその生徒の国語力・言語能力の高さから、この子はどこまで伸びるかどうかの予測を立てます。毎年これをやっていますが、だいたい私の予測通りの結果になります。国語力のある子は、本人さえヤル気になれば面白いように伸びていきます。逆に、国語力が低い子は、いくら本人がヤル気になって一生懸命勉強したとしても、伸び率が鈍いのが正直なところです。

精神的な成長と成績の伸びは比例する

もう一つ、受験生の成績の伸び具合と関係があることは「精神的な成長」です。精神的に大人である子=自律している子の方が、受験は圧倒的に有利になります。「男の子は後半に伸びる」という都市伝説は、おそらく女子に比べて精神的な発達が遅い男子が、だんだんと精神的に成長していくにつれて成績も上がっていくケースが多いことからきたものでしょう。

何も自分で決められず、お母さんがいなければ何もできず、自律心も何もない子は、いくら地頭が良くても受験で戦えません。そういう子は嫌ほどたくさん見てきましたが、まあ大抵は男の子でした。女の子の場合、自律心はあっても精神的に弱い子はキツいです。いつも誰かと群れていなければ気が済まない子、すぐに弱音を吐いてしまい、しかもその弱音を誰かと共有したがる子は、だいたい楽な方へ楽な方へと逃げてしまうので、あと一歩のところで踏ん張りきれない。

親が主導権を握る中学受験と違い、本人が主体となって動く高校受験の場合は、やはり精神的な成長、自律の程度、心の強さが学力や成績にどうしても影響してしまいます。

まとめ

男子だからって後半伸びるということも、女子だからって伸び率が悪いということもない。あるとすれば、受験期後半で伸びる子、つまりヤル気になってからキチンと伸びる子というのは、自学の基盤となる国語の力が高く、そして自学に耐え得る自律心を持ち合わせた子というのが、私の今までの経験から導き出した答えです。ただ、もちろんそういう子達ばかりとは限りません。国語力のない子だっているし、精神的にも幼稚園児並みに未熟な子もいます。そういう子には、そういう子なりの戦い方がある。伸びは鈍いかもしれないけれど、それでも志望校に向けてその子なりにできることはあります。小さい塾の良いところは、そういう個人個人の性質を見極め、指導方法や接し方を変えていけるとこでしょう。

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