前へ、前へ。

夏期講習が始まる前の休みを利用して、標高日本第2位の北岳に登ってきた。夏期講習の準備で忙しかったが、どうしても夏期講習前にストイックな登山をしておきたかった。

北岳はしんどかった。登っても登っても、なだらかな登りが延々と続き、いつまで経ってもゴールが全然見えてこない。「もう辞めてしまおうか」と、何度も思った。登りに来たことを後悔もした。

登山で心が折れそうになったとき、いつも心がけていることがある。それは、決して上を向かないで、足元を見つめること。上を見てしまうと、頂上までの果てしなく思える道のりを嫌でも認識してしまう。だから、下を向いて、自分の足元だけを見つめる。そして、一歩一歩、確実に前に進むことだけに意識を集中させている。

前へ、前へ。しんどいときは、数cmずつでも良いから、前へ、前へ。

心が折れそうになっても、少しずつでも前へ前へと進み続けていれば、いつかは必ず頂上にたどり着く。そして、そこに立った者にしか見れない景色を見ることができるのが、登山の一番の醍醐味だと思う。

朝日を浴びながら雲海に浮かぶ富士山。

甲斐駒ケ岳と雲海に浮かぶ八ヶ岳。

受験も同じだと思う。

入試までの道のりは、長く苦しい。時には「もうやめてしまいたい」と心折れることだってあるだろう。

そんな時は、決して先を見ない。目の前だけを見る。目の前の1ページに、1問に、1分に集中する。「あと100時間頑張れ」と言われたら、頑張れないかもしれない。だけど、あと10分だけなら頑張れる。「あと100問やれ」と言われたら心が折れるけれど、あと1問だけならまだやれる。

その10分を、その1問をただひたすらに繰り返していくことで、必ず道は開ける。その10分が、1問が、とんでもないところへと導いてくれるはずだ。

今日から夏期講習が始まった。受験勉強も始まったばかりで、道のりはまだまだ長い。

ちょっとずつでもいいから、前へ、前へ。

自分の頂上を目指して、進んでいこう。私も声を枯らしながら頑張ります。