オール1でも公立トップ校に合格する方法:2次選考を正しく理解してる?

「トップ校に行きたいけれど、内申が低いから無理だ」
「実力は十分にあるけれど、内申が足りないからトップ校を諦めなければいけない」

など、内申が低いためにトップ校受験を諦めてしまう受験生が毎年たくさんいます。でも、神奈川県の公立入試には、内申が低くても、極端に言うとたとえオール1だとしても、5科目の入試で点数をとれる実力さえあればトップ校に限らずどの高校にも行ける選考方法があります。

それは「2次選考」と呼ばれるもの。神奈川の入試システムをよく調べている人なら一度は聞いたことがあると思いますが、言葉は知っている人でも実はちゃんと分かっていなかったり、誤解しているケースが多いです。そこで、今日は2次選考について、できる限り詳しく説明してみます。

1次選考と2次選考の違い

神奈川県の公立入試は、「1次選考」と「2次選考」の2つの選考方法で合否が決まります。よく知られているように、内申:学力検査:面接の割合を3:5:2や4:4:2や5:3:2などと各高校が設定していますが、アレは1次選考の基準です。1次選考は、内申・学力検査・面接の3つを基本として、特色検査を実施する高校は内申・学力検査・面接・特色検査の4つで、定員の90%の人数にあたる合格者を選考します。

その次に、1次選考で残った定員数の10%を「2次選考」で選考します。2次選考では、1次選考の基本となった3つの内申・学力検査・面接のうち、内申を抜いた学力検査・面接(及び特色検査)で合否を選考するワケです。つまり、2次選考になると内申がオール5でもオール1でも一切関係がなくなるということになります。

ここでよく勘違いする人がいるのですが、「2次選考」と「2次募集」は全く違うものなので間違わないように。また、自分が1次選考で合格したのか、もしくは2次選考で合格したのかは、残念ながら公表されません。1次選考であっても2次選考であっても、合格した人には「合格」と記されるだけです。

まあ、ここまでの話はどこの塾のウェブサイトにも詳しく掲載されているし、中学校の説明会でも詳しく話をしてくれると思うので、大半の人にとっては「そんなの知ってるよ」というレベルですよね。

2次選考のポイント

1次選考のあとに2次選考があるということ

2次選考は、全ての公立高校で実施される選考方法で、定員の10%を内申を無視した残りの要素で合否を決めるということです。その性質から、2次選考のことを「10%枠」と呼ぶ人もいます。この10%という数字が一人歩きしてしまって、「2次選考っていっても定員のたった10%でしょ?だったら上位10%に入るくらいの高得点をとらなければ結局合格しないんじゃないの?」というイメージを持ってしまっている人が多いですが、別に上位10%に入るくらいの高得点をとらなければいけないということはありません。

ポイントはその順番です。どの高校でも、まずは通常の1次選考で定員の90%の合格者を選定したのち、1次選考で漏れた受験生たちを内申を抜いた2次選考の割合で順位を並べ替え、その中から上位10%の合格者を決めるのです。

つまり、2次選考は「1次選考で漏れた受検生が選考の対象」ということになります。1次選考で90%の合格者を決めるのだから、受験生全体の上位10%に入るくらいの高得点をとっている人は、楽々1次選考で合格しているので、そもそも1次選考から漏れることはありません。1次選考で漏れる人ということは、その高校に対する自分の内申がよっぽど低いか、学力検査の結果が1次選考合格者よりも低い人ということになります。

具体的に説明してみる

もう少し分かりやすく説明するために、具体例を挙げて説明してみます。

たとえばA高校の定員が300人とします。300人の定員に対して、400人が受検したとすると、全体の倍率は約1.33倍です。神奈川の公立高校の中では、まあまあ高い方でしょう。

300人の定員の90%、つまり270人を1次選考で選考するので、受検者400人の中から内申・学力検査・面接の合計点数の高い順番に1位から270位までは合格になります。残りは30人です。残念ながら1次選考で270位以内に入らなかった271位から400位までの130人を、内申を抜いた学力検査・面接の合計点数の高い順番に並び替えます。その中で1位〜30位の合格者を決めるのが2次選考です。

つまり、倍率1.33倍のA高校の場合、2次選考で合格するのは1次選考に漏れた130人中約23%にあたる30人で、1次選考で漏れた130人中の上位23%に入れば合格ということになります。「2次選考はたった10%でしょ?上位10%に入らなければ合格できないんじゃないの?」というイメージがだいぶ覆ったのではないでしょうか。

ちなみに、倍率が低い高校ならば、もっと2次選考での合格が楽になります。
たとえば定員300人のB高校に350人が受検したとします。全体の倍率は約1.17倍です。去年の小田原高校の倍率が約1.13倍なので、まあ似たようなもんです。

A高校と同じく300人中270人を1次選考で選考するので、350人中1位から270位までが1次選考で合格になります。残りの30人の2次選考枠を争うのは、1次選考で漏れた80人です。80人中の37.5%にあたる30位に入れば、おめでとうございます。見事合格です。

つまり、2次選考は定員の10%だからといって、何も上位10%のみの特別な枠ということではなく、1次選考に入らなかった下位の中の枠ということです。しかも、倍率が低い高校ほど、1次選考で漏れた人に対する2次選考枠割合が高くなります。

2次選考狙いはリスクが高い?

よく聞くのが、「10%枠の2次選考狙いはリスクが高い」ということです。たしかに、たとえばオール1からトップ校を狙う場合、最初から2次選考枠ということになるので、定員の90%を占める1次選考を最初から無視する受験方法となり、リスクは高くなるでしょう。

ただ、そのような極端な例を除くと、内申がなくて実力がある人よりも、内申は十分あるが実力がない人の方がリスクは高いです。内申がなくて実力がある人の場合、たとえば「3:5:2」のような学力検査重視の高校の場合、学力検査次第では十分1次選考合格だって狙えます。もし、内申が低すぎて1次選考に漏れてしまっても、実力があるのなら2次選考で十分戦えます。

一方、実力はなくて最初から内申頼みの人の場合、1次選考で漏れてしまったらその時点でアウトになります。2次選考に回ってしまったら、頼みの内申が全く無価値になってしまうからです。

このように、今の神奈川県の公立入試制度で言うと、内申よりも実力が高い人の方が結果的にリスクは低いのです。

とは言え内申は大切

とは言っても、やっぱり内申は大切です。まずオープン入試を除く併願私立の場合、合否はほぼ内申点で決まってしまいます。内申が低いと、偏差値的にビックリするような高校しか併願私立の選択肢はなくなってしまいます。しっかりとした併願私立高校をとれなかった場合、どうしても公立高校受験に安心してチャレンジできなくなってしまいます。

また、入試は水物です。実力がいくら高くても、入試の当日は何が起こるか分かりません。もしかしたら風邪を引いてしまって実力を発揮できないかもしれないし、緊張していつもの力を出せないかもしれません。内申がないと、こういうときにめちゃくちゃ不利になってしまいます。

まとめ

まとめると、内申が低かろうがたとえオール1だろうが、トップ校に行くことのできる実力さえつけることができれば、2次選考で十分合格する可能性があるということです。しかも、正しく2次選考の仕組みを知ると、10%という数字にそこまで怯える必要はなくなります。

ただし、そうは言っても併願私立を考えると内申点は大切です。内申点をできる限り確保しつつも、内申ばかりに躍起になるのではなく、ちゃんと実力をつけましょう。たとえ内申点が少しくらい低くても、実力が十分にあればどの高校でも十分戦うことができます。

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