2015年度入試公立入試の合格ボーダーラインを受験勉強計画に生かせ!

今日は、朝から全県模試でおなじみの伸学工房主催のセミナーに参加してきました。今年度は、これまで大手模試会社3社のセミナーに参加してきましたが、伸学工房さんのセミナーが3社の中で最も有意義な情報を得られたので、ブログ読者の皆様と共有したいと思います。

※スマホからは見にくいです。できるだけタブレットやPCなどスマホ以外のディバイスでご覧になることをお勧めします。

2015年度公立入試高校別合格者データ

高校 合格者平均値 ボーダーライン
内申 学力 内申
+学力
面接 特色検査 1次
内申+学力
2次学力
湘南 129.9 441.6 730.5 99.71 76.44 694 418
厚木 127.6 403.3 687.0 100 53.52 655 367
小田原 124.1 395.8 671.3 84.15 57.19 635 364
平塚江南 121.0 376.3 643.9 99.36 76.03 612 350
秦野 114.8 338.9 592.3 95.08 553 304
海老名 115.0 345.8 602.3 97.73 555 308
大磯 105.2 306.3 557.3 99.66 515 274
西湘 109.5 304.1 589.9 70.55

表の見方を理解しよう

合格者平均値

合格者平均値は、全県模試が調査した2015年度入試の各高校の合格者ごとの平均値です。注意いただきたいのは、各高校の合格者全員ではなく、全県模試が調査できた人数の中の平均値なので、実際のところは誤差があります。たとえば湘南だと、全合格者360人のうち、全県模試が調査できた人数は80人分で約22%、小田原高校だと、全合格者318人のうち100人分で約31%の値です。実際の平均値は、この表よりも若干低いのではないかと思われます。

平均値の『内申+学力』の分母は、ここに掲載した各高校とも800点満点です。実際の入試は、この内申+学力の800点満点に面接が200点分加わった1000点満点(もしくは特色検査実施校は+200点or+100点)で合否が決まりますが、内申点や特色検査を加えるとボーターがよく見えてこないので、ここでは内申点は引いてあります。800点満点の内訳は、学力:内申:面接の割合が3:5:2の学校であれば内申300点満点+学力500点満点=800点、4:4:2の学校であれば内申400点満点+学力400点満点=800点、5:3:2では内申500点満点+学力300点満点=800点です。

面接・特色検査の分母は、各高校とも100点満点です。

ボーダーライン

ボーダーラインは、伸学工房が調査した中での、不合格者と合格者のボーダーと思われる値です。表の『1次』とは1次選考、『2次』とは2次選考を表しています。

1次選考と2次選考の違いがわからない人は、過去の記事を参考にしてください。
参照:オール1でも公立トップ校に合格する方法:2次選考を正しく理解してる?

『1次』のボーダーラインは、内申+学力の800点満点でのボーダーです。『2次』のボーダーラインは、学力のみの500点満点でのボーダーです。しかし、上でも述べたように、実際の入試にはこれに面接の200点、特色検査の100点もしくは200点分が1次にも2次にも加算されます。面接は差が小さい高校がほとんどなので合否への影響は小さいと思われますが、特色検査実施校の場合、ボーダーを超えていても特色検査の点数が悪いと不合格になっています。特色検査実施校の『2次』の数字は、特色検査が比較的良くできた場合(特色検査の平均値か、それをやや下回るくらい)の値だと考えて良いでしょう。

※2016年度から比率や重点化が大きく変更される西湘については、勘違いのもとになるのでボーダーラインを掲載していません。

実際にシュミレーションしてみよう

表をただボーッと眺めているだけでは何の役にも立ちません。電卓を用意して、実際にシュミレーションをしてみましょう。計算式を比率別に書いておきます。まだこの時期は中3の内申点は出ていませんが、とりあえず中2の内申×3をして仮の内申を出して計算してみると、入試で何点取れば良いのか、また内申を中3でこれくらい上げると入試の得点はどう変わるのかが実感できるでしょう。

内申:学力:面接=3:5:2の場合

・内申点(300点満点)=300×自分の内申(135点満点)÷135
・学力(500点満点)=500点満点で変わらず

(例)中2の5教科の内申が38で小田原高校を目指す場合(38×3=114を仮内申とする)
300×114÷135=253.3点が内申点の持ち点となるので、1次のボーダー635から253.3を引くと、635-253.3=381.7となり、学力検査で382点以上を取ることが必要(特色検査を無視して考えた場合)。

内申:入試:面接=4:4:2の場合

・内申点(400点満点)=400×自分の内申(135点満点)÷135
・学力(400点満点)=500点満点×0.8

(例)中2の5教科の内申が32で大磯高校を目指す場合(32×3=96を仮内申とする)
400×96÷135=284.4点が内申点の持ち点となるので、1次のボーダー515から284.4を引くと、515-284.4=230.6となる。400点満点中230.6点を500点満点に換算する場合、0.8で割れば良いので、230.6÷0.8=288.25点となり、学力検査で289点以上取ることが必要。

このように、実際にシュミレーションしてみることで、入試本番で取らなければいけない点数の目安がわかり、今後の受験勉強の対策がしやすくなります。

自分が必要な得点+30点を目指せ

入試本番で自分が必要な点数がわかったら、そこから各教科の目標点数を設定します。ただし、自分が必要な点数に+30点を上乗せした点数を目標点とすること。たとえば必要な点数が382点なら、それに+30点した412点を目標とするのです。

これはうちの塾での進路指導の方針ですが、最初からボーダーギリギリを狙っていてはいけません。入試本番は、過度に緊張したり、いつもと違う雰囲気に飲まれたりで、何が起こるかわからず、100%の実力を発揮できるとは限りません。むしろ、100%の実力を発揮できる人の方が少ないくらいです(過去記事を参考にしてください)。

参照:「本番で自分の100%の力を出せたら合格する」←実際100%の力なんて出せません。

最初からボーダーギリギリを狙っている人は、だいたい入試で失敗します。うちの塾でここ5年不合格者を1人も出していないのは、ボーダーよりも+30点を目標点と設定し、とにかくその目標点を超えるように受験勉強計画を練っているからに他ありません。下ばかりを見ないで、上を見るのです。それが入試で成功する秘訣です。

まとめ

繰り返しますが、この表をいくら眺めていても、実際に行動に移さない限り何の価値もありません。情報をいかに有効に使うかは、結局自分次第です。

中3生は今日が定期テストの最終日ですが、中1や中2の時と同じように、定期テストが終わったからと言って、すべての勉強を終えてしまうと、8ヶ月後の入試まで終わってしまいます。昨日も念を押しましたが、定期テスト後に少し休憩したら、すぐに社会の入試対策復習や特色検査対策に取りかかりましょう。

できるだけ早く動く。他の受験生がまだ本気になっていない頃から本気でやる。それが、瞬発力に欠ける皆さんの勝ち方です。