面談期間が続いています。今日はOFFですが、今週が面談のピークになりそうです。
面談期間では、たくさんの保護者の方とじっくりと話をします。塾での様子だけでなく、家庭での様子、保護者様との関わり合いなど、勉強以外の色々な話をします。
保護者の方と話をしていると、伸びてきている生徒やイキイキと勉強している生徒の保護者の方には、ある共通点があることに気付かされます。
その共通点、何だと思いますか?
結論から言うとコレです↓
伸びている子どもの家庭に共通することって、親が一方的に子どもに「勉強しろ」って押し付けるんじゃなくて、親も子どもと一緒に、子どもの目線で勉強することを楽しんでいるんだよね。例えると、親と子が一緒のチームでワイワイ格闘しているような感じ。こういう雰囲気の家庭の子は間違いなく伸びる。
— りんごくん@慧真館 (@keishinkan) 2018年7月7日
このtwitterでつぶやいたことを、もう少し掘り下げるために、今日はうちの塾生の保護者様3人の実例について書いてみたいと思います。
ケース1:本嫌いだった子が今では無類の本好きに
最初のケースは、小学生の塾生の保護者の方のお話です。この塾生は入塾当初、特に文章を読んで理解することに課題がありました。国語でも算数でも、問題を解こうにもまず問題文がきちんと理解できない。聞けば、入塾前はほとんど読書経験がなかったとのこと。
読む力と基礎学力を鍛えるため、家庭学習の一環として読書を多く取り入れて欲しいこと、算数の10問テストをなるべく毎日繰り返して取り組んで欲しいことなど、入塾してからしばらく経っての面談の時に、その塾生の保護者様に伝えました。
保護者の方にこのようなアドバイスをすると、大抵の保護者様は「ちゃんと本を読みなさいよ!」「先生が10問テスト毎日やれって言ってたよ!ちゃんとやりなさい!」と子どもに命令口調で伝えてそれで終わりです。ハッキリ言って、そんな一言で言われた通りに毎日やるほど素直で優秀な子どもなら、塾に通うは必要ありません。
でもその保護者様は違いました。子どもに「本を読みなさい」と言う前に、まず保護者様自身が読書を始めました。しかも大人向けのビジネス書の類ではなく、小学高学年が読むような本や、私が読書会やブログ等で勧めた本を積極的に読み始められたのです。だんだんと保護者様が読書にのめり込むようになりました。子どもは保護者様が変わっていく様子を見て、影響を受けたのでしょう。保護者様が本にのめり込むにつれ、その子もだんだんと本を読むようになりました。親子の間でも、本についての話題が増えたそうです。
ちなみにその塾生は、今では読書が大好きになり、積極的に色々なジャンルの本を読んでいます。当然入塾当初より学力が向上し、勉強に自信が持てたことで学校でも積極的になったそうです。読解力が向上したことで、塾の算数の成績もだんだんと良くなってきています。
その保護者の方は、7/28の大人のための数学講座にも出席されます。「数学は超苦手なんだけど大丈夫ですか」とおっしゃっていましたが、そう言いながらもその表情はとても楽しそうです。
親御さんがまず勉強を楽しむこと。子どもと一緒に勉強しながら、親御さんも子どもと一緒に成長していこうとする姿勢。めちゃくちゃ素敵だと思います。
ケース2:学校でも塾でもトップクラスの成績の塾生
次のケースは中学生の塾生の保護者の方です。この塾生は、塾でも学校でも成績はトップクラス。親御さんが干渉しなくても、自分から進んで勉強する子です。毎日誰に言われるでもなく、自習室にやって来ては一人黙々と勉強して帰ります。
この塾生の保護者様から、ことあるごとに素敵なお手紙をいただきます。遅刻や欠席を伝える内容から、塾生の家庭での様子、保護者様がふと感じられたことなどが素敵な文章で綴られています。
この塾生も結構な読書家なのですが、彼女が夢中になって読んでいたかがみの孤城を保護者様も彼女が読んだ後に読み、一緒に感想や内容を共有されたそうです。
