公立高校入試倍率確定!新入試制度下で志願変更数が激減したワケ。

2013年2月9日

15日の入試までいよいよ残すところあと6日となった今日、志願変更後の倍率が確定した。

平成25年度神奈川県公立高等学校一般募集共通選抜、特別募集、中途退学者募集及び別科志願者数(志願変更締切時)集計結果の概要

予想していたことだが、今年は志願変更で動く受験生が少なかった。前期・後期と分かれていた昨年度の後期試験で、志願変更をした受験生が31,733人中2,136人(全体の約6.7%)だったことに比べ、入試が一本化される今年度、志願変更をした受験生は50,578人中1,953人(全体の約3.8%)にとどまった。

今年、志願変更数がこれほど少なかったことの理由として、次の3つが考えられる。

  • ほとんどの高校で、例年の後期入試よりも比較的低倍率に収まったこと。
  • 面接シートの導入により、志願変更先の面接シートを作成する手間がかかり、気軽に志願変更をしにくくなったこと。
  • 学校の先生が志願変更を面倒くさがること。

これはちょっと予想外だったが、今年の入試は例年よりもかなり低倍率の入試となる。普通科だけで言えば、県立高校全体の倍率が1.18倍。昨年度後期の後期の1.43倍と比べてみてもかなり低い。昨年度までの後期では、1.5倍を越える県立普通科は24校あったが、今年度1.5倍を越える普通科は横浜翠嵐(2.07倍)、川和(1.51倍)、横浜緑が丘(1.55倍)、鎌倉(1.50倍)、湘南(1.86倍)の5校のみとなった。ちなみにこの5校ともトップ校だ。人気の高いトップ校以外は、非常に穏やかな倍率となり、志願変更する受験生が激減したと思われる。

次に面接シートの義務化。「面接シートは選考に関わらない」と、いくら表向きで言っても、やはり雑に書いて出せるものではない。1回目の倍率発表から志願変更までの期間はたった1〜2日。前もって志願変更先の面接シートを準備していない限り、高倍率が出たからと、慌てて面接シートを書くのは無理。このことから、倍率だけで動く受験生が例年よりもかなり減っただろう思われる。

最後に、やはりこれも面接シートが絡むことだが、学校の先生が志願変更を嫌がる。変更に伴う事務手続きも煩雑だし、面接シートの内容もまたチェックしなければいけない。うちの塾生が通う中学校で、3者面談のときに「面倒なので志願変更はしないでくださいね」とハッキリ言い切ってしまう先生もいると聞いた。志願変更は受験生の権利の一つだから、先生が面倒がってはダメだろうとは思うが、きっと想像以上に面倒なんだろうな。

というワケで、今年は比較的穏やかな入試となる。が!しかしだ。うちの塾生は穏やかではない子が多いのが、胃痛の種だ。無謀とも思える挑戦をする生徒、ボーダーぎりぎりのところを狙う生徒が例年になく多い。ただ、みんな頭から湯気が出るほど悩んで出した志望校だ。最後まで全力で戦おうと思う。