八期生卒塾式を終えて。祝辞。

2016年3月12日

今日、八期生の卒塾パーティー及び卒塾式を執り行いました。最近ブログもツイッターも更新できなかったのは、卒塾パーティーと卒塾式の準備に追われていたためです。あまり詳しく書きすぎると中2以下の学年に対してネタバレになってしまうのであまり書けませんが、うちの塾の卒塾パーティーと卒塾式はかなり手が込んでいます(自分で言うのもなんですが)。

8期生色紙

卒塾するまで、クリスマス会やハロウィンなどのレクリエーション的なものは一切排除し、「塾は勉強をするところ」という考え方を貫き通しています。つまり、唯一塾で行うレクリエーションが卒塾パーティー・卒塾式というわけです。今まで通ってきてくれた塾生への労いと、うちの塾を信じてお子様を預けてくださった親御様への感謝の意味を込めて、この唯一のレクリエーションに全力を注いで準備をしています。

今日の八期生の卒塾パーティー・卒塾式も、笑いあり涙ありの賑やかで温かい感動的な式になりました。卒塾式で泣かないという毎年の自分への目標は、今年も残念ながら達成できませんでした。受験期間中は、きっと家族よりも長い時間を一緒に過ごし、その成長ぶりを一番間近で見てきた中3生たちと、その保護者様が一同に会する場で、一人ひとりの卒塾証書を読み上げて手渡す時、それぞれの生徒が入塾してきた頃からの思い出が走馬灯のように頭を巡り、嫌でも涙腺が崩壊しそうになります。

毎年思います。受験期間に、本気でぶつかり合い、最後まで全力で戦い終えて無事この塾を卒業していく瞬間、私たち講師と生徒は、それまでの「先生と生徒」という関係ではなく「仲間」になります。一緒に目標に向かって戦った「同士」になるのです。

今日も11人の同士達が、この塾を卒業し、それぞれの道への第一歩を歩み始めました。もうこれからは「先生と生徒」の関係ではないので、彼らに教えられることは何もありません。しかし「仲間」として、時には相談に乗ったり、時には支えてあげられることはできます。もしも、それぞれの道で迷ったり、立ち止まったりすることがあれば、中学生の頃頑張った自分に会いに、そして仲間と話をしに、ふとこの塾を訪れて欲しいと思います。

最後に、今日の卒塾式で述べた祝辞を書き起しておきます。

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祝辞

みんなの前に立って話すのはこれで最後になりました。だから今日は、正直なことを言わせてください。

正直に言います。八期生は弱い学年でした。
授業中の声も小さいし、ハキハキ話さないし、面談をしてもお母さんの横でモジモジしてお母さんだけが話していて、誰の面談なのか分からない。そんな姿勢に何度じれったく感じたからわかりません。本当に入試を迎えられるのだろうか。受験会場で一人で戦うことができるのだろうかと、いつも不安でした。

正直に言います。八期生は不器用な学年でした。
一を聞いて十を知るという言葉がありますが、八期生は見事にその逆でした。十を聞いて一を知る。そして残念なことに、その三日後に一を忘れる。何度も何度も繰り返しやらなければできるようにならない現実に、何度焦りを感じて、何度胃が痛くなったのか分かりません。でも、そのような現実に対して、一番辛かったのは、そして一番胃が痛くなったのは、まぎれもなく君たちでしょう。

正直に言います。八期生は素直な学年でした。それはもう、泣けてくるほどに。
英語ができないからと、土曜日に毎回英語の勉強をしに来なさいと一度交わした約束を、それから一度も破ることなく受験直前まで続けたり、ラジオの基礎英語を聞きなさいと言ったら、苦手な早起きをして毎朝聞き続けたり、英語の長文音読や10問テスト・文法特訓を毎日繰り返しなさいと言ったら、毎日忘れずにやるようになったり。不器用で弱小の学年だったけれども、その素直さは歴代でもピカイチでした。

八期生は強くなりました。
あんなに弱々しかったのに、受験が近づくにつれ、だんだんと強く、たくましくなっていきました。頑固なまでに志望校に固執したり、自分に甘かった子が自分を追い込むために高い目標を追い続けたり、毎日長時間の勉強を平気でこなすようになったり、勉強を楽しんでやるようになったり。何度も叱り飛ばしても、歯を食い縛りながらも食らい付いてくる強さがありました。面談のとき、お母さんの横であんなにモジモジしていたのがウソのように、面接練習のときには大きな声を出して、ハッキリと堂々と、自分の思いを自分の言葉で伝えることができていました。君たちの強くなった姿を、堂々とした姿を、今うしろにいらっしゃる親御さん型に是非見ていただきたかった。そして、言いたかった。

「本当に、立派なお子様をお持ちですね。」と。

弱くて不器用な君たちが、素直さを武器に、受験を通してだんだんと強く成長していく姿を、誰よりも近くで見られたこと。そして掴んだ全員合格を、皆と一緒に喜び合えたこと。私は、本当に幸せ者です。

本当に、本当に手がかかる学年だったけれども、子どもは手がかかるほどかわいいと言います。

正直に言います。今は、八期生がかわいくてしかたありません。
卒塾していくのは寂しいです。でも、進学先の高校で、また一段と強く成長していった姿を、時々見せに来てください。

私はずっと、この場所で待っています。

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