2015年度公立入試面接得点の実態

昨年度も「面接は合否に影響する?面接で差がつく高校と差がつかない高校一覧」の記事で、面接試験の合否に関わる影響の大小について書きましたが、今日は2015年度版です。

2015年度は神奈川県の公立入試に面接試験が導入されて3年目だったのですが、結果から言うと、全体的に見れば面接で差をつける高校は少なくなってきているということが言えます。つまり、ほとんどの高校では面接点で差が付かず、面接は試験としての意味では形骸化されてきて、面接は合否に影響させるというよりも、人物や入学に対する意欲などを確認するだけの機会となっているようです。

W合格もぎでおなじみの入試模試会社新教育が調査した2015年度神奈川県公立入試における開示得点調査をもとに、前回の記事同様「面接による点数差がほとんどつかない高校」、「得点差が小さい高校」、「得点差が大きい高校」の3つにまとめてみたいと思います。
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2015年度面接得点の実態

面接の点差がほとんどつかない高校

高校 最高点 最低点 平均点
横浜翠嵐 92 92 92
横浜平沼 100 100 100
光陵 98.15 97.5 97.6
横浜緑ヶ丘 94 89 92
新城 82 80 80.1
多摩 82.5 80 80.08
横須賀 96.67 95 96.35
鎌倉 84 80 80
七里ガ浜 82 82 82
湘南 100 80 99
平塚江南 100 79 98.59
大磯 100 99 99.93
伊志田 90 90 90
厚木 100 100 100
海老名 98 92 98
小田原 86 84 84

※全ての該当校を掲載しているわけではありません。

湘南と平塚江南は、この表だけ見れば最高点と最低点にある程度の差がありますが、両校ともほぼ全ての受検生が100点満点なので、「面接による点数差がほぼゼロの高校」に分類しました。

ピックアップした高校のみを掲載しましたが、実際のところこの分類にあてはまる高校はもっと多いです。

点数差はつくが、比較的偏差が小さい高校

次に、全員同じ点数とまではいかないものの、面接点だけで大逆転を起こしたりするような差ではなかった高校をピックアップしてみます。

高校 最高点 最低点 平均点
川和 96 80 82
希望ヶ丘 97.50 62.50 79.05
柏陽 74.5 64 72
茅ヶ崎 98 80 94
鶴嶺 100 76 81
湘南台 86.54 69.23 79.64
秦野 97 85 88
西湘(一般) 96 70 78
座間 100 92 94
横浜サイエンス 100 87.5 95.4

※全ての該当校を掲載しているわけではありません。

先ほどのほとんど差が付かない高校の分類と違って、この分類に該当する高校は、ほとんどの生徒が同じ点数というわけではなく、点数がある程度分布しています。ただし、分布の範囲は狭いので、ボーダーライン上にいる生徒以外は合否に関わるような大きな影響はなかったと思います。

面接による点数差がかなり大きな高校

最後は、合否に影響するほど大きく得点差をつけてきている高校をピックアップしてみます。

高校 最高点 最低点 平均点
茅ヶ崎北陵 85.0 57.5 73.5
川崎北 80 48.5 59.28
秦野曽屋 95.24 47.62 68.83
伊勢原 90 45 67
山北(一般) 88 40.52 53.63
厚木北 100 55 71.46
大和南 80 44 54.71
川崎 89 53.33 70

※全ての該当校を掲載しているわけではありません。

茅ヶ崎北陵・山北・秦野曽屋・伊勢原は、2015年度だけでなく2014年度も面接の点差を大きく付けてきています。学校自体が面接を重視するという方針なのでしょうか。2016年度にこれらの高校を志望している人は、面接対策を入念にしておくべきです。

たとえば山北や秦野曽屋は、最高点から最低点まで点差が約48点開いていますが、面接点は200点満点に換算されるので、実際の点数差は約96点分になります。山北や秦野曽屋は学力テストの割合が4割なので、1科目100点分が80点に換算されることを考えると、面接差の96点は学力テスト1科目分をはるかに超えています。このことからも、これらの高校は面接が合否にかなり影響するということがお分かりいただけるかと思います。

まとめ

「面接による点数差がかなり大きな高校」に分類される高校を志望する受検生以外は、それほど面接に対して怖がる必要もないし、中学生らしくきちんと受け答えできるくらいのレベルにしておけば十分でしょう。ただし、点数差が大きい高校を考えている人は、入念に準備をしておくに越したことはありません。志望校を決定する時期はまだ先かとは思いますが、そろそろ学校見学や体育祭・文化祭などで高校を訪問する機会も多くなる頃です。ただ単に文化祭などを楽しむだけでなく、面接の話のネタとして、在校生の雰囲気、掲示物や校舎から受ける印象などをチェックし、感想を忘れないようにメモしておきましょう。