3月15日(日)に中学生保護者のための入試セミナーを行いました。毎年3月に保護者様のための入試セミナーを塾内で開催しているのですが、そろそろ保護者の方が一堂に会することのできるスペースがなくなってきたので、今回は初の試みとして公共施設の会議室をお借りしてセミナーを開催しました。また、コツコツ思いの丈を自由気ままに書いているこのブログも、お蔭様で読者の方が増えてきておりまして、一日3000〜4000アクセスを頂けるようになりましたので、思い切ってブログを読んでくださっている外部の方にもご参加を募ったところ、川崎や厚木、茅ヶ崎などの遠方からご参加いただきました。会場のキャパの関係上、30名様に限定しての開催でしたが、お蔭様で満員となりました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
10時〜11時30分までの講演の予定でしたが、案の定というか、いつも通りというか、一度話をしだしたらアレもコレも話さなければという悪い癖がでてしまい、結局12:00近くまでかかってしまいました。会場の時間制限がなければ、あと30分は話し続けるところでした。危ないです。本当は、私立・公立高校の選び方とか受験生の親の役割とか、もう少し時間をかけて話したかったのですが、最後は急いでしまった感じになってしまいました。
ということで、今日は15日のセミナーで話たりなかった分のうち、「私立高校の選び方について」を、外からの圧力がかからない範囲で書いてみます。詳しくは、お渡しした資料をじっくり読んでください。
私立併願高校選択の際の注意点
まずは大学付属系か、non付属系か。そこからの選択
私立の併願を選ぶ際、まず第一に考えて欲しいのは大学付属系か、大学がついていない私立かということです。大学付属と付属ではない高校と、それぞれにメリットデメリットがあります。以前、大学付属系についてのメリットとデメリットをこの記事の中で書きました。⇒「大学付属校の併設大への合格状況まとめ:付属校はお得?」
大学がついていない私立についても、メリットとデメリットが存在します。
メリットその1:公立よりも面倒見が良い
大学付属ではない私立の場合、付属大学がないため、公立と同じく最終目的が大学受験になります。私立高校は公立高校と違い、「大学実績が出てなんぼ」の世界です。安定した大学実績を出せなければ、受験生になかなか選ばれなくなってしまい、生徒確保が難しくなってしまいます。もちろん、実績だけが高校選びの基準ではないですが、一番目に見えやすいのが大学実績の数値なので、私立高校が生き残るためには実績にこだわらなくてはいけません。その辺の事情は、塾や予備校とあまり変わらないです。
なので、公立高校よりも主要教科を中心とした教科学習が手厚いところが多く、要は「面倒見のよい」高校が多いのが付属系ではない私立のメリットだと思います。補習も充実しているし、大手予備校と提携して、学校にいながら予備校の授業も受けられるところだって少なくありません(ただしお値段はそれなりにかかります)。
メリットその2:大学入試の推薦枠が豊富
メリットの2つ目として、大学入試の指定校推薦枠が豊富にあるということもあげられるでしょう。もちろん公立の進学校もそれなりの指定校推薦枠を持っていますが、多くの公立高校では、特に偏差値が高い高校ほど「大学は一般入試で勝負するべき」という考え方を持っています。なので、推薦枠を豊富に持っていて、指定校推薦を受けられるほどの成績がある生徒がいる場合でも、推薦枠を使用しないケースが多く、推薦枠を使い切っていない学校が多いです。
一方私立高校の場合、先ほど述べたように、大学実績を何としてもあげなければいけないという事情から、一般入試に強いこだわりはそれほど持っておらず指定校推薦などの推薦枠もフル活用します。私立大学側としても、指定校推薦を使ってくれた方が確実に受験生を確保できるので、たくさん枠を使ってくれる私立高校に指定校枠を多く与える傾向にあります(こんなこと言うとまた圧力がかかるかなー。この記事が消えていたらゴメンナサイ。)。同じくらいの偏差値ならば、公立高校よりも私立高校の方が指定校推薦枠が多いと言えるかもしれません。
私立高校のデメリットその1:やっぱり費用が高い
次は、付属校ではない私立高校のデメリットです。これは付属系の私立高校でも言えますが、やっぱり費用は高いです。最近は公立高校の無償化によって、以前よりも私立高校の授業料も負担が軽減されていますが、私立高校は授業料以外が高いです。授業料以外にも入学金や施設費が必要だったり、修学旅行で海外に行く場合はその積立金もバカになりません。その他、任意ながら寄付金の負担も大きいです。
費用が高くても払う価値のある学校であればまったく問題ないのですが、やはりお値段が高いだけの私立高校もあるわけで・・・(これ以上は自粛します)。
私立高校のデメリットその2:さまざまな生徒層が通う
これは特に、一つの私立高校のなかでたくさんのコースがある高校にあてはまることですが、コースの数が多ければ多い程、たくさんの生徒層が一つの学校に集まります。ある高校では、偏差値35〜60以上の受験生を対象にした多様なコースがあるので、高校卒業後は就職を希望している生徒から、一方では難関大学を希望している生徒まで色々な子が集まります。もちろん、授業はコース別に行われるので、さまざまな学力層の生徒が同じ授業を受けるということはありませんが、部活動や学校行事等はコースに関係なく行われます。つまり、学校の雰囲気だけで言えば、学力によって選別されていない公立中学校とあまり変わらないわけです。
これをデメリットと捉えるかメリットと捉えるかは人それぞれですが、良くも悪くも似たような学力層の集合体である公立高校やコース分類が少ない私立高校とは、確実に違う空気が流れているのは確かです。
大学付属系をえらぶか、普通の私立を選ぶか
では、両方のメリットデメリットを踏まえた上で、どちらを選べば良いか。それは、学校の雰囲気云々というよりも、子どもの個性や伸びしろを考えた方が良いです。少なくとも私は、塾生の併願私立を考えるとき、塾生の大学受験までの伸びしろや個性を考えた上でアドバイスします。
たとえば、中学生の時の学力はあんまりだけれど、この子は高校で伸びていく力を残しているだろうと思う子は、間違いなく付属系ではない私立を勧めます。逆に、中学生のときは真面目でコツコツ頑張っていたからここまで伸びたものの、大学受験で戦うには少々厳しいかもしれないと思う子は、付属系の私立を勧めます。
どちらの方が良いということではなくて、大学受験までを考えたらどちらの方がその子に合っているかという視点で選ぶのがベストだと思います。
その他にも話足りませんでした
その他にも、受験生の保護者の役割など、話足りない部分がたくさんありました。話足りなかった分は、時を見計らってブログの記事にしていきます。とりあえずは、丹誠込めて(頭痛になりながらも)つくった資料を、じっくりと読んでみてください。
また、今回外部から参加していただいた方。これも何かのご縁でございますので、ご不明な点やご相談等がございましたらこれからもお気軽にご連絡ください。
参加者アンケートの声を一部紹介
最後にご参加頂いた方々にご協力いただいたアンケートを一部(抜粋もあり)ですが、紹介致します。皆様、ご協力を頂き、ありがとうございました。