小田原高校塾対象説明会レポ:選考基準が変わった小田高はどう変わったのか。

今日の午前中は、小田原高校の塾対象説明会に参加してきました。公立高校では非常に珍しい塾対象説明会を小田高が開催するのは、去年に引き続き今年で2年目になります。


今年も去年同様、事前に副校長から直々に電話で塾対象説明会へのお誘いがありました。私立高の場合は郵送で頻繁に説明会の案内が届きますが、お誘いのお電話がかかってきたことはありません。

時代は確実に変わったな、と感じます。一昔前は、学校と塾がお互いを敵対視しているような時代でした。学校が「塾なんかに行くな!」と言い、塾が「学校の授業なんか役に立たない!」と応戦するようなことが、日本各地で起こっていました。でも今は、県西地区の公立高校の雄である小田原高校が、これだけ塾に歩み寄ってくれる時代です。

校長先生曰く、「9割近くの小田高生は、中学生のときにどこかの塾へ通い、塾の先生から指導・アドバイスを受けて小田高に入学しています。このことからも、塾の先生方と情報共有をすることが、中学生にとってより良い高校選びに繋がると思っています。」

こう仰っていたのを聞いて、公教育と私教育が無意味に争い合うのではなく、協力し合うことこそ生徒のためになるということを理解しておられる新しいタイプの校長先生だと感じました。

前置きが長くなりましたが、私教育側の人間として、小田原高校の取り組みを広く伝えるために、今日の塾対象説明会の内容を記事にします。

選考基準の変更の影響はいかに!?

合格者平均点への影響

2018年度入試から、小田原高校はそれまでの選考基準「内申:入試:面接=3:5:2」から「4:4:2」へと変更し、特色検査を完全に廃止しました。(参照:H30年度は小田原ショックの年!小田原の入試2大変更による影響はいかに!?

今日の説明会でも、今回の選考基準変更による入試結果の影響を校長先生自らお話しされていました。

まず、4:4:2と内申の割合を上げたことで、当然ながらA値の合格者平均が約4ポイント程度上がったのとのこと。ちなみにA値とは内申点のことです。内申の割合が3割から4割に上がったわけですから、これは当然と言えば当然のことでしょう。全県模試の伸学工房さん調査では、2017年度入試の小田高の合格者平均は124程度。これから4ポイントアップとなると128くらいってことでしょうか。かなり高いですね。

一方学力検査はというと、難しくなった今年の入試と2017年度入試で平均点を比較するのは難しいのですが、去年より−25点程度だったとのこと。ちなみに今年の入試の県全体平均も、2017年度よりも−25点程度です。つまり、学力検査に関してはほぼ例年通りで、選考基準による目立った変化は見られなかったとのことでした。

入学生の学力への影響

続いて、特色検査の廃止、選考基準を学力重視型からバランス型へシフトしたことにより、入学した生徒の学力や資質はこれまでとどう変わったかについてです。

校長先生曰く、「学力の平均については、今のところ今年入学した1年生と、特色検査を実施していた2年生3年生とで、そこまで大きな変化はあると思いません。一つ言えることは、他の学年と比べると、1年生は学力差は小さいですね。飛び抜けてできる上位層も、離されている下位層も例年よりは少なく、平均値に集まっているような正規分布をした形になっています。」とのこと。

「ただ、選考基準の変化の影響かは分かりませんが、今年の1年生は本をよく読みます。今まででは考えられないくらい、図書室の書籍の貸し出し数は増えています。内申点が高い生徒がより多く入ってきたことで、真面目で総合力の高い生徒が多くなりました。」と、付け加えられていました。

校長先生の言う「総合力の高い生徒」とは、課題の提出期限をきちんと守り、勉強にも部活動にも真面目に取り組み、学校行事ではリーダーシップを発揮するタイプの生徒とのことです。その一方で、学力は若干弱い部分もある。

「現状での学力部分は弱くても、総合力の高い生徒を、高校の3年間でいかにして伸ばしていくか。それが小田原高校の使命だと思っています。」と力説されていました。

入学時より卒業時の方が伸びているという事実

小田原高校の今年度の大学現役合格実績は次の通り。

  • 国公立大学…72名
  • 早慶上智…70名
  • MARCH…211名

今年度の卒業生は、テレビドラマ「弱くても勝てます」効果により、小田高の倍率がここ10年で最も高かった入試を潜り抜けた代です。当然特色検査もあったし比率も3:5:2、その当時の倍率は1.32倍です。その影響もあってか、今年の小田高の実績は、ここ数年の首都圏私立大学定員厳格化の波にも飲まれることなく、国公立大現役合格者数は過去3年間で最高、早慶上智も2015年度の106名に次いで2番目の合格者数というなかなかの結果でした。

