英語の最頻値が20点台!!平成28年度の公立入試5科目平均点から見る入試総括①

1週間ぶりのブログ更新です。2015年度最終授業から今日からの春期講習までの1週間、年度切り替えの作業等のためにお休みをいただいておりました。本日から春期講習と、2016年度授業カリキュラムを開始します。

さて先日、平成28年度の公立入試5科目の平均点が県教委から発表されました。春期講習中ということで、5教科全ての総括を書く時間はとてもじゃないですが取れませんので、平均点が大きく変化した英語と理科を取り上げて総括してみたいと思います。

詳しくはコチラ→http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/life/457625_3341220_misc.pdf

H28年度5教科平均点

塾生平均と県平均との比較

まずは5教科の平均点からです。参考として、うちの8期生の開示得点平均と比べてみます。

科目 英語 国語 数学 理科 社会
県平均 43.0 64.7 51.7 46.5 52.0
塾生平均 67.2 71.6 73.2 72.3 83.4

後で詳しく書きますが、今年は英語が例年よりも難化した影響で、県全体の英語の平均点が5教科の中で最も低くなりました。ここ2年連続して、県下最低平均は理科だったのですが、その理科の平均点も下回っています。うちの8期生の塾生平均でも、英語の平均点が最も低くなっていますね。改めて、今年は「英語ショック」の年だったと言えるでしょう。

過去3年間の県平均点推移

年度 英語 国語 数学 理科 社会
平成28年度 43.0 64.7 51.7 46.5 52.0
平成27年度 51.8 64.4 52.6 37.4 50.2
平成26年度 59.6 60.8 51.7 38.6 49.5

過去3年間の平均点の推移を見てみると、数学・国語・社会は多少の上下は見られるものの、国語は6割のライン、数学・社会は5割のラインで難易度が安定しています。一昨年・昨年と2年続けて平均点30点代をたたき出していた理科は、この2年の反省を受けてか、今年は昨年度より9.1点も高くなりました。

一方英語の平均点は、ここ3年間連続して下がる一方です。しかも小刻みに下がっていっているのではなく、1年ごとに7〜8点ずつ下がっています。現場で教えていても、毎年難しくなっている実感はあります。「高校入試も終わったことだし、大反省会をしようか。(英語編)」の記事でも書きましたが、英語の難しさは文法だとか読解だとか語彙だとかが難しいのではなく、英語が分かっているだけではダメであるという難しさです。

最頻値が20点代!受験生の半数以上が40点も取れなかった英語

まずは今年物議を呼んだ英語から。県教委が発表した得点のヒストグラムをまずはご覧下さい。
名称未設定-1 18.15.44
これを見ると、最頻値(中1の「資料の整理」で勉強します)が20点台で、割合で言うと全体の17.5%にあたります。その次が30点台で全体の15.3%、そして3番目がなんと10点台で、全体の14.8%にも及びます。これに一桁台を合計すると、40点未満の割合が51.5%、つまり受験生の半数以上が40点も取れていないという衝撃的な事実が分かります。偏差値50がだいたい受験生の中央値とすると、旧学区でいうと3番手くらいに相当するような偏差値50の高校の受験生でも、英語で40点も取れないということです。去年の入試では40点未満の割合が全体の36.7%だったので、40点未満の得点層の受験生が大幅に増えています。英語を苦手としている受験生は、今年は目も当てられないような点数を取ってしまったことでしょう。

高得点層の割合も今年は極端に減少しました。これまでは、トップ校受験生であれば、英語で80点以上を取ることは必須の条件でした。去年書いた記事「高校別合格者の科目別平均点から探る、トップ校合格への勉強戦略」をご覧いただくと一目瞭然ですが、トップ校の英語の合格者平均点はどの高校も5教科の中で最も高くなっていました。

ところが今年の入試では、80点〜100点の得点層が全体の7.8%に落ち込んでいます。同じように「英語が難しくなった」と騒がれた去年でさえ、80〜100点層は全体の15.1%だったことを考えると、トップ校受検者であっても英語で80点以上を取ることが難しい入試であったと言えるでしょう。

最上位層の90点代の割合を過去3年分見ていくと、H26年度10.1%→H27年度4.8%→H28年度1.8%と、その割合が極端に減少しています。つまり、もう「トップ校受験生は英語で得点が取れて当然」の時代ではなく、トップ校受験生であっても英語で差がしっかりとつくような入試になってきたということです。

トップ校受験生は、当然のように英語ができるでしょう。学校の定期テストであれば、9割を切ることなんてほとんどないと思います。しかし、今の入試では、定期テストレベルで満点近く取れるようなレベルであっても、それだけでは入試英語で高得点を取ることはできません。英語はできて当たり前。英語の力だけでなく、上でも述べたように長文を読み取れる国語の読解力、物事を論理的に考えられる論理的思考力、情報を正しく整理できる情報処理力がないと、今年の入試ではせいぜい取れても70点台が関の山でしょう。

今日はこの辺で。理科は次回以降に書きたいと思います。

今年の入試説明会は7月に開催予定です

毎年3月下旬に行っていた高校入試報告会+説明会ですが、今年は7月開催を予定しています。毎年5月〜6月くらいになると、各高校の平均点だったり、合否ラインだったりと色んなことが分かってきます。今年の説明会の開催を7月に遅らせたのは、より詳細な情報を保護者の皆様にお届けしたいという理由からです。

日時や場所など、詳細が決定次第お知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。