特色検査で絶対にやってはいけない3つの解き方

2015年1月27日

11月後半から3回にかけて開催してきた「特色検査突破講座」が1月25日の日曜日、最終日を迎えた。自分の担当した理系講座の中で、特色検査を解くためのコツはある程度伝えたつもりでいるが、今日はその総括として、特色検査を解く上でやってはいけない3つのことをまとめておきたい。

最初の問題から解かない。

英数国理社の区別が明確になっている共通入試と違い、特色検査は基本的に科目の区別がついていない。ただ、特色検査の模試や勉強を重ねてきた人なら分かると思うが、特色検査の問題も、英国社や論理などの「文系系統の問題」と、数理の「理系系統の問題」とにわかれている。

自分が文系・理系のどちらの問題の方が解きやすいのか、もしくは点数がとりやすいのかを把握し、まずは自分が点数をとりやすい方の問題から攻めていくのが鉄則。特色検査は、5教科のテストや定期テストのように最初から順番に解いていってはダメ。なぜなら、ほとんどの高校の特色検査は、制限時間内に終わらないような問題量だから。だとすれば、自分が点数をとりやすい「勝負ポイント」でできるだけ点数を稼いだ方が得策だ。

まず勝負ポイントを探し、それを解いていく。勝負ポイントの問題が解けたら、勝負ポイントではない領域のうち、解けそうな問題を探す。これを繰り返しながら解いていくと良い。

ハマらない。

次の鉄則は「ハマらない」こと。ハマるというのは、問題を解くのに没頭してしまい、時間をムダに使ってしまう状態を表している。先ほども書いたように、特色検査は制限時間に対しての問題量が多い。1つの問題にこだわってしまうと、他で解ける問題が時間オーバーで解けなくなってしまうことになる。そうなると大きく点数を落とすことになり、合否にも大きな影響を及ぼしてしまう。

特に理系の問題はハマりやすい。計算がやたら難しかったり、答えまで辿り着くのにかなりの手順を必要としたりする問題が多い。もし時間をたっぷりとかけた結果、正解ならまだ救いはあるが、時間をたっぷりかけた問題が不正解だとしたら、ただ時間をムダにしただけになる。

ハマらないようにするためには、とにかく自分で各問題の制限時間を決めておくこと。もしも、「もう少しで解けそう」という感覚があっても、自分で設定した制限時間をオーバーしたならとりあえず先に進む。本当にもう少しで解けそうなら、他の問題を解いた後で戻ればよい。そうすれば、問題にハマってしまうことを防ぐことができる。

問題文を読み飛ばさない。

基本的に、特色検査は今まで解いたことのないような問題が出題される。5教科のテストなら、問題文を読んだだけで解法を思いつく問題が多いが、特色検査ではそういう問題は滅多にない。

見たことも解いたこともないような問題ではあるが、必ず1つの答えは存在する。出題者は、解答者がその答えに辿り着くように、問題文にそれを解くためのエッセンスを散りばめてあるはずだ。特色検査は、問題文の中のエッセンスを1つでも見落としてしまうと問題が解けなくなる。もちろん、特色検査と言えども知識は必要だから、問題文のエッセンスと自分が持っている知識とを上手く組み合せることで、答えに辿り着くようにできている。

つまり、特色検査の問題で答えにたどり着けない場合は次の2通りのいずれか。
・問題文の中の必要なエッセンスを見落としている場合。
・問題を解くための必要な知識が足りていない、もしくは思いついていない場合。

解けない問題がある場合、まずは問題文の中のエッセンスの見落としがないかをチェックしよう。問題文に書かれている有効数字の中でまだ使っていない数字はないか(基本的に問題文の中の数値は、それを解くために必要だから書いているのであって、使わない数値というのはない)、読み落としていることはないかをチェックした上で、それでも解けないのなら、きっと知識が足りていない。そういう問題は飛ばしてしまうと良い。

まとめ

特色検査を受ける受験生は、基本的に偏差値が高いトップ校の受験生だ。普段の模試や5教科の入試なら、8割や9割以上の点数が普通に取れる受験生ばかり。だから、ついつい「全部解けないとダメだ」とか「最初から全部解こう」というように、いつも通りの解き方をしてしまう。基本的に特色検査は、そのような考え方で解けば失敗する可能性が高い(去年の厚木のようなレベルだったらいつも通りでもかまわないが)ので注意が必要。

入試まであと3週間を切った。特色検査を受ける人は、過去問や模試や他の都道府県の特色問題を使って、「1点でも多く取れるような解き方(順番・制限時間・捨て問題の見極め方)」を練習しておくと良いだろう。

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