しばらくブログから離れていました。この時期は進路面談、学習相談、中3生の合格手帖チェックとコメント記入、全国入試英作文添削などに終われて、書きたいことはたくさんあるのですがなかなかブログを書く時間が取れません。その分、時間と手間をほとんどかけずにポンポンと更新できるツイッターについつい逃げ込んでしまっていました。
ダメですね。はい、完全にダメです。
140字制限のあるツイッターに慣れてしまうと、ブログで長文の記事を書くのが億劫になってしまいます。というよりも、思考までもが細切れのように短文化されて、長文を書くための思考ができなくなってしまいます。しかもブログをあまり書かなくなってから、もともと乏しかった言語能力までも、さらに急速に衰えてしまっているのが自分でも分かります。
人の言語や思考は、アウトプットの質に左右されるのでしょう。四六時中ツイッターやラインのような、短くくだけた文章でばかりやり取りをしていたら、思考はそのパターンに慣れてしまい、複雑でロジカルな文章を避けようとします。
最新のPISA(国際学習到達度調査)の結果でも、「科学的応用力」が2位、「数学的応用力」が5位と、日本のお家芸とも言える理数系が以前よりも盛り返してきたのに対して、「読解力」は前回4位から今回は8位と大きく後退したというニュースがありました(参考:読書量減少が原因?日本の「読解力」8位に低下)が、読書量減少に加え、SNSの発達による文章の短文化も、読解力低下の大きな原因の一つと言えるでしょう。
ツイッターやラインのようなSNSにフィットする形で文章が短文化されていくと、次の例文のように、主に主語、助詞、接続語が省略されてしまいます。
「おなかすいた。ごはん食べた。」←「(私は)お腹(が)すいた(ので、)ごはん(を)食べた。」
最近の小中学生にある程度のまとまった文章を書かせてみると、ちょっと日本語が不自由なのかなと疑ってしまうほどのおかしな文章を書いてしまう生徒が多いのですが、そのほとんどが、主語・助詞・接続語を上手く使えていないことが原因です。主語が一致しない文や、助詞の使い方が間違った文を書いてしまうため、他者が読むと意味が分からない文章になってしまいます。また、論理展開に必要な接続語も上手く使えないため、論理的に構築された文章を書くことができません。
SNS上では、このような単語だけを並列させた文章とも呼べないような文で日常的に会話が交わされているため、思考自体までも短文化され、結果、論理的に展開された長文を読むことも、自分で作文することもできなくなってしまうのです。
「まじ今日のテストむずすぎ。ワロタww」
「俺もオワタ」
「とりまカラオケ行くべ」
「だな」
やや極端ですが、36歳のオッサンが中高生によくありそうなLINE上でのやり取りを必死で再現してみました。おかしいところがあるかもしれませんが、だいたいはこんなもんでしょう。このようなやり取りばかりで、読解力が上がったり論理的な思考が育つ方が不思議です。
ツイッターやLINEを中心としたSNSによる短文化現象はこれからも続いていくでしょう。しかし、入試問題、特に神奈川県の高校入試はこのような時代と逆行するかのように、受験生に読ませる文字数が多くなり、一昔前よりもさらに読解力が求められるようになっています。受験生の読解力と入試問題に必要な読解力の差は開いていくばかりです。だからこそ、ツイッターやLINEなどのSNSから離れ、あえて読書や新聞などの質の異なる文章に触れる時間がますます必要になっているのかもしません。
今回、短期間ブログを放置したツイッターに逃げ込んだだけで、こんなにも文章が書けなくなってしまうことを体感し、正直恐ろしくなりました。ということで、これからはツイッターに逃げないで短い記事でもがんばって更新していくようにします。
もちろんツイッターは普段通り更新していきます。
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