説明会で校長先生が特に強調されていたことは、「小田原高校は他の学校よりも、入学時よりも卒業時の方が生徒の学力が伸びているのが特徴です。」という部分。

校長先生の調査によると、今年度卒業した生徒達が3年前に高校入試の学力検査を受けたとき、小田原高校の学力検査の平均点は、県立高校の中で上から12番目だったそうです。しかし、それから3年後の、今年の国公立大学合格者数の順位は県立高校の中で上から5番目、早慶上智では上から7番目と、確実に順位をあげているとのこと。

この高校ごとの入学時の平均点と卒業時の実績の差、めちゃくちゃ面白そうなので私も独自に調査してみたいと思います。

校長先生は「これは素直にすごいことだと思います。現場の先生方にもこのことに自信を持って欲しい。小田高は、高校3年間で生徒を確実に伸ばしているということですから」と仰っていました。

小田原高校の今後の展望

今年度、新しい学力向上進学重点校として、湘南・横浜翠嵐・柏陽・厚木の4校が県教委から指定を受けました。進学重点校に立候補していた小田原高校は、悲しくもこの選考から漏れた結果になってしまったことになります。

しかし、県教委は、また新たに学力向上進学重点校のエントリー校を募集します。すでに指定を受けた4校に加え、また新たに数校の重点校を決めようとしています。

校長先生「もちろん、次期学力向上進学重点校への指定を目指して、小田原高校もエントリーします。」

あくまでも、学力向上進学重点校の指定を狙っていく、ということです。そのための小田高の一番の課題は、やはり難関と称される大学への現役合格の実績でしょう。国公立大学合格者数だけ見ればある程度の結果を出しているものの、最難関である東大・一橋大・東工大・京大4校の今年の実績だけ見れば、4校合計しても3名のみ。この部分を今後どれだけ伸ばしていけるかが勝負になるでしょうか。

ただ一つ、注意しておかなければいけないことは、もし、来年以降小田原高校が学力向上進学重点校に指定されたり、あるいは指定までいかなくてもエントリー校として県教委に認められた時には、また小田高でも特色検査が復活する可能性は十分あるということです。

さすがに既に選考基準が発表された来年度の入試で復活することはありませんが、再来年、つまり今の中2生が受験を迎えるときは、特色検査が復活している可能性が十分考えられます。しかもその特色検査は、今年から導入予定の一部が共通問題になった特色検査である可能性も高い。(参考:新学力向上進学重点校4校の特色検査が2019年から一部共通化!その影響を考えてみた。

今の中2生より下の学年にとっては、「小田原高校は特色検査を実施しない」と考え、とにかく内申確保のみに走るのは危険です。特色検査がいつ復活しても困らないように、十分な学力を身につけておきましょう。

校長先生も、「4:4:2にしたからと言っても、やはり十分な基礎学力を持った生徒に入学してほしい。学力検査で最低でも8割以上、9割くらいは取れるような基礎学力を中学時代で養っておいてほしい」とのことでした。

まとめ

昨年度同様、今年も説明会後に各学年の授業風景をぐるっと見学させていただきました。いつ行っても感じますが、小田原高校はとにかく綺麗です。公立高校で、これだけ校舎が綺麗で充実した設備が整っている学校も非常に珍しいと思います。そんじょそこらの私立高校より綺麗です。この辺の中学生の多くが憧れるのも頷けます。

授業の様子も見て回りましたが、やはり落ち着いていますね。単位制の高校なので、見学した時間に授業がない生徒もたくさんいましたが、その多くは騒ぐこともなく、ボーッと過ごすでもなく、静かに自習をしていました。この辺もさすが県西の雄だと思いました。

塾の内情をお話しすると、近年うちの塾生の上位層は、小田原よりも厚木を受験する傾向にありました。小田原レベルの生徒でも、小田原を避けて平塚江南を選ぶケースも増えています。その原因は色々とあるのですが、小田原高校が学力向上進学重点校に指定され、今後復活していくのなら、うちの塾生にとってもこんなに良いことはありません。

そんな期待を込めて、小田高を応援しています。

8月4日に学校説明会があるそうです。小田高を目指している受験生は是非足を運んでみてください。

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