そろそろ併願先の私立高校を絞り込む時期になりました。うちの塾でも中3生対象とした進路面談で、併願私立の絞込みに関する話し合いが続いています。
「神奈川県限定。意外と知らない併願私立高校の入試システムをズバッと解説。」の記事で説明したように、神奈川のほとんどの併願私立は内申点によって決定されるので、内申点の基準だけで併願私立を判断される方が多いのですが、これは危険です。併願私立を選ぶ基準は、自宅からの距離や部活動など様々だとは思いますが、大学進学を考えている中学生なら、大学進学実績も大切な判断基準になります。
そこで今日は、慧真館がある小田原地区からよく併願される私立7校についての大学進学実績を、各高校のホームページや、サンデー毎日発行の「高校の実力」に基づいて調査してみました。
併願私立7校大学進学実績調査結果
※スマホからは見にくいので、PCやタブレットなど大きな画面からの閲覧を推奨します。
高校名 | 卒業生数 | 国公立大 | 早慶上智 | G+MARCH | 日東駒専 | ||||
合格者 | 割合 | 合格者 | 割合 | 合格者 | 割合 | 合格者 | 割合 | ||
相洋 | 468 | 5 | 1.0% | 8 | 1.7% | 26 | 5.5% | 39 | 8.3% |
平塚学園 | 575 | 11 | 1.9% | 38 | 6.6% | 147 | 25.6% | 99 | 17.2% |
向上 | 489 | 13 | 2.7% | 12 | 2.5% | 57 | 11.7% | 76 | 15.5% |
桐蔭※ | 907 | 147 | 16.2% | 227 | 25.0% | 567 | 62.5% | 312 | 34.4% |
鎌倉学園 | 336 | 52 | 15.5% | 151 | 44.9% | 384 | 114.3% | 117 | 34.8% |
日大藤沢 | 487 | 24 | 4.9% | 27 | 5.5% | 121 | 24.8% | 264 | 54.2% |
日大三島 | 629 | 41 | 6.5% | 6 | 1.0% | 42 | 6.7% | 311 | 49.4% |
※桐蔭は高等部のみの実績
相洋VS向上VS平塚学園
まず、よく天秤にかけられる相洋・向上・平塚学園について。この3校は、たくさんのコースを併設しているので、色々な学力層の受け皿になりやすく、この地域では多くの中学生が併願先に選ぶ学校です。
3校の進学実績を比べてみると、平塚学園がGMARCH(学習院・明治・青山・立教・中央・法政)の実績で他の2校よりもダブルスコア以上の差をつけてダントツであることが分かります。「2015年度大学合格実績から見る、近隣公立高校の実力」と比べてみると、平塚学園は、公立でいうと西湘や海老名あたりと似たような実績ですが、相洋・向上となると大磯にも負けてしまっています。
桐蔭VS鎌倉学園
次に、男子トップ校受験者の併願先としてよく天秤にかけられる桐蔭と鎌倉学園の2校です。両校とも、国公立の割合は似たり寄ったりですが、早慶上智とGMARCHでは鎌倉学園に軍配が上がります。これは調査してみた私も意外なことでした。桐蔭の方が実績が上だとばかり思っていたので・・・。
ちなみに、桐蔭・鎌倉学園と公立トップ校とを比べてみると、意外にも公立トップ校の方が2校よりも実績は良いです。よく、「私立に行った方が大学進学は有利なんじゃないか」と言われますが、そんなことはないということが分かります。
日大藤沢VS日大三島
続いて同じ日大系列の藤沢と三島についてです。この2校とも、結局卒業生の約半分は日本大学に進学するのですが、両校とも「特進クラス」という他大学に進学するためのコースがあります。この2校を比べてみると、国公立と早慶上智はどちらとも同じような実績ですが、GMARCHは藤沢の方が三島よりもはるかに上回っています。
日大藤沢は小田原高校などの公立トップ校受検者がよく併願する学校で、日大三島は西湘などの2番手校受検者が併願する学校なので、この違いは当然と言えば当然です。ただ、私の感覚ではもう少し藤沢の実績が良いと思っていたのですが、やはり、日大系列は基本的に日大に進学する高校だということでしょうか。
ちなみに、日大三島は伊志田高校や足柄高校の上位層受検者の併願先にもなりますが、伊志田や足柄と比べると、日大三島の方が進学実績は断然上です。この場合は、「私立に行った方が大学進学は有利」という図式が見事あてはまります。
以上、併願私立選択のお役に立てれば幸いです。