中学生にスマホは必要!?塾講師の見解はこれ

今や猫も杓子もスマホを持っている時代。
一昔前は中学生の保護者に対して、保護者会でよく「できる限り子供に携帯電話を持たせないでください。勉強の弊害になるだけですから。」とお願いしたものだが、今は中学生になる前からすでにスマホを子供に買い与えてしまっていることが多くなってしまった。

日頃中学生と接している塾講師だからこそ言えることだが、中学生がスマホを持つ必要性は全くない。むしろ、スマホを持つことによる弊害を嫌というほど目にしてきた。

ということで、今日は中学生がスマホを持つ必要がないという私の見解について書いてみることにする。

防犯としてのスマホは有効か

犯罪に巻き込まれないようにと、小中学生にスマホを買い与える親もいる。
その目的ならば、それこそキッズケータイで十分です。最初から防犯ブザーがついているキッズケータイの方が、スマホよりも防犯になる。
それ以上に、スマホを持っていることが原因で犯罪に巻き込まれるケースの方が圧倒的に多い。
「スマホを持っていなかったから犯罪に巻き込まれた」というニュースはほとんど聞かないけれど、「スマホを持っていたから犯罪に巻き込まれた」というニュースはしょっちゅう聞く。
LINEを介しての援助交際や、クリック詐欺、Twitterでバカな投稿をして逮捕、いじめの現場をYouTubeに投稿などなど、スマホによる犯罪事例が後を絶たないのに、防犯の目的でスマホを買い与えるのは全くもって理にかなっていない。

勉強系のアプリが揃っている・・・?

スマホは勉強系のアプリが揃っているからという理由もよく聞く。
確かに、私のiPadにも日本地図アプリや世界地図アプリが入っているし、このアプリのおかげで、社会が大嫌いな私でも世界の国名と場所はだいたい把握することができた。その他にも、iBookでいつでもどこでも本を手軽に読むこともできるし、調べものをするときも辞書系のアプリはたいへん役に立つ。最近では、スマホで予備校や塾の授業を見るサイトも登場してきているらしい。
しかし、スマホで勉強するのは確かに便利で面白いが、それに頼りすぎるのはどうかと思う。“宿題で分からないことがあれば、自分で考える前にスマホで検索!” “解けない問題は知恵袋で一発解決!” “辞書を引くよりも前にwikipediaで調べる”・・・こんなんで学力が鍛えられるとはとても思えない。スマホが便利であればあるほど、子供は自分で考えなくなる。
さらに、スマホをいじることによって、肝心の勉強の時間が絶対的に短くなってしまう。勉強になるからと買い与えたはずのスマホが、逆に勉強の弊害になってしまうことが大半だ。

スマホを持っていなければ同級生の輪に入れない?

これが親が子供にスマホを買い与えるほとんどの理由だろう。
今や約半数の中学生がスマホを持っていて、同級生同士のコミュニケーションは、ほぼLINEを介してやり取りされている。
「スマホを持っていないと、その仲間に入れず、同級生の話題についていけない。それではかわいそうだから、スマホを持たせてあげよう」と考える保護者の方が多いとは思うが、LINEは別にガラケーでもできるし、パソコンからだってできる。
そんなにLINEがしたいのなら、リビングにあるパソコンで十分させてあげればよいし、スマホでなければいけないという理由もない。

そもそも、「スマホがないから」「LINEをやっていないから」という理由でコミュニケーションが取れないと嘆く子供に、「よしよしかわいそうに」とスマホを買い与えるのが親の役目だろうか。
スマホやLINEが無くても友達と上手くやっていける子に育てることの方が、子供の教育という観点から見るとよほど重要なことに思える。

どうしてもスマホを持たせたいのなら

中学生のスマホは百害あって一利なしというのが私の見解だが、「それでもどうしてもスマホを持たせたい」という保護者の方に、是非守っていただきたいことがある。

ルールをこと細やかに決める。

スマホの使用に関してのルールをこと細やかに決めておくことが重要。中学生は、親の制限がないと本能のままに暴走してしまう生き物だ。特に、スマホなどの「高価でおもしろすぎるオモチャ」は、中学生にとって勉強よりもお手伝いよりも学校よりも魅力的。親の制限がないと、本能のおもむくままにスマホで遊び倒してしまう。

ではどんなルールを決めればよいか。
例えば使用時間。1日3〜4時間もスマホ漬けなんてどう考えてもおかしい。中には、「宿題を先に終わらせてからスマホをさわりなさい」なんていう親もいるが、宿題を先に終わらせればいいってもんじゃない。
夜○時以降は親がスマホを取り上げて一切触らせないなど、子供がスマホから離れる時間を確保したい。

親がアプリ内容を把握

子供がどんなアプリをダウンロードしているか、親は何も知らないし関与もしないのはいただけない。
スマホを持たせるのなら、最低限親がアプリの内容を把握するために定期的に子供のスマホをチェックする。そして、有害なアプリやゲーム系のアプリばかり入っているようなら、速攻で削除しよう。
子供は「自分のスマホを親に見られるなんてあり得ない。プライバシーの侵害だ!」なんてわめき散らすかもしれないが、そもそも親に高額なスマホ代を払ってもらっている時点で、スマホの所有権は子供にはないんだから、プライバシーもへったくれもない。

フィルタリング機能を徹底

フィルタリング機能なしでスマホを持たせるということは、中学生が簡単にわいせつ画像や動画、死体画像や暴力動画など閲覧できる異常な環境に置くということ。常にそんな異常な環境に触れさせてしまう危険があるということ。その状態が思春期の子供の精神発達に良いわけがない。
フィルタリング機能は万全ではない(wifiを使えばいとも簡単にフィルタリング機能が無効になってしまうなど)ものの、全く何もしないというよりも少しはマシだろう。

