トップ校を志望しているなら、夏の間に絶対にやっておきたい勉強内容(数学編)

2014年7月4日

そろそろ夏が近づいている。うちの中3生もようやく受験生モードに入っていて、ここ最近は授業がない日も毎日塾に来ては自習や受験対策の復習をしている。意欲溢れる受験生なら、夏の勉強計画をぼんやりと立て始めている頃だろう。そんな受験生のために、今日はトップ校志望者に贈る、夏の間にやるべきこと(数学編)を書いてみたい。

最初に

神奈川県の入試数学は、例年大問7問で構成されている。その内訳は、計算、小問、関数、確率、方程式(or式の証明)、空間図形、平面図形(図形の証明)となっている。一度過去問に目を通してみると、それぞれの大問の出題形式がより理解できるだろう。

公立トップ校志望者が夏の間に取り組んでおくべき単元は、優先順位の高い順番に言うと、ズバリ関数→確率→方程式→平面図形だ。

まずは何が何でも関数を攻略せよ

優先順位の一番目は「関数」。なぜ関数が夏に勉強する優先順位1位にあげられるのか。その理由は、「トップ校志望者なら、入試数学で関数の問題での失点は許されない」からだ。

神奈川県の公立入試の関数は、ほとんどが中3で学ぶ「2乗に比例する関数」がメインに出題されている。複雑にグラフが交差している関数の問題は、一見難しそうに見えるかもしれない。しかし、関数というのは、解法パターンや出題形式が限られていることから、実は非常に解きやすい単元なのだ。数少ない解法パターンやコツさえおさえれば、あとは類題演習の繰り返して、数学が苦手な人でもそれほど苦労なく解けてしまう。こういう単元の性質上から、トップ校受験者であれば、関数の問題が全問正解できて当たり前なのだ。つまり、「ほとんどの人が全問正解する関数での失点=数学の点数を大きく下げる原因」となる。

関数を攻略するためには、中1内容の比例反比例と、中2内容の一次関数の基本の徹底が必須だ。比例反比例や一次関数のグラフの式の作り方さえ分からないという人は、夏の間に是非学校の教科書やワークを引っ張り出して、隅々まで復習しておこう。また、塾や予備校では、夏期講習で中3内容の「2乗に比例する関数」を扱うところが多いハズ。塾や予備校の夏期講習を申し込んでいる人は、夏期講習が始まる前までにはこれらの復習を済ませておかないと、授業が分からずせっかくの講習が無駄になる恐れがある。

できれば、夏期講習などで2乗に比例する関数を先取り学習し、夏までに神奈川の公立レベルの関数の問題は全て解けるように仕上げておこう。ちなみに、うちの夏期講習でももちろん、2乗に比例する関数を入試レベルまでキチンと完成させる。

確率を入試レベルまで仕上げよう

優先順位2番目は、中2内容の「確率」。関数と並んで、確実に点を取っておきたい単元の一つだ。しかも、確率は中3では習わないため、今の時点で入試レベルまで解ける数少ない単元である。

確率の基本をおさえることは然程難しくない。基本レベルであれば、確率の復習なんて3日もあれば終わるだろう。しかし、復習だけで終わっては解けないのが入試確率。入試確率で大切なことは、問題文をよく読んで、表を駆使して正確に数えること。夏の間に入試レベルの確率の問題をじっくりと解いて、入試確率の出題傾向に慣れておこう。

一次・連立方程式の典型的な文章題を解けるように

優先順位3番目は、一次・連立方程式の文章題。神奈川県入試数学では、これまで一次・連立方程式の文章題はほとんど出題されてこなかったのだが、今年度の入試でいきなり連立方程式の速さの文章題が登場した。やたらと文章が長いだけで難しい問題ではなかったが、これまで出題されたことがなかったので、勉強不足で解けなかった受験生が多かったことだろう。

今年出題されたからと言ってまた来年度も出題される保証はないが、何が出題されても良いように準備をしておく必要はある。しかも、方程式の文章題は、基本的な問題の解法パターンをおさえておけば、それを応用して解けるような問題がほとんど。いきなり入試レベルの問題を解く必要はないが、まずは学校のワークレベル、一般的な塾のテキストにあるような典型的な文章題を夏の間に解けるようになっておくことが必要だ。

図形の証明の復習

まだ余力が残っているのなら、中2で習った合同や平行四辺形などの図形の証明問題も夏の間に復習しておくといい。方程式同様、これも基本的なパターンの証明問題だけでいいので、まず完璧にマスターしておくこと。トップ校を志望しているのなら、中3の夏に、三角形の合同条件、直角三角形の合同条件、平行四辺形などの定義定理、平行四辺形になるための条件などの基本事項が一つでも抜け落ちているレベルで失格。まずはこれらの基本事項をしっかりと頭に入れ、証明問題で使いこなせるようになることが重要。

夏の間にやる時間がなければ、図形の証明は、中3で相似の証明を習ったときに一緒に復習するのも、アリっちゃアリ。

まとめ

数学は出来るところから早めに仕上げておくことが重要だ。入試数学の最大の関門は、何といっても空間図形にあるのだが、空間図形を学校で習うのは12月や1月になってしまう。塾に行っている場合はもう少し早めに習うが、それでも10月や11月くらいになることがほとんど。そこから冬の追い込み時期にかけて、空間図形を仕上げていかなければならないので、他の単元をやっている余裕がない。

しかもトップ校狙いなら、空間図形は一番差がつく単元だ。冬の追い込み時期に、空間図形をじっくりと取り組む時間を残しておくためにも、できるところからどんどん仕上げていくことが大切だということを覚えておこう。