新校長体制の秦野高校は、生徒が「骨太」な古き良き伝統校!

今年も公立高校訪問の時期になりました。

2018年公立高校訪問の初回を飾るのは、やはり今年も秦野高校です。

秦野のレポートを書く前に、今日は公立高校訪問がどのように行われているかについての裏側に触れておきます。公立高校は私立高校と違って、高校側主催の塾対象説明会はほとんど行われません。昨年度から大々的に塾対象説明会を実施している小田原高校は例外中の例外です(小田原高校塾対象説明会レポ:選考基準が変わった小田高はどう変わったのか。)。

普通、公立高校を訪問する場合は、神奈川県私塾協同組合が各高校側に学校訪問の受入れを依頼し、受入れOKの公立高校と日程を打ち合わせて、公立高校訪問が成立します。私みたいな個人の塾が公立高校に裸一貫でいきなり突撃しても、門前払いされて終わりですからね。公立高校訪問に参加できることが、私が私塾協同組合に所属している大きな理由の一つです。

で、私塾協同組合がいくら正式な手続きで依頼しても、返事ひとつ返さずに無視を決め込むという失礼極まりない公立高校も少なくないわけです。そんな中、秦野高校は毎年ダントツでレスが早い。しかも快く我々の訪問を受け入れてくれます。

こういう姿勢からも、秦野高校がいかに民間にも開かれた学校、行動が早い学校、新しい考え方をどんどん取り入れる学校ということがよく分かります。

前置きが非常に長くなりましたが、2018年の秦野高校のレポート記事、スタートです。

(過去記事もどうぞ)

草創132年の伝統はダテじゃない!

秦野高校といえば、いろいろと『神戸語録』を残してくれた(過去記事参照)前校長の神戸校長が今春定年退職され、4月から現校長の今田(こんだ)校長先生が着任された。

今田校長先生は、工業高校や総合高校、神奈川県で1〜2位を争う超進学校や定時制高校まで、これまでに実に様々な種類の公立高校で教鞭を執ってこられて、秦野高校で10校目にあたるとのこと。ちなみに秦野高校の前は、厚木東で校長を務められていたそう。

そんなたくさんの高校をご存知の今田校長に、秦野高校の率直な印象を伺うと、すぐに「秦野に来て一番に思ったことは、草創132年の伝統はダテじゃないということです。」と返ってきた。

今田校長「秦野高校の伝統であり、校訓でもある『文武両道』『質実剛健』が貫かれているなと感じました。私はこれまで超進学校から定時制高校までの、さまざまな高校の生徒を見てきましたが、秦野高校の生徒が一番『骨太』です。部活も学校行事も勉強も一生懸命頑張る文武両道の伝統が、生徒を骨太にしているのでしょうね。」

秦野に骨太な生徒が多いというのは初耳だったのでやや驚いた。やはり外部から新しい目線が入ると、同じ高校でも新しい発見がある。

今田校長「骨太な生徒というのは、具体的には、きちんとした生活を送る力がある生徒、挨拶など当たり前のことが徹底されている生徒のことです。秦高生は、1年生と3年生の顔付きが全く違います。伝統が受け継がれた秦野での生活が、生徒たちの顔付きまで変えているのだなと思いました。」

確かに秦野高校に訪問したとき、すれ違う生徒が皆「こんにちは」と気持ちよい挨拶をしてくれる。もちろん他の高校の生徒たちも挨拶をしてくれるが、確かに校長先生の仰るとおり、秦高生は他の高校とはやはりちょっと違う。何というか、はにかむこともなく、大きな声で堂々と挨拶してくれる生徒が多い。

前任の神戸校長先生がしきりに仰っていた「凡事徹底」。当たり前のことを当たり前にできるようにという精神が、ちゃんと浸透しているように感じた。

神戸校長、やるじゃん!

