実はこんなにも違う・・・中学別の内申点の割合

2012年7月3日

今年から始まる新しい入試制度と去年までの制度との大きな違いは、やはり『内申:学力試験:面接:特色検査』の割合がそれぞれの高校の裁量で自由に決められることだろう(「各項目を必ず2割以上にすること」というルールはあるが)。偏差値が高い学校ほど学力試験に重点を置き、内申:学力:面接を2:6:2に設定するだろうと想像していたが、6月に発表された各高校の比率を見てみると、実際に2:6:2を採用している高校はなんとたった3校。今や県下一のトップ校にのし上がった横浜翠嵐と、川崎市内の2番手校の生田と、横浜東部の学校の鶴見だけ!昔からの名門校の湘南高校、急成長中の実力校の柏陽高校、地元小田原高校も3:5:2を採用。予想外に内申の割合が多くなっている。

他の旧トップ校も、3:5:2もしくは4:4:2の割合を取り入れる学校が多くて、正直「なんだかな~」という感想。4:4:2なんて、面接でそこまで差が開かないことを考えると、内申:学力が1:1とほぼ同等ですよ。さらによーく見てみると、旧学区の2番手校にあたる松陽や西湘などが、5:3:2を採用しているし。2番手校が内申5割の学力試験3割って、あなた・・・。地域の2番手校の役割はそれで担えるのでしょうか。

内申が神奈川県内のどこの中学でも公平に、平等に付けられているのであれば、内申が何割になろうが文句はないのだが、現実は、中学校によって内申の付け方に驚くほどのバラつきがあるのだ。

神奈川県教育委員会のサイトの中で、学習評価に関する調査というものが公開されている。これは、それぞれの教科の評定1~5までの割合が生徒の何%なのかを中学校別に集計したものだ。すんごい細かい字で書かれているのだけれども、虫眼鏡を用意して一度じっくりとご覧になっていただきたい。

例えば理科の評定。「5」をとる生徒の割合が44.7%の学校がある一方で、同じ理科で「5」の割合がたった4.2%の学校がある。44.7%と4.2%ですよ。1学年に200人いるとすると、ある中学校では89人もの生徒が「5」を取り、ある中学ではたった8人の生徒しか「5」が取れないという・・・。
例えば美術の評定。「5」の割合が32.2%の学校がある一方、たった1.3%とこれはもうイジメとしか思えないような学校も。1学年に200人で1.3%といったら、「5」がたった2人ということです。どんだけその学校の生徒の絵が下手くそやねん。

もちろん、5にバラつきがある理由もいくつか考えられる。
1.その学校にめちゃくちゃ優秀な生徒が集まっていること。もしくはその逆。
2.その学校の先生の評価がめちゃくちゃあまいこと。もしくはその逆。
3.その学校に何らかの策略があること。

なぜこんな割合になるのか、その理由は知る由もない。しかし、これで公平な入試になると言えますか?89人もの生徒が5をもらえる中学校に通っている生徒と、たった8人しか5をもらえない中学校に通っている生徒が、同じ制度で公立高校を受験するんです。これが「公平」だと思えないのは自分だけでしょうか。

いっそのこと、不透明な絶対評価なんてやめて、相対評価に戻せばいい。県下全体で1~5までの割合を統一すればいい。だったら、内申が何割になっても、公平な入試になると思うのですが。