中3生はそろそろ最終の内申点が出る時期です。これから学校の三者面談などで、併願私立高の決定、公立受験校の決定、面接シートの準備など、受験に対する本格的な準備に入ります。そこで今日は、面接シートの準備にも大きく関わる「面接点の差」について書いてみます。
新しい入試制度になってから、県内全ての公立高校で面接試験が課せられるようになりました。ほとんどの高校がこの面接点の割合を2としているので、特色検査を除く入試得点(=S値と呼びます)1000点満点のうち、面接が占める点数は200点ということになります。200点という点数は、3:5:2の割合を採用している高校ならば2教科分、4:4:2の割合ならば2.5教科分、5:3:2になるとなんと約3.3教科分にあたります。そう考えると、結構面接って重要じゃん!って思うかもしれません。なかには、「自分は内申点と学力検査の得点が不安だから、面接を頑張って差をつけてやろう」と目論んでいる人もいるでしょう。
ところが、昨年度の県内公立高校入試の開示調査で、面接の点数にめちゃくちゃ差をつける学校と、ほとんど差をつけない学校に分かれているということが分かりました。ほとんど差をつけないというより、受検者全員が100点満点だったり、受検者全員が98点だったりして、まったく差がついていないと思われる高校もあります。一方で、面接点が90点の受検者もいれば30点台もいたりして、合否に影響するほどの差をつけている高校もあります。
そこで今日は、「面接による点数差がほぼゼロの高校」、「得点差が小さい高校」、「得点差が大きい高校」の3つにまとめてみたいと思います。
面接の点差別高校(県西部中心)
面接の点差がほぼゼロの高校
昨年度、うちの塾から2名の生徒が厚木高校を受験しましたが、得点開示による面接点は2人とも100点満点でした。開示得点を見たとき、「やっぱうちの塾生は、きちんと面接でも評価されるんだな」と鼻高々になったのですが、色々調べているうちに、うちの塾生以外の厚木高校の受検者も全員面接で100点満点をもらっていたことが分かりました。
厚木高校の校長先生にお話を伺ったときも、担当の先生が「しっかりと面接の準備をしていることが見られるのなら、そこまで面接で差をつけるつもりはありません。」と明言されているように、面接で差をつけるつもりは元々なかったようです。
【面接の点差がほぼゼロの高校】
厚木、海老名、横浜平沼、新城、鶴見など
面接の得点差が小さい高校
次に、全員同じ点数とまではいかないものの、合否に大きく影響するような得点差はつかない高校です。秦野高校を訪問したときにも、校長先生に直々に「昨年度の入試での面接点は、受検生全員が91.67〜100の間でした」と、実際の得点差を教えていただきました。厚木高校のように全員満点ではないものの、10点未満の差であれば合否に大きく影響することはありません。
また、小田原高校は「話し方が上手だから点数を付けるということはなく、受検生本人の本質を見るような面接を心がけている」とおっしゃっておられたように、全員同じ点数ありきの面接ではなく、ちゃんと面接での態度とかやる気とかっていうのを見ています。ただ、小田高ほどのトップ校になれば、明らかに準備不足の状態で面接試験に臨む生徒や、明らかに反抗的な態度で面接を受ける生徒というのはいないハズ。点数差をつけようにも、みんなちゃんとできているから差がつけられない状態ということなのでしょう。湘南の先生方も同じようなことをおっしゃっていました。トップ校ほど、こういう傾向が強いのかもしれません。
他にも、大磯高校は、受検生の半数以上が100点満点の面接点をとっているものの、90点台や数こそ少ないですが80点台をつけられることもあるようです。ちゃんと準備してきた子には100点満点をつけるけれど、準備不足だったら点数を落とすよということだと思います。
【面接の得点差が小さい高校】
湘南、横浜翠嵐、小田原、平塚江南、鎌倉、秦野、大磯、伊志田など
面接の得点差が大きい高校
最後は、合否に影響するほど大きく得点差をつけてきている高校です。
たとえば伊勢原高校は、面接点の差がめちゃくちゃ激しいです。とれている子は100点満点にほど近いような97点や98点などの高得点に対して、とれていない子は30点台がついています。その差60点以上。内申点でも60点もの差はつかないので、これはかなり合否に影響を及ぼします。
伊勢原ほど激しくないまでも、西湘高校も点差が大きい部類に入ります。昨年度は4名の塾生が西湘を受験しましたが、4名の中で最高は100点、最低は87.5点と、塾生の中ではあまり点差は感じられませんでした。ただ、その後いろいろと調査をしてみると、ほとんどが80点〜100点の間に分布しているものの、中には70点台、さらには50点台だった受検生もいるようです。このことから、西湘はしっかりと準備をしていればあまり点差はつかないものの、準備不足だったりやる気がなかったりすると(そんなヤツいるのかって感じだけど)、大きく点数を落とされてしまうこともあるということです。
【面接の得点差が大きい高校】
茅ヶ崎北陵、西湘、足柄、山北、秦野曽屋、伊勢原など
まとめ
面接点で差が合否に関わるほど開いてしまう高校では、入念に面接対策をしておくと良いでしょう。ただ、入念な面接対策といっても、何も就職面接のように礼儀作法から言葉遣いから何から何まで気を使わなければいけないということはありません。
見た目が中学生らしくて、眉毛とか極端に細くなくて、常識的な言葉遣いでしっかりと面接官の質問に答えることができて、何よりもその高校に入りたいという意欲をちゃんとアピールできれば基本的に大丈夫です。マズいのは、明らかにヤンキー風の見た目だったり、眉毛を全部そり落としていたり(今時そんなヤツいるのか)、明らかに面接の準備してきてないだろうオマエって感じだったりする子です。そういう子は、面接の点数で不合格になることもあるということです。
ただ、自分が受けたい高校の面接はあまり差がつかないからといって、何も準備をしないというのもダメです。昨年度と面接の方針を大きく変えてくる場合もあるので、どの高校を受けるにしても、最低限の準備はしっかりとしておくことが大切です。その上で、「面接点で逆転してやるんだ」という発想は捨て、しっかりと学力検査に対して準備をすることです。