今回導入された新しい入試制度に対しての県民の意見を、県教委は平成23年7月15日から8月15日まで募集していたそう(知っていれば自分も言いたい放題書いて送ったのに)。その結果が県教委のサイトで公表されているのだが、県民の超的確な意見に対する教育委員会の回答が酷すぎて笑える。
県民「生徒自らが特性や長所を記載した書類を面接評価の材料とするのは危険である。ウソのつき得・正直者が損をする結果となれば、選抜制度そのものの信頼も失われる。」という、非常に核心を付いている意見に対し
教育委員会の回答「 面接の評価基準を定め、面接でしっかりと対応します。」
↑全然回答になっていませんが・・・。県民の声にある「ウソのつき得・正直者が損をする結果となれば」という部分に対しての対策や考えを全く提示していない。
県民「面接はすべての生徒を型枠に押し込める没個性の危険があることを考えてほしい。」に対しては、
教育委員会の回答「面接では受検者の総合的な意欲等を測ることとし、受検者が提出した書類及び調査書の記載事項を参考に実施します。個性等を生かせる面接を目指します。」
↑だから、「個性等を生かせる面接を目指します」って、面接制度そのものが没個性に繋がるって指摘しているのが分かっていらっしゃらないのでしょうか。「個性等を生かせる面接」とやらをどうやって目指していくのか、県民はそれが知りたいのに、そこについては一切言及していないのにも笑える。何がしたいの?
県民「面接について、点数を公開することも視野に入れるなど、より具体的な客観性を証明できる方法で実施してほしい。」と、面接に客観性と透明性を求める声に対して、
教育委員会の回答「面接の内容等については、今後周知に努めます。」
↑いやいや。内容を周知して欲しいんじゃなくて、面接結果の透明性と客観性を保証して欲しいという意図なんですけど。ちゃんと文章読んでますか?日本語大丈夫ですか?しかも、結局面接結果を公表しないんでしょう。県民の意見をガン無視していると思いますが。
県民「面接の判定基準はあまりにあいまいで、2割の割合は大きすぎる。就職活動と違い、別に日に次の会社を受けられるわけではない。成長途中の年齢であることも考慮して、面接の割合を再考してほしい。」に対しては、
教育委員会の回答「面接では、中学3年間にわたる、新しい学習指導要領で示された学力 の3つの要素のうちの「主体的に学習に取り組む態度(学習意欲)」及 び受検者の特性や長所を含む総合的な意欲を共通に測ることとしてお り、面接の比率は、方針案どおりとすることが妥当であると考えております。評価基準を各高等学校で定め、曖昧な基準とならないようにしてまいります。」
県民「面接は評定・内申点と違い点数が見えないため、不合格の際に納得できない。約10分という時間で20%では差が大きすぎる。参考程度に扱ってほしい。」に対して、
教育委員会「面接では、中学3年間にわたる、新しい学習指導要領で示された学力 の3つの要素のうちの「主体的に学習に取り組む態度(学習意欲)」及び受検者の特性や長所を含む総合的な意欲を共通に測ることとしてお り、面接の比率は、方針案どおりとすることが妥当であると考えてお ります。なお、各校で設定する「学校ごとの観点」については「募集案内」等で事前に公表する予定です。
↑同じ意見をオウム返しするばかり。これら以外のほとんどの意見に対しても、県民の意見に誠実に答える様子もなく、「方針案どおりとすることが妥当です・・・」のオンパレード。
面接以外でも、独自入試撤廃についての県民の様々な意見に対しても、「共通の学力検査としますが、これまで以上に思考力・判断力・表現力等を測る内容とし、選抜にふさわしい検査とします。」の一点張り。本当に答える気があるのかと小一時間問いつめたくなるほど。
あまりにも資料が膨大すぎて途中で読むのを挫折してしまいましたが、教育委員会の回答の酷さに笑えてくるのと同時に、県民の意見の的確さに非常に驚いた。大津のいじめ事件でもそうだけれどさ、教師の再就職先や昇進のためのステップアップと化している教育委員会よりも、県民からの公募で第三者委員会を作って、そこで教育のあり方を議論した方がよっぽど教育の質が上がるんでないの?って思うのはワタクシだけではないはず。
民間の意見の方が、よっぽど神奈川の教育を真摯に考え、神奈川の公教育の現状を的確に捉えているよ。