あなたの志望校、近い将来無くなっているかもしれませんよ。

あなたの志望校、近い将来無くなっているかもしれませんよ。

入試情報

H28年度からH39年度の12年間で、神奈川県の県立高校改革が実施されます。改革の内容は色々と多岐に渡るのですが、その中でも目玉になるものが、この改革を通じて既存の県立高校を20〜30校削減するということです。今の少子化と財政難の時代に、既存の142校をすべて存続させるのが難しいのでしょう。

4年後に早速無くなってしまう県立高校5校を14日発表予定

12年後に20〜30校を一気に統廃合するのではなく、12年間を3つの期間に分けて少しずつ削減していくとのことで、今後4年間の第1期に削減される高校の数が5校に決まったというニュースが今日の神奈川新聞で報じられていました。

1期計画で5校削減、来年4月から4年間県教委、県立高校改革(カナロコ)

記事によると、無くなってしまう5校がどの高校なのか、今月14日に発表されるとのこと。無くなってしまうといってもすぐに無くなるわけではなく、今後4年間、つまり現在の中3生が高校を卒業するまでは存続します。しかし、現中3の受験生にとっては、自分の志望校が卒業時にすぐに無くなるということです。あまりにも寂しすぎる話です。発表された5校の志願倍率は極端に下がるでしょうね。

ただ、もし1期計画に削減される5校に入らなくても、12年後には確実に最低あと15校以上は次々と高校が無くなっていくわけです。しかも、神奈川県内でも少子化のあおりをもろに受けているのが、うちの塾がある「中・県西地区(旧平塚・秦野・県西地区)」!県教委発表によると、この地区の平成42年の3月の中学生卒業者数はH27年度を100%とすると、82.7%まで落ち込むとのこと。これは神奈川県の地区の中で最低値です。平塚・秦野・県西地区の高校が統廃合される20〜30校に複数含まれるとみてまず間違いないでしょう。

いずれにせよ、1期計画で削減される5校がどこなのか、14日の発表を待ってから志望校を考えても良いかもしれません。

学力向上進学重点校も10校に削減

もう一つ、これはいつ発表されるか定かではありませんが、学力向上進学重点校も10校に削減されます。現在の学力向上進学重点校は、横浜翠嵐・光陵・柏陽・横浜国際・多摩・横須賀・鎌倉・湘南・平塚江南・小田原・川和・希望ヶ丘・緑ヶ丘・追浜・秦野・厚木・大和・県立相模原の18校。

学力向上進学重点校の削減と県立高校の統廃合との違いは、県立高校の統廃合はお役所が勝手に「はい、あなたの高校を潰しましょう。」と有無を言わさず指定してくるのに対して、学力向上進学重点校は手挙げ方式ということにあります。つまり、「学力進学重点校やりたいです!」と高校側が挙手したものに対して、県教委が認定するということです。

ただ、今までは挙手するために必要な条件はほとんど無いといって等しい状態でした。しかし、今回の高校改革からは、重点校に挙手するための条件が「指標」という形で次のように与えられています。

  • 入学者選抜において特色検査を実施し、質的・量的に充実した教科指導を展開していること。
  • 県教委が実施する学力調査(2学年)の結果により、高い学力を身につけさせていること。
  • 生徒の7割以上が在学期間中に英検2級程度のレベルを達成していること。
  • 学校の教育活動全体を通して豊な人間性や社会性を身につけていること。
  • いわゆる難関と称される大学(国公立・私立)への高い合格実績をあげていること。

そうすると、現18校のうち、最初の条件「特色検査を実施していること」をH28年度入試の段階で満たしているのは、横浜翠嵐・希望ヶ丘・光陵・柏陽・横浜緑ヶ丘・横須賀・湘南・平塚江南・厚木・小田原であり、奇遇(?)なことにちょうど10校になります。横須賀がH28年度から特色検査実施を決めたのも、こういった事情があるからかと勘ぐりたくなります。

しかし、学力進学重点校から外れたからといって、その高校の進学や授業に対する質が低下するということは、ここ神奈川県に置いては今のところ考えられないように思います。神奈川の学力向上進学重点校の制度は、東京都や千葉・埼玉の重点校の制度を真似したいのでしょうが、東京都のそれに比べると全く意味を成していません。この辺の事情に対しては今現在鋭意調査中ですので、調査が完了次第ブログ記事にする予定です。

まとめ:どこがスチューデントファースト?

今回の県立高校改革の趣旨として、「生徒の学びと成長にとって何が必要かという視点を最優先にする(スチューデント・ファースト)」という基本的な考え方に立ち、改革を行うとあります。

しかしながら、4年後に無くなる公立高校が、学校説明会も既に終了してしまった12月の段階まで発表されなかったり、志望校選びの重要な要素となる学力向上進学重点校10校も現時点で未定だったりと、どこかスチューデントファーストだよと思ってしまいます。今のところ、スチューデントのことなど完全に無視した「お役所ファースト」でしかありません。

とりあえず1期計画の4年が終わるまで、県立高校事情はバタバタとするでしょう。ただ、受験生の皆さんはバタバタしてもしょうがないので、情報収集だけは積極的に行い、あとは粛々と勉強に邁進しましょう。