まとめ

塾講師をやっていると、「子供がスマホばかりいじって、まったく勉強しない。先生、どうすればよいですか?」という相談を受けることがよくある。
その度に、目の前の保護者の方に「スマホを与えると勉強しなくなるのを百も承知で、買い与えたのはいったいどこの誰ですか?」と小一時間問いつめたい衝動に駆られてしまう。

最近の中学生を見ていて思うが、中学生は我々大人が想像する以上に自制心が乏しいと思って良い。
自制心のない子供に対して、好き放題遊べる高価なオモチャを買い与えるとどうなるか、スマホを子供に買ってあげる前に想像してほしい。
きちんと自分で自分を律することができるまでは、中学生がスマホを持つべきではない、というのが私の見解。

それでも、スマホを買ってあげなければいけない状況ならば、親の全責任においてスマホ利用の教育・管理をすればいい。
買い与えるだけ買い与えといて、ネットリテラシーも教えない、スマホ利用の管理もきちんとしないのは、明らかに親の責任放棄だと思う。

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 12 )
  • Trackbacks ( 1 )
  1. posted by 村上拓海

    そんなにLINEがしたいのなら、リビングにあるパソコンで十分させてあげればよいし、
    ってあるけど実際にはGoogleかFacebookのアカウントを取得しなければならないし、
    そっちの方がめんどくさいきがする。
    それになぜパソコンがあるってきめつけてんの?
    わざわざ10万近くもし固定回線かモバイル回線 パソコンだと一回の送受信にスマートフォンよりおおくの通信がかかるからスマートフォンを買ってあげた方がやすい場合もある

    • 貴重なご意見ありがとうございます。
      確かに、パソコンがどの家庭にもあるという前提はおかしいですよね。
      だからと言って中学生のスマホに対する私のスタンスは変わりませんが、最近はスマホを禁止するだけではダメなような気もしています。

  2. LINEしなきなきゃ仲間に入れないって事なら入らなくてよろし。学校でいじめられるなら行かなくてよし。
    うちはそういうスタンスでもたせていませんが、塾で、オンライン授業をするからパソコン買い与えて下さい、と言われ私は買わないつもりでしたが、主人が買い与えました。
    あれから一年。ゲームにはまり、問題の解き方はパソコンで調べ。勉強する時間がないのか成績は下降線。
    結果主人は、パソコンばっかするから成績が下がった。取り上げだ!と怒っていますが。
    こういう結果を予測しない大人の方が恥ずかしい。大人の姿勢がアッチコッチぶれちゃいかんのですょ。
    むしろ面白いオモチャを目の前に、遊ばない子供の方が不健全。
    だから、与えた人が悪いって話です。
    子供が仲間外れにされたら自分ではフォロー仕切れないから与えるんですょ。そんな親は無知と弱さを露呈してる。私は先生に大賛成。

    • コメントありがとうございます。

      この記事を書いてから数年経ち、今は当然のように中学生がスマホを所有するようになりました。
      中学生にスマホを与えることにためらいや葛藤を持たれる親御さんも少なくなってきたように思います。

      スマホと子どもとの関わり合いの問題、本当に難しいですね。
      ただ、やはりほとんどの中学生が、スマホ中心の生活になっているというのは現場で見ていて肌で感じています。
      そしてもちろんスマホ中心の生活をしている子の方が、学力も低く勉強時間も少ないです。

  3. posted by 赤枝 祐輔

    はじめまして兵庫県で塾講師をしています。おっしゃること、同感です。親をつめたい気持ちもわかります。

    これからも拝見して参ります。

    • コメントありがとうございます。
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

  4. posted by 赤枝 祐輔

    他の記事もすごく勉強になります。真の教育者ですね。

    いつか見学に参りたいと思っています。

  5. 只今、子供が中2と中1。私は先生のおっしゃる通りの気持ちでいるため、子供達には携帯を持たせていませんし持たせるつもりもありません。ですが、先日、子供達とは年に1度会うだけの別れた父親が、携帯を買い与えると約束したそうです。
    迷惑な話とも思う反面、とうとうこの時が、とも思います。思春期の子を育てている以上、携帯問題とは付き合っていくしかありません。
    多少無理があると思いますが、色々な事を参考にし、子供達と私が納得できるルールを作りたいと思います。

    • 子の記事を書いたのが2014年、今から2年前です。この2年間で、携帯電話事情も大きく変化し、ますます多くの子どもたちが、当たり前のようにスマホを与えられるようになりました。高校生になるまでスマホや携帯は持たせてもらえないというのは、今や時代遅れなのかもしれません。
      ならば、いかに上手にスマホと付き合っていくか、どのようなルールのもとで使用させるかを考えていく方が有意義なのかもしれませんね。

  6. はじめまして。先生の記事を拝読し、共感しています。
    我が家は小学高学年。以前より携帯は高校生になってからと話しています。
    どうなることかわかりませんが。
    PCは図書館で検索や他、最近の子供は使う機会も多いので、来年タブレットを1台私との共有で用意し、リビングで使う、使用時間の限定など取り決め、ネットマナーについて教えようと計画中です。
    携帯やPCとは切っても切れない時代。でもそれに振り回されず、自分の力で考えて欲しい。
    そう思い、こちらの記事をプリントアウトさせていただきました。
    他の記事も読みます。ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます。

      今の時代、子どもにスマホを持たせるとしても持たせないとしても、それぞれ大きなリスクと覚悟を背負うことになります。
      大切なのは、どちらを選択するにせよ、そのリスクやメリットを熟考し、覚悟することだと思っています。

      mmk様のおっしゃる通り、スマホやネットに振り回されず、自分でうまくコントロールできる力が求められている時代ですね。
      大人でも難しいことです。

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