入試まであと11日。今日は案外忘れがちの面接についての記事です。
うちの塾でも、今週の日曜日から1人につき1回30分で計4回の面接練習を始めます。今の入試制度下では、各高校で面接に対するスタンスが違うため、面接試験で大きく差を付ける高校もあれば、どんな仕上がりであろうと全員同じ得点を付ける高校もあります。
参照:2015年度公立入試面接得点の実態
面接試験であまり差が付かない高校は、基本的には失礼のないように無難にこなしていれば大丈夫なのですが、面接得点の方針は、同じ学校でも校長先生が変わったり、面接に対してのスタンスの見直しが行われたりするので、去年面接で差が付かなかったからと言って、今年も絶対に差が付かないということは言い切れません。やはり面接試験も入試の一部である以上、しっかりと対策をして臨みましょう。
そこで、昨年・一昨年と慧真館の卒塾生が受験した一部の高校で、実際に聞かれた質問とその感想を書いておきます。慧真館8期生が受験する全ての高校分はありませんが、基本的にはどの高校も似たような内容を聞かれます。準備をする上で参考にしてください。
面接試験で実際に聞かれた質問
湘南高校
面接試験で聞かれたこと
- 志望動機
- 中学校での取組み(学習面とそれ以外)
- 上記の学習面に関して:苦手科目とその克服法
- 上記のそれ以外に関して:生徒会活動でどのように皆をまとめたか
- 志望大学について
- 志望大学に入ったら何を学びたいか
- 高校で頑張りたいこと(学習面とそれ以外)
- 湘南高校に入って一番したいことは何か。
- 将来の展望
- 将来の展望に関して:それを叶えるために湘南でしようと思っていること
受験生の感想と面接の開示得点
- ある程度は想定内の質問だった。想定外の質問には、素直に思ったことを話した。
- 「私は湘南に入りたいんだ」という思いの丈をぶつけられた。
- 表情が堅くならないように、入室前に顔面の筋肉を動かしておいた。
- 先生もゆっくりと話してくれるので、全然緊張しなかったし堂々と話せた。
面接開示得点:100/100
小田原高校
面接試験で聞かれたこと
- 志望動機
- 将来の展望
- 中学校で頑張ったこと(学習面とそれ以外)
- 高校で最も頑張りたい教科とその理由
- 部活と勉強の両立をどのように工夫してやっていくか
- 小田原高校の特色と、それに対して期待していること
- (時間が余ったので)話足りないことがあれば話してください:将来の夢のきっかけを話した
受験生の感想と面接の開示得点
- 面接官の人が手順を誘導してくれた。
- 面接官の人が、言ったことに対してリアクションをしてくれたから、リラックスして話すことができた。
- そこまでつっこまれなかったから、余裕があった。
- 「話したいことがあればどうぞ」と言われたから、アピールポイントと思っている将来の夢について話した。
面接開示得点:84/100
厚木高校
面接試験で聞かれたこと
- 昨晩はよく眠れましたか
- 志望動機
- 中学での教科等に関する意欲
- 得意教科について
- 将来の夢について、それを志した理由
- 夢を叶えるための過程について
- 中学での教科以外に関する意欲
- それ以外に中学校で一番思いでに残ったこと
- 厚木高校でやりたいこと
受験生の感想と面接の開示得点
対策していた以外のものは、何とかして取り繕おうとしたけれど、頭が真っ白になってダメダメ。具体的なことを言えなかった。
面接開示得点:100/100
秦野高校
面接試験で聞かれたこと
- 志望動機
- 中学校で頑張ったこと(勉強面とそれ以外)
- 上記に関して:「副部長としてリーダーシップを学んだ」とあるが、具体的にどのようなことをしてリーダーシップを発揮したか。
- 高校で頑張りたいこと(勉強面とそれ以外)
- 最後に一言、何か言っておきたいことはあるか
受験生の感想と面接の開示得点
- 面接官は2人。自分の教室では、1人が質問役、もう1人はただ僕をずっと見ていたような気がした。
- 待っているとき、喉が渇く。
- 前日からすごく緊張していた。高校に着いて、待っているときも緊張していたが、受検番号を呼ばれ面接する教室の前の椅子に座ったときは、なぜだか緊張はしていなかった。そしてそのままリラックスして臨むことができた。
面接開示得点:89/100
西湘高校
面接試験で聞かれたこと
- 志望動機と、本校に入って行いたいことを本校の魅力を含めて答えてください
- 将来の夢について
- 本校で学んだことを、将来の夢にどのように活かすつもりか
- 高校入学後、学習面以外で意欲的に取り組みたいこと
- 面接シートには数学に取り組んだとあるが、具体的にどのように取り組んだのか
- 面接シートには部活動に取り組んだとあるが、具体的にどのように取り組んだのか
受験生の感想と面接の開示得点
- 面接官を見たとき、2人いるうちの1人は怖そうで、もう1人は優しそうだと思った。実際、面接中に相手の目を見て笑顔で話していたが、怖そうな人はずっと僕をにらむように見ていて緊張した。
- 受験票を持ったままの面接だったので、手をこぶしの状態に保てなかった。
- 面接内容は、主な質問にプラス条件などがついてくるので、答えるのに少し戸惑った。
面接開示得点:90/100
まとめ
昨年度も同じようなことを書きましたが、最近の面接はかなり突っ込んだ内容まで聞かれます。例えば将来の夢に関しても、なぜその夢を志したのか、その夢を叶えるために高校でどのようなことをしたいのか、高校卒業後の進路はどう考えているのかなども合わせて答えられるように準備をしておきましょう。
また、志望校の特色はきちんと理解しておくこと。例えば小田原高校だと、「小田高の特色についてとそれに期待すること」という質問事項が毎年聞かれています。これに対して、「貴校の特色は単位制で・・・。」「単位制では自分の好きな科目を学べると思ったから・・・。」のような通り一遍の答え方はマズいわけです。まず、小田原高校の単位制は、他の単位制や総合高校のように「興味のある科目を自分の自由に学びなさい」というスタンスではありません。よく調べもしなかったり、説明会で話をきちんと聞いていないと、このようなトンチンカンな答え方をしてしまうので注意しましょう。これは小田高以外でも同じです。
また、面接内容を一言一句丸暗記をするのはやめましょう。丸暗記で面接に臨むと、突然の質問に臨機応変に対応できなくなります。まず、面接事項の各項目について、頭の中でストーリーを思い浮かべましょう。「中学では部活を頑張りました」だけではなくて、部活でどんな大変なことがあって、それに対してどう乗り越えて、どんな成果を掴んだのか。そしてその一連の経験から何を学んだのか、というストーリーをきちんと構築しておくこと。そうすると、突っ込んだ質問にも無理なく答えられるようになります。
面接のネタとして過去記事をどうぞ
◎湘南高校
県下屈指の公立難関校、湘南高校の「伝統の力」とは:湘南高校を訪問したのでそのご報告。
◎小田原高校
◎厚木高校
約3人に1人が国公立大に現役合格!厚木高校の魅力に迫る。
◎秦野高校