プロが見る学校説明会5つのポイント

2012年10月17日

1.校長先生の話に魅力を感じることができるか

学校説明会ではまず校長先生の人柄に注目している。校長先生が何を話すかよりも、どのような人柄であるかの方に気を配って話を聞く。話は上手いか、教育に対する並々ならぬ熱意が感じられるかどうか、話し方に覇気があるかどうか、人間的に魅力を感じられるかどうかというところをチェックする。自分の経験から言うと、魅力的な校長先生のいる学校は良い学校である確率が極めて高い。魅力的な社長がいる企業は、業績も良い企業が多いのと同様の現象だ。 企業でも学校でも、組織の良し悪しはトップに拠るところが大きい。能力の高いトップは、その下で働く先生方を指導する能力にも、生徒を統率する能力にも秀でていると言っていい。

逆に、どれだけ素晴らしい教育理念を懇々と話したとしても、校長先生自体に魅力がないと、その学校の程度は知れている。能力や情熱に乏しいトップの下では、どれだけ素晴らしい教育理念を掲げたとしても所詮絵にかいた餅。その教育理念とやらを実践できない。

2.学校案内に書かれていることと説明会での話に矛盾はないか

「矛盾している学校なんてあるはずない!」と思われるかもしれないが、これが結構あるんです。例えば、説明会で堂々と「生徒の学力向上に力を入れていて、こんなこともあんなこともしています」と話していても、いざ学校案内に書かれている進学実績を見てみると、どこに力を入れているんだろうと疑いたくなるようなお粗末な実績が並んでいたり。「文武両道を実践しています」とパンフレットに書かれているが、説明会では『武』の方の実績ばかりを強調して、『文』の方の説明は華麗にスルーされたり。このように、あからさまに矛盾を感じる学校なら分かりやすいが、矛盾を懸命に隠そうとする学校もあるのも事実。学校案内に書かれていることと、実際の学校運営とが違っている部分がある場合、その部分の話をうやむやにサラッと流そうとする話し方をする学校もある。こういう学校には、自分の塾の生徒を送りたくない。

3.入学時の偏差値と卒業時の実績

大学の合格実績は、入学時の偏差値と比較して考える。入学時の偏差値がそれほど高くないにも関わらず、大学の合格実績が良い高校ほど「お得」校だ。逆に、入学時の偏差値が高いのに、大学の合格実績が然程良くない高校は「損」な高校と言える。特に高校受験で併願私立校を選択する場合、この入学時と卒業時の差をじっくりと検討した方が良い。併願私立は単願よりも入学時の基準が高くなる場合が多いが、その高い基準と卒業時の合格実績が比例していない学校もあるので注意が必要。

4.授業中の様子

塾対象の学校説明会はたいてい平日の午前中に開催される。平日の午前中と言えば、普通に授業が行われている時間帯。正直、説明会で校長先生やその他先生方の美辞麗句を聞くよりも、実際に授業が行われている様子を見た方が何倍もその学校の実態が分かる。授業を見学させてくれる高校はほとんどないが、通りすがりに廊下から教室の様子を見ながら、先生は熱心に指導されているか、寝ている生徒を放置したままにしていないか、生徒は集中して授業に専念しているかなどをチェックしている。稀に、修学旅行や遠足中などの授業がない日に、塾対象説明会をあててくる学校がある。偶然かわざとかは分からないにせよ、こういう学校は「なんだかな」と思ってしまう。

5.トイレの様子

学校の説明会に行くと、必ず生徒用トイレに行くようにしている。トイレの清掃が行き届いている学校は、やはり生徒指導が行き届いている。逆に、トイレにくだらない落書きが多かったり、掃除が行き届いていなかったりする学校が、いくら説明会で「うちは生徒指導を熱心にやっています」とアピールしていても信用できない。

以上がプロが見る学校説明会の5つのポイント。今月と来月は学校説明会のラッシュだ。この5つのポイントを頭に入れて説明会に行くと、また違った側面を発見できるかも。

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