去年のゴールデンウィークあたりから登山を始めた。それ以来、塾が休みの日はほとんどどこかの山に登っているくらい、登山にハマっている。登山2年目の今年は、中央アルプスの木曽駒ケ岳や南アルプスの仙丈ケ岳、北アルプスは唐松岳、八ヶ岳など、2000m〜3000m級の山にもチャレンジするようになった。つい1週間前も、八ヶ岳の最高峰赤岳に登ってきたところである。
高ければ高い山ほど、頂上までの道のりは困難だ。勾配も急になり、登るのが大変になる。しかしその分、山頂から見える景色もまた格別だ。
山登りは受験に似ているなと、山に登りながらいつも感じている。
勉強も登山も、上を目指せば目指すほど、その道のりには必ず困難が伴う。一生懸命頑張っても登っていても、最初のうちは一向にゴールは見えない。そのうち、何のためにこんなしんどい思いをしながら頑張っているのか分からなくなる。
もうやめてしまおうかとも思う。楽な道の方に逃げてしまいたくもなる。それでも、やめてしまったら最後、絶対に頂上にたどり着くことはできない。
だからどんなにしんどくても、逃げてはいけない。しんどいときは、ゆっくりでもいい。先が見えないことで気持ちが折れそうになるのなら、目の前の一歩を確実に歩くことを考えればいい。
「あと10km歩け」と言われたら嫌になるが、「あと一歩」なら頑張れる。もう限界だと思っても、「あと一歩」だけなら前に足を踏み出せる。勉強も登山も、大切なのはその「一歩」だ。
たとえ遅くてもいいから、その「あと一歩」を踏み出すことをやめなければ、必ず頂上に立つことができる。歩き続けてきた者だけが見える景色を見ることができる。頂上に立った瞬間、今までの苦労は全て吹き飛ぶ。そして「ああ、諦めなくてよかった。ここまで来れてよかった。」と心の底から思うのだ。
君たちは今、どんな山を目指しているだろうか。2018年度の入試まであと4ヶ月半となった。まだまだ道のりは長い。山登りでいえば、6合目くらいにさしかかったところだろう。ここからの道のりがキツくなる。
しんどいときは、一歩ずつ。前なんて見なくていい。先なんて見なくていい。
その代わり、目の前の課題をしっかりと見つめよう。目の前の問題を一つずつクリアしていこう。その小さな一歩が、君たちのゴールに確実に繋がっている。
ーーーー慧真ニュースコラム「塾長のつぶやき」10月号より転載ーーーー