約1ヶ月間、自塾プリントのダウンロード販売を試してみての感想を書いてみようと思う。

ツイッターでも告知しましたが、今週の月曜日に文法特訓シリーズのNo.6No.7を追加しました。「1個1個買うのが大変」という意見をいただきましたので、No.1〜No.8までをまとめたセットを今月末にでも販売する予定です。

購入していただいた方から質問やご意見など色々とメールをいただいているのですが、中には神奈川県以外の受験生にご購入いただいているというケースも。あとは同業者の方とか。同業者の方はまあ想定内だったのですが、県外の受験生は想定外でした。文法特訓シリーズは、基本的に神奈川県公立高校受験用に作成しているものなので、県外の方にはあまり練習にならないかもしれません。

10月4日から文法特訓の販売を開始して今日で20日。販売する前は「そんなに売れるものではないだろう」と思っていたのですが、意外にも需要があるのか、今日でシリーズ全部合計するとちょうど80枚のダウンロードがありました。

ということで、約1ヶ月間プリントのダウンロード販売を試してみての感想や気づいたことなどをつらつらと描いてみたいと思います。

ダウンロード販売を始めたキッカケ

ダウンロード販売を思い立ったキッカケは、夏期講習を受講してくれた体験生との面談でした。家庭の都合と曜日の問題で、どうしてもうちの塾に通えないので、自分で勉強をしてトップ校を目指すとのことでした。

理科社会は基礎的な問題集(最悪学校ワークでも可)からの全国入試問題正解を(参照:偏差値70以上も夢ではない。驚くほど力が付く全国入試問題正解の使い方。)、数学はとりあえず基本的な問題集で学校の先取りをしたあと単元別に過去問6年分を解いてみること、国語は古文を基礎から勉強しつつ過去問や模試等で神奈川ならではの読解問題の解き方の習得をと、国数理社なら市販の教材や過去問・模試を使ったアドバイスがある程度可能なのですが、英語だけうまくアドバイスができません。

もちろん3年間の文法を習得し、単語をコツコツと覚えてから、読解問題に取り組むことと言ってしまえばそれまでなのですが、そんなことわざわざアドバイスされなくても自分で分かります。厚木の特色検査を受験するならまだしも、共通入試だけなら英語の全国入試もやり過ぎだし、独学で英語の全国入試ができるレベルならば、そもそも英語のアドバイスは最初から必要ありません。数学のように、過去問を数年分問題別に取り組むのが有効的なのですが、それでは問題数が絶対的に足りません。

文法特訓を見せ、「うちではこれを毎回取り組んでスピードと正確さが身につくよう訓練しています」と言っても、「それはどこで手に入りますか」となる。私が作っているものなので、もちろん手に入るものではありません。

じゃあもういっそのこと売ってしまえ、ということで、ダウンロード販売を始めることに至りました。

公立入試用の対策問題集が市販にない!

5年前に「塾用教材に比べると市販教材はクソすぎる件」という記事を書きましたが、一番市販教材がイケてないところは、それぞれの都道府県別の公立入試用対策問題集がないことです。都道府県別に制限してしまうと、売れる数も少なくなってしまうからという大人の事情も分からないでもないですが、自分の受験する都道府県専用の対策問題集で勉強できるのとできないのとでは、勉強の効率がかなり違ってきます。塾通いしていない受験生が、最も不利になってしまう点がココです。

「それは塾に行っている子だけの特権でいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるでしょうし、私も実際そう思っていたのですが、大学受験では各予備校はこぞって自塾のテキストを出版しています。こんなに閉鎖的で現在の情報化社会から半世紀くらい遅れた考え方をしているのは、高校受験だけです。塾に通っている子の特権は、プリントや教材をもらえることではなく、受験まで先生に伴走してもらえることであるはずです。

塾教材を必要としている人が予想外にいる

「ほとんどの中学生が塾に行っているし、そんなに需要はないかな」と思っていましたが、実際に20日間販売してみて、その認識が間違いだったということに気づきました。実際20日間で80枚売れているし、購入していただいた方から「こういうのがなくて困っていた」、「英語以外の科目も販売してほしい」という声が寄せられています。需要は、塾側の想像以上にあったのです。

部数が見込めなくて都道府県別の教材を市販できなくても、今はネット社会です。ダウンロード販売なら部数が見込めなくてもなんてことはありません。しかも、学参の出版社よりも、塾の先生の方がもっと地元の入試事情に精通しているはずです。科目別だけでなく、レベル別の教材など、もっと的を絞った教材を作れるはずです。いや、既に作っているはずです。

それを販売すれば、もっと日本の国益に繋がるのではないかと思います。教育は日本の財産ですし。

これからもプリント販売を続けます

ということで、これからもプリント販売を続けます。今はDLマーケットを使っていますが、もしかしたら今後プラットホームは変えるかもしれません。DLマーケット、決済などの手続きは楽でいいですが、何より審査が遅い・・・。教材ができたらすぐにお届けしたいのに、毎回審査で2日くらい待たされます。

塾の教材販売がもっと活発になればいいなぁと個人的に思っています。いろんな塾の先生が、それぞれの教材を販売できるようになれば、学び方はもっと変わっていくのではないかなと思います。「お前、どこの塾通っているの?」ではなく、「お前、どの先生の教材で勉強しているの?」とか、もっと進むと「お前、どの先生のカリキュラム指導受けているの?」というような社会になると、面白いかなと。