なぜあなたはできないのか。「できない」5つの理由を考える。

2016年9月6日

勉強をしていて必ずぶちあたるのが「自分はできない」という感覚です。しかし、同じ「できない」でも、その理由は決してどれも同じではありません。
そこで今日は、典型的な「できない」5つの理由を取り上げてみたいと思います。
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知識不足だからできない

知識が頭に入っていないことが原因でできない状態です。いわゆる一般的に言う勉強不足のパターンです。ただ、知識不足による「できない」は、必要な知識を補うことで一発で解決するはずですが、知らないことや分からない知識が多すぎると、教科書や参考書さえもまともに読めなくなってしまい、勉強ができないことに拍車がかかってしまうので注意が必要です。

練習不足だからできない

解くための知識はあるけれども、知識を使いこなすための練習が不足している状態です。特に数学では、公式や解き方の知識が頭の中に入っているだけでは、全ての問題が解けるようにはなりません。

数学以外の科目でも同じです。知っていることと、使いこなせることは全く違います。全く違う勉強を必要とします。知識を使いこなす練習、つまり問題演習によるアウトプットを重ねないでも勉強ができるようになる人は、一部の天才だけです。

基礎不足だからできない

九九がまともに言えない小学生が3ケタ×3ケタのかけ算の計算ができるわけがないように、今学習している内容のもっと前の基礎の部分からグラグラだと、当然のことながら勉強してもなかなかできるようになりません。

中2生中3生で英語ができないと悩む生徒をよく観察すると、そのほぼ全員が中1生のbe動詞一般動詞がよく分かっていません。中2中3で習う文法が分からないのではなく、中1英語が分かっていないのです。こういう場合、思い切って今習っている内容を一度ストップして、プライドを捨てて最初からはじめてみることです。

言語能力不足だからできない

教科書を読んでも理解できない、解説書の意味が分からない、そもそも問題文に何を書いているのかが分からないというのは、その科目の知識や演習が不足しているのではなく、全ての科目の礎となる言語能力が弱いことに原因があります。勉強はしている、きちんと知識もある、練習もした、けれども問題が解けないという場合の多くがこれにあてはまります。

この言語能力不足は一番厄介なタイプで、言語能力は訓練ですぐにメキメキと向上していくものではありません。幼少期からの言語に対する環境にも左右されます。

能力不足だからできない

これを言ってしまえば元も子もないかもしれませんが、実際の問題として個人の持って生まれた能力差は存在します。なんでもかんでも努力でカバーできるのなら、全員東大にでも行けてしまうでしょう。能力の限界は、それが遅いか早いかの違いだけであって、いずれ誰にでもやってくることです。算数を例にとっても、小学生の算数で能力の限界にぶち当たる子、中1生の方程式の段階で分からなくなる子、数1Aの段階で挫折する子、高2の微分積分でダメになる人など、ほとんどの人は何かしらのポイントで能力の限界にぶち当たってしまうのです。

ただ、「能力不足だからできない」と諦めてしまう前に、そのできない原因が本当に能力不足によるものなのかをよく分析してほしいと思います。多くの人は、いとも簡単に「能力不足」のせいにします。できない理由を、能力不足のせいにしてしまうのが一番簡単で楽だからです。でも、本当は能力不足ではなく、練習不足だったり基礎不足だったりと、まだまだ何らかの対処の方法があることがほとんどです。

本当の意味で「能力不足です」と言えるところまで行き着いた人は、実は非常に少ないのです。

まとめ

自分がなぜできないのか、まずはその原因を客観的に分析することが大切です。原因が分かれば対処法が分かります。対処法が分かれば、できないことが減ってゆき、成績が上がっていくはずです。一番ダメなパターンは、できない原因を客観的に分析することなく、惰性で勉強を続けることです。もしくは、「気合いが足りないから」と精神論に行き着いたり、何でもかんでも努力不足のひと言で片付けてしまい、根本的解決には至らないことです。

人は誰でも、自分ができない原因をできることなら直視したくはありません。しかし、結果を残す人は、それがたとえ中学生でも、自分を直視し、客観的に分析ができています(例:「「太郎くん」の話)。

「できない」にぶちあたったとき、なぜ自分ができないのか、客観的に掘り下げられるかどうかです。