またある時は、塾生が昔使っていた塾のテキストを興味本位で解きながら、彼女の解いた筆跡を見て「こういうところが弱かったんだな」「こんなに頑張っていたんだな」という感想を持たれたそうです。そしてその感想をそのまま彼女にも素直に伝えられたそうです。
このような内容のお手紙を拝読させていただきながら、なぜこの塾生がいつも高いモチベーションを保って自発的に勉強しているのかが分かったような気がします。子どもの気持ちにいつも寄り添い、共感してくる親御さんがそばでいつも見てくれているからこそ、この子は勉強に対して積極的に頑張れるのでしょう。
ケース3:子どもの「マネージャー」に徹するスーパー母ちゃん
次のケースは卒塾生とその保護者の方です。その卒塾生がうちの塾に在籍していた頃から、なんとなく『スーパー母ちゃん』の片鱗が見え隠れしていましたが、最近とあるSNSでその保護者の方と繋がってからは、そのスーパー母ちゃんぶりに感心しっぱなしです。
その母ちゃんの何がスーパーかというと、子どもが大変な勉強を少しでも楽しんで勉強できるようにと、母ちゃんがこさえる「工夫」が凄いんです。例えば化学の暗記カードを子どもと一緒に作ったり、ポイントを掴みにくい雨温図にはのりとハサミとパソコンを駆使して母ちゃん特製の「雨温図カード」を作ってあげたり。
これだけを聞くと、「親がそこまで子どもの勉強に介入するなんて…」とややもすると過保護な印象を持つ人もいるでしょう。しかし、断言しますが、これは過保護や教育ママとは全くの別物です。
この母ちゃんは、決して子どもの「先生」となって勉強を教え込んだり押し付けたりしているのではなく、子どもの「マネージャー」として子どもの勉強をサポートしているに過ぎません。あくまで主役は子ども。勉強するのも子ども。それを分かった上で、この母ちゃんは「勉強しなさい」と言うのではなく、子どもが楽しんで勉強しやすいようにサポートしてあげているのです。これは過保護とは言いません。
この母ちゃんの子どもは、塾に在籍していた頃からケース2の塾生のように、相当な頑張り屋でした。でも、めちゃくちゃ勉強していたのに、その子から悲壮感漂うことは全くありませんでした。むしろ、勉強することを楽しんでいるようにさえ見えました。勉強が少しでも楽しくするようにサポートしてくれるお母さんがいたからでしょうね。
まとめ
他にもたくさんの例がありますが、キリがなくなるのでここでは割愛します。
例を挙げさせてもらった保護者の方々に共通するのは、子どもの目線で、子どもの気持ちに寄り添い共感しながら、子どもと一緒になって勉強を楽しんでいるということです。
親御さん自身が、「勉強は苦しいもの」と決して捉えていないということです。
勉強するという行為は孤独なものです。しかも子どもにとって、基本的に勉強は嫌なもの、しんどいものです。それなのに、一方的に親に「勉強しろ」と突き放されると、ますます子どもは孤独になってしまいます。ますます勉強がしんどくなるばかりです。
「この問題は難しいね」「この本は面白いね」「これは覚えにくいよね」と子どもの目線で共感し、子どもと一緒に楽しみにながら勉強することで、子どもは勉強に対して孤独を感じなくなります。そして親がその勉強に楽しんでる姿を見て、子どもの勉強に対する抵抗感も小さくなるでしょう。
「勉強しなさい!」と言うよりも「最近はどんな勉強やってるの?」
「本読みなさい!」と言うよりも「ちょっとこの本すげー面白いんだけど!」
「こんな酷い点数取ってきて!」と言うよりも「何この問題めちゃくちゃ難しいわね。ちょっとお母さんもやってみようかしら。」
言い方を少し変えるだけで、子どもが受ける印象はガラリと変わります。「勉強しろ」という前に、子どもに共感してやってください。寄り添ってやってください。一緒に楽しんであげてください。一緒に戦ってあげてください。
親御さんがまずそうすることで、必ず子どもは変わります。