入試理科の大切なことは全部、「全国入試問題正解」が教えてくれる。

2期制の中学校は、現在定期テスト期間の真っ最中です。定期テスト対策に必死で、受験勉強なんて綺麗さっぱり忘れてしまっている時期かもしれませんが、逆にそんな時期だからこそ、理科の入試対策についての記事を書いてみたいと思います。

定期テスト前後こそ絶好の入試対策の機会になる

定期テスト勉強だけで満足しているようでは、残念ながら神奈川の高校入試の理科で高得点を取ることはできません。定期テストでどれだけ良い点数がとれるとしても、イコール入試問題もバッチリ解けることにはなりません。今の神奈川県の入試は、定期テストと別物として考える必要があります。

とは言え、やはり定期テストで徹底的に勉強した基礎は、入試問題を解くための礎となるのもまた事実です。せっかく定期テスト時に限られた単元の基礎をガッツリと勉強するのだから、基礎が定着している定期テストの前後で入試対策を取り入れましょう。

定期テストの問題と入試問題の違いがより鮮明に理解できるはずです。

全国入試問題正解を分野別に

入試対策と言っても何をどうやればいいのか分からないのなら、とりあえず「全国高校入試問題正解」を分野別に1つずつ解いていきましょう。

たとえば定期テスト範囲が中3の生物分野だったのであれば、北海道から沖縄まで、中3の生物分野の問題を片っ端から解いていくのです。その際、小問での出題は無視し、大問での出題のみに絞って解いていくと良いでしょう。もちろん、1つの大問ごとに答え合わせとやり直しを丁寧に行っていきます。

47都道府県も解くのなんて大変と思うかもしれませんが、実際は全ての都道府県で中3生物分野が大問として出題されているわけではないので、多くても20題くらいしかありません。理科の大問1つに対してかかる時間はだいたい5分程度。答え合わせとやり直しの時間を考えても、3〜4時間もあれば1つの単元を全国制覇できてしまいます。

全国入試問題正解を単元別に解くメリット

質の良い問題を大量に演習できる

入試理科での実力を上げるには、基礎を踏まえた上で、質の良い問題をたくさん演習することです。

同じ単元を20題以上も解く必要があるのかと思う人もいるかもしれませんが、同じ単元を様々な方向や切り口から出題される問題を解くことによって、その単元に対する理解がさらに深まります。

しかし、市販の問題集や塾の問題集では、量質ともに十分なものはなかなかないのが現状です。塾の問題集は質は良い問題を揃えているかもしれませんが、ページの制約からどうしても量が圧倒的に足りなくなります。市販の問題集は、だいたいやたら難しかったり、逆にやたら簡単すぎたりで、神奈川県レベルの問題に適したものが圧倒的に少なく、正直使い物になりません。

理科に限って言うならば、入試に対する実力を付けるために、質・量ともに兼ね揃えた問題集は全国入試問題正解以外に無いと思っています。

出題ポイントが分かる

全国入試で、1つの単元の入試問題を20題以上も解くと、必ず似たような問題にいくつも遭遇します。その似たような問題こそが、その単元の出題ポイントです。大切だから何度も繰り返し登場するのであり、必ずおさえておかなければいけないポイントなのです。

このように、全国入試問題を単元ごとに解いていくと、各単元ごとの出題ポイントや理解しておかなければいけないことが分かるのです。よくやってしまいがちなポイントを外した入試対策をするということがなく、効率的に入試に対する実力を付けることができます。

入試のトレンドに触れることができる

入試問題にも“トレンド”があります。10年前と今とでは、同じ単元でも出題の仕方がまるで違います。同じ都道府県の過去問を6年分解くという入試対策法もありますが、過去のものをいくら掘り下げたところで今の入試問題のトレンドは掴むことはできません。

全国入試問題は、最新の入試問題ばかりが揃った問題です。つまり、全国入試問題中に掲載されているものこそが、今の入試の最新のトレンドなのです。

特色検査実施校を受ける場合は、国私立にもチャレンジ

特色検査実施校を受ける人は、47都道府県が終わったら国私立の同じ単元にもチャレンジしましょう。47都道府県とまた違った考え方や解き方が必要であることが理解できると思います。

その考え方や解き方こそ、多くの高校の特色検査で必要な力なのです。最近の特色検査は、難関国私立の入試問題に近くなってきています。逆に言うと、最近の難関国私立の入試問題で必要とされているのは、マニアックな知識などではなく、特色検査と同じような考える力なのです。

中途半端な質の特色検査対策問題を解くよりも、練りに練られた質の高い国私立の理科の入試問題(社会も有効)の方が、余程特色検査の勉強になるでしょう。

全国入試問題集正解の唯一の弱点

絶対的にお勧めする全国入試問題正解(理科)ですが、「解説が薄い、分かりにくい」という致命的な弱点もあります。この弱点は、塾の先生や学校の先生に質問することによってカバーしていくしかありません。

解説を読んでも分からない問題は、積極的に先生に質問に行きましょう。うちの塾でも、入試前になればなるほど全国入試の理科からの質問が多くなります。

まとめ

入試直前になると、Twitterやメール・コメント等で、「全国入試をやった方がいいですか」という質問がわんさか来ます。先に答えておきますが、やった方がいいに決まっています。ただ、入試直前の1月くらいに「やった方がいいですか」と言われても、あの分厚い問題集と格闘する時間はもう残されていません。

うちの塾では夏期講習から理科の全国入試問題を取り入れていますが、遅くとも秋からは始めたいものです。上でも書いたように、まずは定期テストの範囲だったところから分野別に解いていきましょう。

入試理科で大切なことは、全部全国入試が教えてくれます。全国入試を解けば解くほど、確実に入試理科での得点力は身に付いていきます。