受験勉強の「戦い方」

2012年10月23日

受験勉強は長期戦だ。普段の学校の勉強や定期テスト時の勉強と同じ方法をとっていてはいけない。陸上競技で言えば、長期戦の受験勉強はマラソン、定期テストの勉強は短距離走だ。短距離走なら、スタートからゴールまで全力疾走で駆け抜けなければいけないが、マラソンで全力疾走したら確実にバテてしまってゴールできない。マラソンにはマラソンの戦い方があるのと同様、受験勉強には長期戦ならでは戦い方というものがある。今日は、受験勉強ならではの戦い方について書いてみる。

ゴールの場所を明確にする。

受験勉強のゴールは明確である。それはもちろん志望校に合格すること。まずは、自分はどこに向かって走ろうとしているのか、そのゴールを明確にすること。つまり志望校を明確にすることだ。

ゴールするために必要な「目標数字」をはっきりとさせる。

マラソンも受験勉強も競争である以上、ただ単にゴール地点に到着すれば良いというものではない。マラソンであれば、ゴールまでのタイムで競い合う。マラソン大会などで上位に入賞するためには、何時間何分以上で走るという具体的な目標タイムを立てることが必要となる。受験においても同じことが言える。受験は点数の競争だ。志望校に合格するためには、入試で最低何点以上取らなければいけないのか、目標数値をハッキリとさせておくこと。

ただし、この目標数値の立て方にもコツがある。例えば、志望校に合格するために必要な得点が5教科500点中の400点ならば、それから各教科の具体的な目標点数を定める。このとき、「各教科オール80点」みたいな超適当な目標設定をしないこと。自分の得意不得意、各教科の難易度を考えて、現実的な数値を細かく設定する。例えば英語が苦手ならば、英語の得点を何の科目でカバーするのかなど、自分の今の状態を冷静に分析し、目標点数を設定することが大切だ。

数値管理する。

マラソンのような長距離走の場合、必ず途中途中でラップタイムを測定するが、受験勉強においてもラップタイムを測定することは非常に重要な意味を持つ。受験勉強でのラップタイム測定には、模試を使うのが一般的。模試は、何となく受けるものでも何でもなくて、ラップタイムを測定するために受けるものだ。

2月の受験本番で400点を取らなければいけないのなら、10月の時点では何点とっておくべきか、11月や12月では何点か、入試直前の1月の模試は何点取っておく必要があるのか。ゴールするための目標数値から、それぞれのラップタイム(得点)の目標を割り振って、厳密に数値管理していく。

長期戦において、このラップタイムでの数値管理がとにかく大切だ。10月や11月の時点で目標としていた得点まで何点及ばないのか、どの科目が原因なのか。細かく数値管理していくことで、短期間のスパンでペース配分の確認や軌道修正していくことができる。

記録する。

受験勉強のような長期戦は、とにかく成果が見えにくい。ここがマラソンとは違うところ。マラソンだと、走り続けるにつれ目の前の景色が変わっていき、確実に自分がゴールに近づいているという実感を持つことができるが、受験勉強ではゴールに近づいている実感が持ちにくい。実感が湧かないので、そのうちヤル気もなくなっていく。

そうならないように、毎日の勉強の進捗具合を記録していくこと。今日は何をやり、今週は何が出来るようになったのかを記録しておくことで、日々自分が前に進んでいっている実感を得ることができる。また、記録しておくことで、軌道修正やペース配分も立てやすくなる。

これが受験勉強ならではの戦い方だ。とにかく、受験勉強において最も大切なのは「戦略」。この4つを意識して勉強していくと、自分の戦略が明確になる。戦略を常に頭に描きながら勉強しているか、常に行き当たりばったりの勉強しかしていないかで、同じ時間、同じ量の勉強をしても、その成果はまるで違ってくる。