秋休みの1週間、ブログをサボっていましたが今日から再開!
さて、9月29日月曜日、社団法人学習塾連絡会の活動として小田原高校へ訪問。小田原高校の大嶽校長先生・鈴木教頭先生に1時間程度お話を聞いてきたので、その内容を紹介してみることにする。
入試制度について
地頭の良さを測る狙いの特色検査
小田原高校の特色検査の趣旨は、受検生の地頭の良さを測ることができる問題にしているとのこと。ただ、地頭の良さと言っても、他の特色検査のようなパズルや論理問題のような知能検査的な問題ではなく、あくまでも学力向上進学重点校として、5科目の学力を重視した内容にしてきたとのことでした。
鈴木教頭先生曰く、「自画自賛になるが、小田高の特色検査は受検生の地頭の良さを測るという意味では、良い問題だと思っている」とのこと。
確かに。小田高の特色検査は、問題量こそ多いが、問題を良く読みこなすことができて、5科目の基礎学力がしっかりと備わっていれば然程無理なく解けるようになっている。しかも、毎年何らかのテーマで統一された問題で(ちなみに去年のテーマは「海」)、非常に趣向を凝らして作成されているなという印象。難問奇問をただ羅列してあるだけでなく、作問者のメッセージがヒシヒシと伝わってくるような良い問題だと私も思っています。
「特色検査に対して、どのような対策をするべきか」という質問に対しての回答は、「学校説明会でもいつも話していますが、中学校で習う内容を良く勉強し、たくさんの本や英文を読み込んできてください」とのこと。確かに、小田高の特色検査を解くためには、豊富な読解量は絶対的に必要です。
受検生の本質を見抜く面接を心がけている
新入試制度になってから、各高校で面接の点数の付け方の基準が全く違う。ほとんどの受検者に100点満点をつけている高校もあれば、30点〜90点と面接でめちゃくちゃ差をつけている高校もあるわけで。
で、小田原高校はというと、「話し方が上手だから点数を付けるということはなく、受検生本人の本質を見るような面接を心がけている」とのこと。うちの小田高受検生に話を聞いてみても、一辺倒な質問ではなく、人によってはかなり突っ込んだところまで聞かれたと言っていた。面接のテクニックよりも、しっかりと自分の言葉で「なぜ小田高なのか」という自分の意欲を話せるようにすることが重要なようです。
小田高の教育方針について
あくまで「進学校」としての「単位制高校」
今回、大嶽校長先生が特に力説されていたのが、「進学校としての単位制高校である」ということ。ご存知小田原高校は単位制高校。単位制と言えば、「自分の好きな科目だけを好きなように履修できる何とも自由な高校」と勘違いしている人が少ないないのだけれど、大嶽先生はそれは違うとキッパリ断言された。
「単位制高校と言えども、小田原高校は進学校。基本的には5教科7科目をしっかりと履修してもらうことを意識している。早いうちから、自分は文系だから数学はいらないなどと決めつけて単位を選択するような指導はしていない。単位制はおいしいところどりではなく、あくまで自分の選択肢を広げるためのものだと考えている。」とのこと。
5教科7科目をベースとした指導。県西部有数の進学校として、あるべき姿を貫かれていると感じた。
最後までチャレンジする生徒を応援する進路指導
「センター試験を受検する生徒は毎年90%以上います」とおっしゃられていたように、国公立大学受験を見据えた進路指導をされているのが小田原高校の特徴。もちろん進学校なので、早稲田・慶應・GMARCHなどの指定校推薦枠は豊富にあるのだが、必ずしも指定校推薦の枠が全て埋まるわけではないということ。指定校推薦やAO入試などのように早々に進路を決めるのではなく、センター試験を受験し、最後まで一生懸命チャレンジするような進路指導をしているようだ。
校長先生がボソッとおっしゃった「若いうちは、何でも挑戦して欲しいと思う。受験もそう。推薦などの安全志向ではなく、勝負してみるという姿勢が大切。勝負なんだから、負けることもあるだろう。でも、その経験が生きると思う。」という言葉が心に残りました。
伸ばしがいがあるような生徒に小田高に来て欲しい
「頑張ることに対して喜びを覚える子、伸ばしがいがあるような生徒に来て欲しい」とおっしゃっていた。
「小田高生といっても、中学校のときに勉強習慣が身についていないという子も意外と多い。日々の予習・復習の大切さをしっかりと話し、英数を中心に週末課題も出しています。」
進学校はどちらかというと放任主義の高校が多いのだが、小田高は結構手厚く学習指導をされている印象を持った。高校受験で燃えつきるのではなく、高校に入学してからも明るく勉学に励み、伸びていくような生徒が理想とのこと。
まとめ
約1時間に渡るお話をすべて書ききれてはいないが、要約してみるとこんなところだと思う。
大学全入時代、AO入試・指定校推薦などで大学に入学する生徒が約半数もいる時代、90%以上がセンターを受験するという小田原高校は、やはり進学校ならではの姿勢だと感じた。
現在、学力向上進学重点校により重点を置いた校内改革の真っ最中だとのこと。
これまでは、単位制高校だけあってやや理系に弱い(文転が容易にできるという意味で)という印象を持っていた小田原高校だが、今回のお話から今後の改革に期待が持てると感じた。
塾内通信「慧真ニュース」で、ここに書けなかった内容などもう少し詳しく書きます!