2015年度入試開示得点結果と特色検査の振り返り、最後愚痴。

入試の得点開示が各高校で始まりました。うちの公立組も早速得点開示の結果を持ってきてくれたので、そのご報告です。自己採点結果をウェブ上に掲載している塾はありますが、開示結果をウェブに掲載している塾はなぜかウェブを探しまわっても本当に少ないです。これだけ記述問題が多くなった入試で、自己採点はどうしても不正確になってしまうことが多く、来年度の参考になりません。ということで、うちは開示結果もあわせて報告したいと思います。

2015年度塾生開示結果平均

自己or開示 英語 数学 国語 理科 社会 合計 面接
開示得点 93.3 81.7 96.0 74.3 87.3 432.7 89.3
自己採点 89.6 82.6 94 76.3 83.3 424.3

自己採点では、特に記述問題が多い文系科目で厳しめに点数をつけましたが、蓋を開けてみると結構点数が高くなっていました。その結果、文系科目の開示得点が自己採点を上回り、結果5教科合計も自己採点より高くなりました。点数の付き方を見ていると、特に英国社は、ところどころミスがあったとしても途中点がもらえるようです。理数はほぼ自己採点と同じような結果でした。個人的には理科の平均点が若干下がったのが非常に悔しいです。

自己採点と開示得点の結果を見比べた結果から、記述問題は少々自信がなくても思い切って何かしら書いた方が良いということが分かります。ちなみに英語の開示得点で100点だった子がいたのですが、記述問題の英作文で、前置詞の使い方で明らかなる文法間違いがあったのにもかかわらず、なぜか点数が引かれていませんでした。なぜでしょう。前置詞は間違っていても別に良いのでしょうか。非常に謎です。

開示請求に行くと、特色検査と面接点の結果も教えてくれます。今年の塾生の面接点の平均は89.3点でした。公立組の子たちが受けた湘南も小田原も、面接ではほとんど差をつけない学校です。うちの子たちが高得点なのではなく、きっと受検した生徒みんな高得点なのでしょう。ちなみに湘南の子の面接点は100点満点でした。これはうちの塾生の面接が素晴らしかったのではなく、きっと去年の厚木高校のように受検生のほぼ全員が100点満点だったのでしょう。つまり、トップ校に関して言えば、面接はもうあってないようなものです。

2014年度塾生開示得点平均と県平均との比較

英語 数学 国語 理科 社会 合計 面接
塾生開示 86.3 73.3 70.2 62.9 73.5 366.2 90.5
県平均 59.6 51.7 60.8 38.6 49.5 260.2

去年と比較してみます。去年の生徒の進学先はコチラを参照していただければ、だいたいのレベルが分かると思います。

今年と去年とでは、生徒の層も人数もあまりにも違うので単純に比較することはできませんが、去年難しくなった理数に関しては、今年は去年と同レベルの問題が出ても大丈夫なように十分対策してきたので、去年の理科ほどの点数の落ち込みはありません。去年と今年の塾生での国語の点数の差が激しすぎますが、別にこれは去年の子が特別国語ができなかったというわけではなく、今年の国語が簡単すぎたということです。

いろんな大手塾さんがこぞって「難化」と発表した英語ですが、うちの塾生平均だけを見てみると、そこまで難化した感じは受けません。英語という科目は、英文法が身についていて、いろんなジャンルの長文読解を読んでトレーニングしている人にとっては、少々問題が難しくなってもほとんど得点に響きません。これが、英語が理科や数学とは性質が大きく異なるポイントです。

今、私とても重要なことを言っています。英語は、問題の難易度によって理数ほど点数が上下しない、いわば最も点数が安定する科目です。これは、良い意味でも悪い意味でもです。なので、英語の点数をいかに早いうちから高得点で安定させるかが、受験勉強を進める上の重要なポイントです。中2生以下の諸君、いいですか。英語を早期に仕上げなければいけない重要性についてを書いた記事をもう一度貼っておきます。よく読んでおきましょう。

参照:
公立トップ校を目指す中2生がやっておきたいこと。
デキル子はきちんとやっている!高校入試リスニング対策。
トップ校を目指しているなら、夏の間に絶対やっておきたい勉強内容(英語編)

面接点については、今年と去年とでほとんど変わらないです。今年の塾生の子たちの方が面接ウケをするような印象があったのですが、去年の塾生の面接点の方が意外に高いんですね。謎です。

特色検査の開示得点

特色検査は高校別に問題が異なるので、全体的な塾生平均点は出しません。その代わり、高校別に書いてみたいと思います。

去年厚木高校を2名受験したのですが、この2名の特色平均は200点満点中180点です。今年は厚木高校受験生がいなかったので比較できませんが、どうやら今年の厚木高校の特色検査は去年と比較にならないくらい難しかったようです。特色検査の平均点がかなり下がったのではと思われます。2014年度のうちの厚木高校受験生が平均9割取れているくらいなので、きっと去年は特色で差が付かなかったのでしょう。2015年度は差を付けるために難化させたのだと思われます。

次に小田原高校について。2014年度、小田原高校を受験した塾生3名の特色検査の平均が100点満点換算の56.6点でした。2015年度、小田原は2名が受験しましたが、特色検査の平均は100点満点換算の66点です。小田高の特色検査は、去年よりも今年の方が断然解きやすい問題でした。小田原高校の特色検査については、今年は易化したと言えるでしょう。

最後は湘南高校について。2014年度は塾内での湘南受検生がいないので何とも言えませんが、問題だけで比較すると、今年の湘南の特色検査は小田原高校同様、かなりの易化です。2年ぶりに技能科目が美術の問題で出題されましたが、学校の授業をしっかりと受けていると簡単に正解できるレベルの問題だったようです(←「ようです」と書いたのは、美術の授業をまともに受けていなかった私は正解できなかったからです)。今年の湘南合格者の特色検査の開示得点は、約8割でした(←正確に書くと、その子の個人的な点数をバラしてしまうことになるので曖昧にします)が、去年の問題だったら8割も取れなかったでしょう。湘南高校の特色検査の割合は全体のたった1割なので、今年の湘南は特色検査で差が付かず、もちろん面接でも差がつかないので、実質5教科の得点勝負だったと言えるでしょう。

最後にまた愚痴を言います

こうして今年の入試を振り返っていると、どうしても来年度の入試のことを考えてしまいます。昨日のエントリーで中2生の入試問題の解き方を愚痴ったばかりですが、今日の数学の授業でもまたまた「問題用紙をキレイに残す宗教」の手強さを思い知らされました。この宗教は非常に厄介です。信仰深さが半端なく、この奇妙な新興宗教から脱退させるのには非常に時間がかかりそうに思います。

数学は、文章で書かれた問題文の中の情報をすべて図式化する作業が必要だったり、答えを出すために問題用紙の図を駆使する必要があるのですが、見事にそういうことを一切せずに、キレイな状態のままでああでもないこうでもないと考え込んでいます。そんな解き方では、1年かかっても答えは出ません。定期テストレベルの問題とか、簡単な問題集レベルだったらそれでも良いのです(本当は良くないですが、答えは出ます)が、入試レベルの問題だと途端にそういう解き方では立ち行かなくなります。

特に特色検査の問題になれば、今の解き方では確実に無理です。この話をするとまた長くなるので詳しくは過去の記事を参照してください。少しですが、特色の解き方について触れています。

参照:特色検査突破講座で話した、特色検査を解くためのコツとかポイントとか。

中2生のほぼ全員がハマっているこの宗教。足を洗わせるにはどうしたらいいのか、本当に頭が痛いです。