本気で成績を上げたいのなら、本気の人に学べ

2012年10月4日

個別指導塾に通ったがなかなか成績が上がらなかったという話はよく聞く。うちの塾でも、個別指導から転塾してきた生徒は数人いるが、その理由を尋ねると100%この理由で転塾してきている。自分のペースで手取り足取り教えてもらえる個別指導なのに、なぜそこまで成績が上がらない人が続出するのか。

理由は簡単。本気で生徒の成績を上げようと思って指導している人に教わっていないからである。

個別指導塾の場合、講師はほぼ大学生。大昔は「大学生」なんて言うと、選び抜かれた勤勉な人しか大学生になれなかったイメージがあるが、大学全入時代の今はどんなに勉強ができなくても、なろうと思えば誰でも大学生になれてしまう。しかも、大学生の頭の中は、1にキャンパスライフ、2に彼氏や彼女、3に就職、4にバイトやお金・・・だいたいこんなところだろう。塾でバイトをする目的は「お金を得るため」であり、得たお金でキャンパスライフをエンジョイしようとする手段でしかない。

お金目的のアルバイト講師が、生徒の成績を上げるために本気になれないのも無理はない。子どもの勉強をみたことがある人なら分かると思うが、子どもの成績を上げることは並大抵のことではない。ただ教えるだけで自動的に成績がグングン伸びるということなどあるはずもなく、授業時間以外にも教材研究や教材作りなど、やることは山ほどある。授業時間内にすんなり生徒が理解してくれない場合は、授業時間を大幅に延長しても生徒が分かるまでトコトン付き合うことも必要だ。基本的に授業を行った時間しか時給が発生しないアルバイト講師が、時給の支払われない無給の時間にもこういう努力をするだろうか。もちろんする人もいるだろうが、ほとんどのアルバイト講師は所詮バイト感覚。そこまで身を削ってまで、生徒のために尽力を注ぐアルバイト講師は残念ながらほとんどいないのが現実だ。

本気で成績を上げたいのなら、本気で生徒の成績を上げないといけない人のもとで学ぶのが正解。

では、本気で生徒の成績を上げないといけない人はどこにいるのか。答えは簡単。それだけを商売にして、それだけで生計を立てている人である。

個人塾の先生がその最たる例だ。個人塾は、大手塾のように「○○塾」と塾の名前を謳うだけで集客できるようなブランド力はない。通ってきてくれている少ない塾生の成績を何としてでも上げて、地域のクチコミの向上に繋げていかない限り、生き残る方法などないのである。個人塾が、「あそこの塾は成績上がらないわよ」なんて噂が広まったらもうアウト。そうならないように、個人塾の塾長の頭の中は、四六時中塾のことや生徒のことを考えている。どうやったら塾生の成績が上がるのか、どんな教材を使えばいいか。何か他にも良い指導法はないものか。頭の中はそればっかりだ。そんな人に、アルバイト講師が勝てるはずもないのは一目瞭然。

だが残念なことに、できない生徒ばかりを集めて、塾生の成績が上がらなくても惰性で塾をやっているような個人塾もあるのも確か。そういう個人塾も、本気とは程遠い指導をしているわけで、成績は上がらない。

本気で成績を上げたいと思ったら、本気で成績を上げようとしてくれる指導者を選ぶのがポイントだ。塾の価値は、ブランド力でも塾の看板でも合格者数の多さでもなく、本気で指導してくれる人がいるかどうかで決まる。