先ほど県教委より志願変更前の1/30時点での倍率が発表されました。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/prs/koko/r20190130.html
出願して倍率が発表されると、決戦の日が間近に迫ってきていることが実感できますね。今回の倍率を受けて、11期生となる慧真館中3生の受験校を中心に、思うことを久しぶりのブログに書いてみたいと思います。
慧真館11期生の出願先高校
まず一番気になるうちの塾生の出願先高校の倍率から。慧真館11期生の出願先は、横浜翠嵐・厚木・小田原・平塚江南・秦野の5校です。
高校名 | H31年度(1月30日時点) | 前年度同時期 | ||
定員 | 志願者数 | 倍率 | ||
横浜翠嵐 | 358 | 795 | 2.22 | 2.35 |
厚木 | 358 | 507 | 1.42 | 1.32 |
小田原 | 318 | 414 | 1.30 | 1.35 |
平塚江南 | 318 | 319 | 1.00 | 1.37 |
秦野 | 358 | 385 | 1.08 | 1.14 |
ちなみに先ほど全員に確認しましたが、昨年に続き、今年も誰一人として志願変更をしないとのこと。これで全員第一志望を貫くことになりました。
初志貫徹。
我が塾生ながら、素晴らしいと思う。高校受験は合格することだけが目的なら、合格できそうな高校に志望校を下げれば良いだけの話。今回の倍率発表でも、段階で定員割れしている高校は50校もあるくらいなんだから。
それでも、倍率に左右されることなく、最初に決心した志望校を貫こうとする強い意志と決意は、どこかの高校に「ただ合格すること」よりも余程価値のあることだと思うのです。
さて、話を倍率の話に戻しましょう。この倍率を受けて、5校それぞれの極めて個人的な感想と予想を書いていきます。ちなみに目標点や最低点は、内申によって異なります。あくまでも、この記事は自分のかわいいかわいい塾生に向けて書いたものだと認識してください。
横浜翠嵐
とにかく今年1年間いろんな噂が飛び交ってたの横浜翠嵐。どれだけ倍率が高くなるんだろうとドキドキしていたら、結局蓋を開けてみれば例年通りでした。むしろ、昨年度の同時期の2.35倍よりも若干ですが下がっています。
横浜翠嵐は最初の倍率が2倍を超えることが当たり前になってきたので、高倍率でも驚かなくなってきました。ちなみに今回の2.22倍ですが、現行の入試体制になってからの過去6年間では3番目の高さになります。1番高かったのが昨年度の2.35倍、2番目が2014年度の2.33倍、そして今年度の2.22倍が3番目です。
ということは、神奈川県全体として見るともちろん横浜翠嵐は高い部類に入るのだけれど、翠嵐単体として見ると特に高くはありません。よって例年通り学力検査450点以上を目標に。
特色については後ほど言及します。
厚木
厚木は、昨年度に無事学力向上進学重点校4校の仲間入りを果たしたことから、今年度は倍率が上がるだろうことは予想されていましたが、予想通り昨年度よりも倍率が高くなり1.42倍になりました。厚木の1回目の倍率1.42倍は、現行入試制度になってから過去6年間では最も高くなっています。
ただ、やはり土地柄なのか、学力向上進学重点校の中で考えると、厚木の1.42倍は4校中最も低くなっていますね(横浜翠嵐2.22倍、湘南1.82倍、柏陽1.58倍)。私の個人的な予想ではもう少し倍率が上がることを覚悟していたので、それほど驚くような数字ではありませんでした。
これくらいの倍率であれば、特色検査も考慮して5科目420点以上を確実にとれるようにしたいところです。
小田原
次は、昨年度から入試制度が大きく変わった小田原高校です。
変更してから2年目の入試なので、それほどインパクトがないのか、昨年度の同時期よりも倍率は低くなりましたね。それでも以前の小田原のように、1.1倍あたりの低倍率に戻ってはいないことを見ると、やはり内申重視・特色検査取り止めという選抜方法の変更は、今年も一定の効果があるようです(来年から特色検査は復活しますが)。
