平成28年度公立入試選考基準発表!西湘高校が選考基準を大幅変更した模様。

2015年6月5日

6月4日に県教委から平成28年度公立高校入学者選抜基準が発表されました。平成28年度は、新しい入試制度が導入されてから4年目の年です。学校は3年のスパンで色々な計画を考えることが多い組織なので、新しい入試制度導入から3年が経ち4年目を迎える今年は、そろそろ選考基準に動きがある年だろうなと予想していましたが、予想よりも変更してきた高校は少なかったように思います(それでも過去3年間で変更数は最多です)。

ただ、後ほど詳しく述べますが、西湘高校の選考基準は激変しました。あともう一つの大きな動きとしては、横須賀高校で特色検査が導入されます。

では、去年との違いをまとめてみます。

選考基準の変更まとめ

比率の変更

一次選考の「内申:学力検査:面接:(特色検査)」の割合に変更があった県内公立高校。

・横浜市立南・・・3:5:2:2(H27年度)→3:5:2:1(H28年度)
・多摩・・・4:4:2(H27年度)→3:5:2(H28年度)
・生田(一般,自然科学)・・・3:5:2(H27年度)→4:4:2(H28年度)
・横須賀・・・3:5:2(H27年度)→3:5:2:1(H28年度)
・七里ガ浜・・・3:5:2(H27年度)→4:4:2(H28年度)
・西湘(一般)・・・5:3:2(H27年度)→4:4:2(H28年度)
・西湘(理数)・・・5:3:2:1(H27年度)→4:4:2(H28年度)
・平塚農業(全学科)・・・4:4:2(H27年度)→5:3:2(H28年度)
・神奈川工業(全学科)・・・6:2:2(H27年度)→5:3:2(H28年度)
・小田原城北工業(全学科)・・・4:3:3(H27年度)→5:3:2(H28年度)
・小田原総合ビジネス・・・4:4:2(H27年度)→5:3:2(H28年度)
・津久井(福祉)・・・5:3:2:1(H27年度)→5:3:2(H28年度)
・秦野総合・・・4:3:3(H27年度)→5:2:3(H28年度)
・横浜市立みなと総合・・・3:5:2(H27年度)→4:4:2(H28年度)

今年は、新入試制度が始まってから最も多い13校で、比率の変更がありました。

この辺の高校で言えば、ようやく西湘高校が5:3:2から4:4:2にしてきましたね。逆に、この辺の高校だと小田原城北工業や小田原総合ビジネス、秦野総合などの偏差値が低い高校は、内申点の比率を高めています。入試が難しくなると、上位校ほど差が付きますが、下位校になるほど学力試験で差が付かなくなってしまいます。下位校の内申点の比率増加は、学力試験の難化の影響を受けてのことだと思われます。

重点化の変更

学力検査や内申点などの特定の科目に重点をおく「重点化」に変更があった県内公立高校。

・新羽・・・調査書および学力検査の国語を2倍(H27年度)→重点化なし(H28年度)
・横浜市立南・・・重点化なし(H27年度)→学力検査の英語を1.5倍(H28年度)
・麻生・・・調査書の英語を1.2倍、音・美のうち点数の高い教科を1.2倍(H27年度)→調査書の英語を1.5倍、音・美のうち点数の高い教科を1.2倍
・西湘(一般)・・・学力検査の英語を2倍(H27年度)→重点化なし(H28年度)
・西湘(理数)・・・学力検査の英語を2倍(H27年度)→学力検査の数学・理科を1.5倍(H28年度)
・川崎工科・・・調査書の英数理を2倍、学力検査の英数を2倍(H27年度)→調査書の英数理を2倍、学力検査の英数理のうち点数の高い2教科を2倍
・小田原総合ビジネス・・・調査書の国語を2倍(H27年度)→重点化なし(H28年度)

西湘の英語重点化がようやく消えましたね!これまで英語が苦手で西湘に行きたくても不安があった受験生には朗報です。また、西湘の理数コースでも、学力検査の英語2倍の重点化がなくなり、その代わり学力検査の数理が1.5倍になりました。今だから言いますが、「何で理数コースなのに英語が2倍なの?普通、理数を重点化しないの?どうしたの?西湘。英語が得意で理数が苦手な子が有利になるけどいいの?」って、これまでみーんな疑問に思っていましたよ。これでようやく、本当に理数が好きで、理数コースに進みたい受験生が集まりやすくなるのでは。

特色検査(自己表現活動)の変更

特色検査(自己表現活動)に変更があった県内公立高校。

・西湘(理数)・・・特色検査を廃止(H28年度)
・津久井(福祉)・・・特色検査を廃止(H28年度)
・横須賀・・・特色検査を新たに実施(H28年度)
・横浜市立南・・・筆記試験型の特色検査(H27年度)→3分間スピーチ(H28年度)へと内容の変更

今年の西湘は、本当にたくさん話題を提供してくれます。西湘の理数コースの特色検査が廃止されます。新しい入試制度になってから、西湘理数コースは3年連続特色検査を実施してきましたが、特色検査を嫌う受験生が多いせいか、理数コースの人気はここ3年間ずっと低迷していました。その影響があってのことでしょうか。ついに、西湘理数コースが特色検査を取りやめます。

個人的には、これはとても残念なニュースです。西湘理数コースの特色検査は、30分間の試験で他の高校に比べて問題量は少なかったものの、数学パズル的な質の高い良問を毎年出題し続けていました。論理的思考力が試される問題で、難易度も程よく調整されていたように思います。2020年に大学入試センター試験が廃止され、大学入試が大きく変わります。今後ますます、特色検査のような論理型・教科横断型の思考力が求められるようになる時代になると言われているのに、この時代に特色検査を廃止するということは、なんだか時代に逆行しているようにも思われますが、受験生確保を優先した形なのでしょうか。ちょっと残念ですね。

横浜市立南は内容変更があるものの、他の特色検査実施校の概要は、昨年度の特色検査の概要と一言一句同じです。H28年度も、H27年度とあまり大きな変更はないように思われます。

まとめ

新しい入試の学力検査の難化を受け、中堅下位校の高校で内申点の割合を高くする変更が目立ちました。今の入試制度と学力検査の内容では、上位校ほど学力検査重視、下位校ほど内申点重視になるのは自然な流れでしょう。

入試の選考基準も発表され、現中3生の受験も少しずつ足音を立てて近づいてきましたね。このブログでも何度も書いているように、入試はフライングし放題の競争です。今のうちから着実に準備を始めていきましょう。