2017年度入試の自己採点結果と教科ごとの大雑把な感想

嵐のような2日間が過ぎ去り、ようやく全員分の自己採点が出揃いました。

2017年度自己採点結果(2月17日時点)

昨日2月15日の学力検査の自己採点の集計が全員分終了したので載せておきます。ちなみに今年の塾生の受験校は、湘南・厚木・小田原・平塚江南・秦野です(一部の高校は複数名)。

英語 数学 国語 理科 社会 合計
84.3 77.3 82.3 70.5 77.1 391.5

昨年度の塾生の自己採点結果と比べると+20点くらい。昨年度の生徒と今年度の生徒では、1月の最終模試時点での団体偏差値の差が今年の方が2ポイント高いので、まあこんなもんかなという印象です。

とりあえず各教科の大雑把な感想

英語

世間では国語が簡単だとか理科が簡単だとか言われていますが、昨年度と比較すると、個人的には国語や理科よりも英語の難易度の差が一番大きいかなと思います。それくらい今年は英語が簡単でした。

去年あれだけザワついたリスニングのスピードの速さも、今年はかなり聞きやすいスピードまで落とされたようです。また、マークシート導入の影響からか条件英作文の量も減り、長文読解も非常に読みやすい内容になりました。

数学

数学は、見た目は大問数は問7までと変わらずでしたが、今までの問2が問2と問3へと分裂した形になったので、実質の大問数としては一題減ったことになります。ちょうど、毎年ブラックボックスだった例年の問5が無くなった形になり、計算・小問・小問・関数・確率・空間・証明というオーソドックスな問題構成になりました。

ただ、関数の最後の問題はちょっと解きにくかった印象があります。機転を利かせた人は、可能性のありそうな選択肢を当てはめて考えていったという、マークシートならではの裏技で解いた人もいるようですが、正攻法で解くとややこしいでしょう。確率の(イ)も、全てを網羅して考えると時間がかかる面倒臭い問題でした。

証明は内角と外角に気付けたなら簡単だとは思いますが、実際は焦りから気付かない人も多かったでしょう。うちの塾でも、ここを完璧に証明できている塾生は少なかったです。昨年度も証明がやや厄介だったので、結果的に難易度は昨年度と同じくらいかなという印象です。

国語

国語は、国語力のある人、つまりトップ層にとってはこれまでにないくらい解きやすい問題だったと思います。うちの塾でも、記述以外は全て正解しているという塾生は特にトップ層で多かったです。

一方で、小説や論説の文章の題材自体は簡単なものではないので、文意が読み取れない国語が苦手な層や、元々文章を読み慣れていない層にとっては、それほど点数の取りやすいものではなかったと思います。

結果的に、上位層や国語が得意な生徒は満点近いかなりの高得点、国語が苦手な層にとってはいつも通りの点数となるのではという印象です。国語の平均点は上がると思いますが、元々毎年国語の平均点は高めなので、英語ほど大幅な平均点アップとはならないという読みですがいかがでしょう。

理科

理科は随分と簡単になりましたね。昨年度もだいぶ解きやすくなっていましたが、今年度はさらに解きやすくなった印象です。特に前半の小問集合が簡単になりました。後半の大問は、相変わらず実験内容を考察したり、仮定を検証したりという思考が必要な問題でした。複雑な計算は減りましたが、思考が必要という意味では、後半部分に関しては昨年度並だったかなと思います。

理科が得意な人や、きちんと基礎から勉強を積んできた人なら今年の理科の容易さには驚いたことでしょう。しかし、浅い思考やなんとなくでは間違う問題も多いのも確かです。ただ、2年前や3年前などの理科のように、手も足も出ないという問題は減ったので、平均点は確実に上がるでしょうか。特にトップ層では、今までにないくらい8割9割越えが増える予感がしています。

社会

社会は、地図を塗りつぶす問題や単語を答える問題がなくなったり、記述問題に字数制限が取れたりと、若干出題傾向に変化がありました。また、昨年度よりも資料を読み取る力が一層問われている問題が増えました。

これはつまり、丸暗記しているだけではいよいよ対応できなくなってきたということです。社会=暗記科目という考え方が根強いですが、資料読み取り問題で必要なのは、知識よりも思考力。社会もだんだんと思考力重視へと確実にシフトしてきています。

総合的な難易度は去年並〜やや難しめといったところでしょうか。

全体的にはトップ校ほど点数のインフレが起こるかも

5教科を総合すると、英語と理科でかなり易化したことと、もともとトップ層は国語と社会に強いことを鑑みると、トップ層の高校ほど点数のインフレが起こる予感がします。400点越えは当たり前、450点越えも珍しくはないという状態になるでしょう。

こう言うと、400点に届いていないトップ校受験生は一気に不安になるとは思いますが、なにも400点以上ではないと合格しないとは言っていません。400点以上の人が例年よりも多くなるというだけで、みんながみんな400点以上というわけではなく、もちろん中には去年並の受験生も一定数必ず存在します。今年の入試は、とれている人はかなり取れたという印象ですが、みんなが取れる入試ではなく、取れる人は取れる、取れない人はいつも通りというように、同じ高校でも点数が2極化する入試だったというのが、超個人的な私の見立てです。

また、特色検査実施校は、特色検査の点数にも大きく左右されるため、5教科の得点だけでは何とも言えません。

特色検査受験生の感想

以下、うちの塾生で特色検査を受けた生徒の率直な感想です。

湘南

意外と難しくて焦った。周りがみんな取れてそうな雰囲気を醸し出していたから、余計に焦った。

厚木

・ビックリするほど記述が減り、かなり解きやすくなった。
・最初の英語はいつもよりかなり簡単だった。
・問2の理系問題は難しかった。ただ、去年のヤツデの問題みたいに、何をすればいいか分からないということはない。

厚木は採点済みの解答用紙の開示を意識してか(←絶対そう。さすが保守的な高校。)、ほぼ記号問題で統一してきました。その影響もあり、今までよりは確実に解きやすくなったと言えます。平均点は確実に上がりそう。

小田原

・自分が合っているのか間違っているのかすら分からない。
・手応えがない。記述問題が多く、難しいのかそうでないのかも微妙。

小田原は逆に例年以上に記述問題で攻めてきましたね。厚木と対照的です。

平塚江南

・いつもより簡単だった。特に理系が解きやすかったと思う。

特色検査の問題については、まだ私自身全て解いたわけではないので、今後解き次第例年のように分析記事をアップしていく予定です。

最後に受験生の保護者の方へお願い

保護者の方におかれましては、これから合格発表までの約2週間、不安な日々を過ごされることと思います。うちの子は受かっているのか、ネットなどでいろいろな情報を収集しては一喜一憂されるかもしれません。

しかし、いろいろな情報を収集したところで、結果は28日の合格発表まで誰にもわかりませんし、一喜一憂したところで結果が変わるものでもありません。また、一番不安を感じているのは、紛れもなく子ども自身です。

不安な気持ちや情報をいち早く知りたい気持ちは痛いほど分かります。事実、私もすでに今現在胃に穴が開きそうになっているくらいです。しかし、今周りの大人がするべきことは、騒ぎ立てることでもネットを漁ることでも子どもにイライラをぶつけることでもない。

生まれて初めての入試を無事に一人でやり遂げた子どもに、「よくやったね」と温かい声をかけてやることです。点数がどうであれ、「頑張ったね」と今こそ褒めてあげることです。

子どもの見えないところで、そっと、そっと祈りましょう。今更祈ってもどうしようも無いかもしれないけれど、それでもそっと祈りましょう。

それで十分だと思います。

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