2018年度入試正答率分布から見える、各科目の戦い方。

夏期講習期間中、長らくご無沙汰していたこのブログですが、25日(土)をもって夏期講習の全日程を終了しましたので、そろそろ復活していきたいと思います。

さて、毎年のこと、ブログを書かない期間が続いた後は、どんな記事を書けば良いのかよく分からなくなっているのですが、今日のブログでは、夏期講習中に中3生によく言っていた「入試の各教科の難易度の違い」について、具体的なデータを元に検証してみます。

データに基づいて組んだ夏期講習のカリキュラム

夏期講習の中3授業では、数学はいつもよりも難しい問題を意図的に扱ってきました。そして生徒たちには、そうしている理由については次のように話をしていました。

「数学は県全体での正答率がたった数%という問題がいくつも存在する。そんな科目は5科目の中でも数学だけで、だからこそトップ層の受験生でも数学はなかなか高得点が取りにくい。でも、まずは数学の高得点を狙っていこう。たった数%の中に入ることを考えて、それだけの力をつけていこう。」

また、毎年受験生を苦しめている理科についても、夏期講習中は全国高校入試問題正解を使いながら、中3内容の入試演習を続けていきました。その過程で、中途半端な知識や理解では、とてもじゃないけど神奈川の理科では得点できないことを散々伝えてきた夏でした。

2018年度入試各教科正答率分布表

以前も似たような記事を書きました(参考:神奈川の公立入試では、なぜトップ層ほど英国の得点が高いかをわかりやすく説明する。)が、今回は、2018年度神奈川県公立入試における各教科の正答率分布について、5教科分全て表にまとめてみました。

表の見方ですが、例えば英語では、全ての問題の7%が正答率90%以上、数学では全問題の30%もの問題が、正答率90%以上であったということを示しています。

では、まずはじっと表を眺めてみてください。

正答率 英語 数学 国語 理科 社会
90%以上 7% 30% 13% 0% 0%
80%以上90%未満 4% 13% 23% 4% 3%
70%以上80%未満 22% 4% 7% 4% 0%
60%以上70%未満 19% 4% 30% 18% 8%
50%以上60%未満 11% 9% 13% 11% 11%
40%以上50%未満 15% 9% 3% 21% 17%
30%以上40%未満 15% 4% 3% 18% 36%
20%以上30%未満 0% 9% 0% 14% 22%
10%以上20%未満 7% 0% 7% 11% 3%
10%未満 0% 17% 0% 0% 0%

ちなみにソースはこちら:平成30年度神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果

各教科ごとの特徴

この表をよく分析してみれば、各教科ごとの特徴が分かります。

英語

このブログでも何度も上位層は英語で得点できると書いていますが、英語は問題のほとんどが正答率30%以上はあります。正答率が10%台の問題は2問、リスニングと英作文が1問ずつで、合計8点分です。もしもこの8点分ができなくても、その他の正答率30%以上の問題を全て正解できれば英語は普通に90点以上取ることができます。

これが、神奈川県の上位層はほとんどの受験生が英語で得点を稼ぐ理由です。

数学

数学は5教科の中で一番極端な科目で、中堅下位層にとっては得点しやすく、一方で上位層にとっては得点しにくい科目です。

まず、正答率が90%以上の問題が全体の30%も占めます。全体の47%、つまりほぼ半分の問題は、正答率が70%以上です。これが、中堅下位層にとって得点しやすい理由です。

一方で、他の科目であれば正答率30%〜60%台が多くを占めるのですが、数学の場合、ここら辺の正答率の問題は多くはなく、次に多いのがなんと正答率一桁台で、全体の17%あります。ちなみに問題数にすると4問分で、配点では20点分です。これが数学を、上位層にとって得点しにくい科目としています。

つまり神奈川の数学は、中堅下位層にとっては得点を稼ぐ科目で、上位層にとっては逆に得点を稼ぎづらい科目ということになります。

国語

国語は英語と似た傾向がありますが、国語の方が英語よりも全体的に正答率は高めです。正答率が低い問題も少なく、このことから国語はどのレベルの層の受験生にとっても、得点源とすることができます。

上位層では英語と国語で点数を稼ぎ、中堅下位層では数学と国語で点数を稼ぐというのが神奈川の鉄板の戦略でしょう。

理科

毎年難しいと言われる神奈川の理科ですが、正答率を見ると、70%以上の正答率がある問題が全体の8%と、10%にも満たないことが分かります。こうなると、中堅下位層にとっては非常に得点するのが厳しくなりますね。

数学のように正答率一桁台の難問はないものの、正答率が10%台の問題は全体の11%と、正答率が70%以上の問題よりも問題の数は上回っています。正答率30%未満の問題は全体の25%と、約4分の1を占めています。

ただ、繰り返しますが数学のような難問はありません。中堅下位層は理科で点数を稼ぐのは厳しいかもしれませんが、上位層にとっては難問の少ない理科は逆に、点数を稼ぐチャンスです。

中途半端な理解・思考や知識では歯が立たないかもしれませんが、きちんと訓練すれば、理科は十分太刀打ちできます。少なくとも数学より点数を稼ぎやすい科目だと思っています。

社会

さて、2018年度の台風の目となった社会ですが、正答率をまとめてみると、正答率70%以上の問題が全体のたった3%しかなかったことになり、5教科の中でワースト1です。それどころか、正答率50%以上の問題でも全体の23%しかありません。

しかしその一方で、正答率が20%未満の問題も、実は5教科の中で1番少なかったということが分かります。

つまり2018年度の社会は、簡単に点数が取れない問題も少なかったけれど、誰もが解けない問題も実は5教科の中で1番少なかったということになります。

2019年度も2018年度と同じような傾向だと考えれば、理科同様、中途半端な理解や知識では歯が立たない一方、きちんと準備してきた人にとっては、社会は理科よりも点数を稼ぎやすい科目になります。上位層であれば特に。

まとめ

何度も言っていますが、入試は5科目勝負です。ということは、とりあえず何でもかんでも頑張るというよりも、戦略を考えて戦っていくことが大切になります。その戦略を考えるとき、こういうデータは非常に参考になります。

「とりあえず頑張る」じゃなくて、どう頑張ればいいのか、どの科目はどれくらいの負荷をかけてどのレベルまで仕上げる必要があるのかを冷静に考えて勉強していくことが、良い結果に繋がります。

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