H29年度募集定員数発表!神奈川県西部の公立高校における変動まとめ

昨夜、平成29年度の神奈川県公立高校募集定員が発表されました。
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p1078096.html

本格的な公立高校改革初年度にあたる29年度は、専門コースが廃止されたり複数の学校が統合したり、インクルーシブの受け入れが始まったりなど多くの変更点に伴い、募集定員にも変動がある高校がたくさんあるので注意が必要です。

そこで、神奈川県西部にある高校を中心に、昨年度と比べて募集定員に変動があった高校をまとめてみます。

神奈川県西部公立高校H29年度募集定員の変動まとめ

普通科専門コース廃止による募集定員の変化

H29年度から普通科専門コースの募集がなくなります。まずは、それに伴う募集定員の変動からまとめます。

西湘高校

  • H29年度募集定員・・・普通科348名
  • H28年度・・・普通科278名(倍率1.25倍)、理数コース39名(倍率1.10倍)

西湘高校は、理数コースの廃止に伴う39名分+31名の70名分、普通科の定員が昨年度よりも増加されます。28度の普通科の倍率1.25倍から考えると、29年度は定員が増えた分、28年度よりも緩やかな入試になるかもしれません。

山北高校

  • H29年度募集定員・・・普通科198名
  • H28年度・・・普通科158名(倍率1.08倍)、スポーツリーダーコース39名(倍率1.33倍)

これまでのスポーツリーダーコース分の定員がそのまま普通科コースにスライドされる形でH29年度の普通科募集が行われます。今までのスポーツリーダーコースを受験していた層が普通科を目指すのか、はたまた違う高校を目指すのかによって、29年度の倍率が変動しそうな予感がします。

高浜高校

  • H29年度募集定員・・・普通科238名
  • H28年度・・・普通科198名(倍率1.12倍)、福祉教養コース39名(倍率0.95倍)

高浜も山北同様、これまでの福祉教養コース分の定員がそのまま普通科コースにスライドします。よって、全体の募集定員数には変化がありません。普通科も福祉コースも、もともとそれほど倍率が高くない高校です。普通科一本になるからといって、大きな倍率の変動はないと予想されます。

学校全体の学科改編に伴う募集定員の変動

続いて、学校全体の学科改編に伴う募集定員の変動をまとめます。神奈川県西部では、小田原東高校(旧小田原総合ビジネス)、吉田島高校(旧吉田島総合)がこれにあたります。

小田原東高校(旧小田原総合ビジネス)

  • H29年度募集定員・・・普通科118名、総合ビジネス科118名
  • H28年度・・・総合ビジネス科238名(倍率0.96倍)

H29年度から普通科が設置されることにより、普通科と従来の総合ビジネス科がどちらも118名ずつの募集定員となりました。よって、高校全体の募集定員数は昨年度と変化はありません。

ここ2年間定員割れが続いていた小田原総合ビジネス高校。名前を小田原東高校に変え、普通科を設置したことにより、受験生がどちらに傾くのかが見物です。

吉田島高校(旧吉田島総合)

  • H29年度募集定員・・・都市農業科39名、食品加工科39名、環境緑地科39名
  • H28年度・・・総合学科198名(倍率1.13倍)

吉田島総合は、総合学科から農業科と生活科への移行が決まっていましたが、そのうち生活科はH31年度から募集がスタートします。H29年度は農業科の3つの学科「都市農業科」「食品加工科」「環境緑地科」のみ、それぞれ39名の募集となるようです。

H29年度の高校全体の募集人数は117名。昨年度までの198名よりも大幅に減少します。これによる倍率の大幅な変動が予想されるので注意が必要です。

農業科のような専門的な学科を回避する受験生は、小田原東(旧小田原総合ビジネス)の普通科に流れていくと思われます。学校改編により、各高校の受検者層も昨年度と比べてかなり変わっていくでしょう。

インクルーシブ教育実践に伴う募集定員の変動

インクルーシブ教育とは、障がいのある生徒を含む全ての生徒に対して、子ども一人一人の教育的ニーズにあった適切な教育的支援を「通常の学級において」行う教育のことです。インクルーシブ教育実践校は、通常の募集以外に「連携募集」という形で、障がいのある生徒を対象とした募集枠を設けています。

県西部でのインクルーシブ教育実践校は、足柄高校と茅ヶ崎高校です。

足柄高校

  • H29年度募集定員・・・普通科238名、連携募集21名
  • H28年度・・・普通科238名(倍率1.09倍)

足柄高校の場合、通常の募集定員は昨年度と変更ありません。連携募集枠21名が別にプラスされる形となるので、高校全体の募集人数は259名と増加します。インクルーシブ教育実践校ということが、H29年度の倍率に影響することは少ないと思われます。

茅ヶ崎高校

  • H29年度募集定員・・・普通科278名、連携募集21名
  • H28年度・・・普通科357名(倍率1.39倍)

一波乱ありそうなのは茅ヶ崎高校です。通常の募集定員数に変更がなかった足柄とは異なり、茅ヶ崎は大幅に通常募集定員数を減らしてきました。しかも、H28年度の茅ヶ崎高校の倍率は1.39倍と、この辺りの学力層からすると決して低い倍率ではありません。もともと倍率が高めに出る茅ヶ崎高校が、通常枠の募集人数を減らすことによって、またインクルーシブ教育実践校となることによって、どのような影響が出てくるのか。非常に注目しています。

その他募集定員数に変更がある高校

県西部において、高校改編とは別に募集定員数に変更がある高校は伊志田高校のみとなりました。

伊志田高校

  • H29年度募集定員・・・308名
  • H28年度・・・278名(倍率1.20倍)

まとめ

高校改編初年度ということで色々とややこしくなってきていますが、幸いにもうちの塾生の志望校には大きな変動はありません。

それはそうと、募集定員が発表される時期になったということは、いよいよ入試本番が近づいてきたということです。まずは11月の定期テストに全力を注ぎ、テストが終わったら即受験勉強モードに切り替えていきましょう。

高校入試は短期決戦です。募集定員発表後の1日1日の時間の使い方で、受験先もしくは進学先が大きく異なってきます。