偏差値の低い高校から難関大学へ合格するには

2012年10月11日

ただいま中3生の三者面談の真っ最中。そろそろ具体的に受験校を絞っていく。面談で志望校を選んだ理由を生徒に尋ねると、ほとんどの生徒が「大学の進学実績が良いから」と答える。最近の中学生は本当によく研究しているなぁと感心する。自分が中学生のころ、志望校の大学実績なんて調べることすらしなかったから。

偏差値の低い高校から難関大学への合格は無理なのか。今日はそのことについて考えてみたいと思う。

高校の進学実績を見ると、偏差値の低い学校からでも稀に早稲田や慶應に合格者が出ていたり、MARCHに数名合格者が出ている場合もある。こういう事実だけを見ると、「なんだ!偏差値の低い高校からでも、難関大学に入れるじゃん!」と思ってしまう。でも実際は、偏差値の低い高校から難関大学へ合格する人というのは、何らかの事情により、偏差値の低い高校にたまたま入学してしまった「隠れ偏差値60台」の人だろう。都会ではあまり考えられないかもしれないが、学校数の少ない田舎では、こういう人は実は珍しくはない。私の出身は奈良県だが、県内の偏差値30台の底辺高校から某有名国立大学の合格者が出て話題になったことがある。その人が偏差値30台の底辺高校を選んだ理由が、なんと「家から一番近かったから」だという。しかも、「一番近い学校だと通学時間がかからないから、その分勉強できる時間が確保できると思った」らしい。多分この人も、「隠れ偏差値60台」だったのだろう。

例え「隠れ偏差値60台」の人でも、偏差値の低い高校から難関大学に行くのは大変。低偏差値高では、3年間休まず学校に通っても、難関大を受験するための受験科目を履修できない学校も多い。理系なのに数ⅢCをやらない、センターで必要な数ⅡBすら全部やらない、理科は「理科総合」という科目だけで、物理も生物も化学も勉強しないなんてザラ。低偏差値高から難関大を目指すには、高1の段階から予備校や塾に通うことが必須となる。でも、逆に言うと、しっかりした予備校や塾に通うことができるのならば、低偏差値高から難関大も夢ではない。

その他に必要となるのは、強靭な意志の強さ。低偏差値高ともなると、ほとんどの人が勉強や受験とは無縁の高校生活を送る。3年生になっても周りの友達がバイトや部活や遊びに明け暮れる中、そのような雰囲気に流されない強い意志がなければ厳しい。意志の弱い人なら、すぐに周りの低いレベルに合わせてしまう。3年間、高いモチベーションを低偏差値高で維持することは本当に至難の業だろう。

まとめると、実は「隠れ偏差値60台」で、高1の頃から良い予備校や塾に通うことのできる環境にあり、強靭な意志の強さの持ち主であれば、低偏差値高から難関大に合格することも可能。ただ、やはりそれなりの大学を目指すのなら、少なくとも進学校に進学しておいた方が無難。ちなみに国立大を目指すのなら、偏差値65以上の公立高校に進学しておきたい。偏差値65程度の公立高からでも、半数以上は国公立に行けないのが現実なのだ。

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