4:4:2なのでどれだけ内申点を持っているかによっても違ってきますが、2次選考を考えると380点程度あると安心できるでしょう。
平塚江南
今回の倍率を受けて、ある意味で一番ビックリしたのが平塚江南です。定員割れこそギリギリ回避したものの、現時点では昨年度の1回目倍率の1.37倍からは考えられないほどの低倍率です。
色々な要因が考えられるでしょうが、一番大きな要因は、やはり新しい特色検査を回避したい心理が働いたのではないでしょうか。平塚江南はこれまで特色検査を実施してきましたが、内容は他の高校と比べても簡単で、ほとんど対策の必要がないものでした。
ところが、今年からは県教委が作成する各校共通の特色検査を受験しなければいけません。一部とは言えども、横浜翠嵐・湘南・柏陽・厚木などの受験生と同じ問題を解くのです。平塚江南受験生の心理的負担は相当なものだったのでしょう。もともとあまり倍率が高くならない「穴場校」が、「超穴場校」になってしまいました。
この穴場感に気付いた受験生が志願変更してくることは十分考えられるので、さすがに2回目の倍率は高くなるでしょうが、それでも大きな変動はないと思います。5教科のボーダーは間違いなく昨年度より下がるでしょうね。
「特色が難しくなったらどうしよう…」と考えている人が多いと思いますが、いくら難しくなっても横浜翠嵐や湘南の人と得点を勝負するわけではありません。勝負するのは同じ平塚江南受験生です。特色が難しくなって平均点が低くなると、結局特色検査ではほとんどさがつかず、5教科勝負になります。
よって、特色検査のことを心配するより、5教科できちんと得点することを考えましょう。小田原と同じ380点あれば、特色で少々失敗したとしても十分でしょう。
秦野
秦野、今年もかなりの低倍率ですね。どれくらい低倍率かというと、今年の1回目の倍率1.08倍は、過去6年間の中で最低の数値です。秦野に何度も足を運んでいる私からすると良い高校なんですけどね。なんで伝わらないかなー。
志願変更先が秦野となりやすい小田原や平塚江南の倍率もそこまで高倍率でもないので、志願変更後の倍率もそこまで上がらないとは思います。ボーダーラインは確実に下がるでしょうが、油断は禁物です。
新・特色検査についての予想
最後に、新しい特色検査について思うことを書いておきます。
今まで各高校が作成してきた特色検査を、今年から県教委が一括して作成することになりました。
この流れ、実は過去にもありました。2005年度から一部の公立トップ校で英数国の入試問題を各高校が作成していた「独自入試」を、2009年度入試からはその一部を「独自入試共通問題」として、県教委が作成することになったのです。
その時何が起こったか。
蓋を開けてみると、「独自共通問題」として県教委が作成した問題は、独自入試としてはそれほど難しいものではありませんでした。初年度なので様子を見たのでしょう。その結果、当然、横浜翠嵐や湘南の独自入試問題は共通問題導入後に難易度が下がり、鎌倉や平塚江南は逆に難易度が上がりました。
今回もこれと同じようなことが起こると予想しています。
初年度なので、それほど難しくなるとは考えにくいです。ということは、横浜翠嵐や湘南受験生にとってはこれまで以上に得点しやすくなるでしょう。
でも、そんなの他の受験生も同じ。特色で得点しやすいということは、逆に特色では差が付きにくくなり、結局のところ5教科勝負ということになります。正体が見えぬ特色検査に対して必要以上に恐れるよりも、5教科の点数をきちんと得点することを第一に考えましょう。
それでもこれから対策するとしたら。オススメは過去6年間の湘南高校の問2・問3です(特に問3)。県教委が目指している特色検査の姿が、湘南の問3にあるような気がしています。
以上、2019年度最初の一般公開ブログでした!