生徒のICT利用に対するリテラシーがすごい

秦野高校は県教委からICT利活用授業研究推進校に指定されている。指定されているだけあって、ICTの環境は他の公立高校と比べ物にならないくらい整っている。

例えば2年前に撮影したこのICT教室は最先端のICT機器が揃っているし、校内にWIFI環境も整えられていて、スマホを使った授業も度々行われているとか。その様子は去年全国放送の朝の情報番組でも取り上げられたほど。

秦野のICTが凄いのは、何も最先端のICT機器を駆使しているとかWIFI環境が整っているとかそういうところではなくて、生徒のICTに関するリテラシーの方だと感じた。

例えば、スマホを使った授業中に、授業とは関係ないTwitterやLINEなどのSNSアプリとかを使っている生徒はいないのかを尋ねたところ、校長先生はキッパリと「そういう生徒はいません」と言い切られた。他にも、生徒主体での「ICT委員会」みたいなものがあり、校内でのスマホの利用のルール等を生徒が自分たちで考えて決めているとのこと。

ICTの利用以外にも、秦野は学校行事などもほぼ生徒主導でルール作りから行われている。

今田校長は、「秦野は勉強だけの頭でっかちな子を育てるのではなく、部活動や学校行事を通して、総合的に生徒を育てています」と力説されていた。

秦野高校の今後

これまでの秦野高校訪問レポートにも書いてきたが、今回学力向上進学重点校に、秦野はエントリーしなかった。「選ばれなかった」のではない。秦野は自らの意志で手を挙げるのをやめた。

なぜ自ら手を挙げなかったのかということを、改めて今田校長に聞いてみた。

今田校長「学力向上進学重点校にエントリーしなくても、秦野は独自の伝統や方法で生徒を育てることができている。事実、秦野の大学合格実績は、同じ偏差値レベルの他の公立高校と比べても遜色ないどころか、秦野の方が上ということもある。だから、今までのやり方で、秦野は入ってきた生徒をしっかりと育てます。」

とのこと。秦野と同じ偏差値レベルの高校というと、海老名や座間あたりになる。校長の仰る通り秦野の方が実績が上回っているのか、今度改めて検証してみようと思う。

最後に、今田校長体制での秦野高校の今後の方針や課題を聞いてみた。

今田校長「今後もやっていくのは、継承・発展・改善です。秦野は伝統ある高校です。たくさんの良い伝統はそのまま継承し、さらに発展させていく。そして課題はきちんと改善します。今のところの課題は、キャリア教育と国際理解教育です。これからはこの2つにより力を入れていきます。」

国際理解教育というと、前任の神戸校長のときにオーストラリアのカジョリーナ高校との姉妹校提携がようやくスタートしたばかりなので、今田校長の言うように、秦野高校は国際教育でいうと後進校の部類に入るだろう。ただ、現校長の今田校長先生は、かつて国際教育に力を入れている伊志田高校にいらっしゃったこともある。しかも校長先生自身がもともと英語の先生ということもあって、今後の秦野の国際教育には大いに期待できるかもしれない。

まとめ

神戸校長先生から新しく校長先生が変わったということで、秦野がどう変わってしまうのか心配していたが、その心配はどうやら全くの杞憂だったようだ。

今田校長先生は冷静かつ穏やかで、それこそ熱血漢の神戸校長先生と全く逆のタイプの先生ではあるが、神戸校長同様、聞く耳をきちんと持たれていて親切に何でも答えていただけ、そして「いつでも授業見学にいらしてください。なんならこの後どうですか。」と仰っていただいたほどのオープンハートの持ち主でもある。

校長先生が変わっても、秦野高校はこれまで通り、秦野地域のトップ校として、そして厚木や小田原にちょっと届かない層の受け皿として、独自の伝統で「入ってきた生徒を骨太に育てる」教育を実践されていくんだろうということを確信できた訪問となった。

ちなみに、最後に今田校長が仰った言葉が印象に残っているので、紹介しておこうと思う。

今田校長「秦野は部活に力を入れている高校と思われていますが、文武両道の『武』は、部活動の『武』という意味だけではありません。私の個人的な考えとしては、それが塾や予備校だっていい。ボランティアや地域活動だっていい。学校の勉強以外で一生懸命になれることがあれば、何だっていいんです。いろんなことに一生懸命になれることが、人を成長させるのです。文武両道とは、そういう意味なのです。」

秦野高校、いい高校ですよ。

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