私がテスト職人と化しているワケ

2012年11月13日

詳しく数えたことはないが、私は1年間に1000枚以上のテストを作成するほどの「テスト職人」である。11月は定期テスト月間の時期で、毎日のように勉強会をしているのだが、生徒がせっせと勉強している横で、せっせと単元テストを作り続けている。塾の使用テキストの付録としてついてくるテストもあるにはあるのだが、基本的にあまり使わない。自分の担当科目は英数理だが、特に数学と理科に関しては、塾で使用するテストは全て自分で作ることにしている。

塾講師の仕事は「教えること」と思われているだろうが、仕事全体として見ると、実は「教えること」の割合は意外に少ない。事務的なことを抜きに言えば、塾講師の仕事は「教えること」の他に、「チェックすること」、「観察すること」、「成績や学習計画等を管理すること」、「良問を選定し、与えること」などがある。塾講師たるもの、「教えること」のクオリティーは高くて当然。しかし、実は「教えること」以外の仕事のクオリティーが、生徒の成績に直結すると自分の経験から断言できる。

付属品のテストを使わないのは、そのクオリティーが低いから。付属品のテストは、どんなレベルの生徒が受けても良いように、だいたい可もなく不可もなく作られている。その単元の標準的な問題が解けるかをチェックすることくらいはできるが、そのテストを完璧に解けるようにするだけで力が付くようには作られていない。

私が作るテストは、ただのチェックするためのテストではない。それ1枚を解ききることでしっかりと実力が付くように、過去問等を研究し尽くした上で良問を選定し、塾生の実力のレベルと目指す志望校のレベルに合わせて作成する。生徒が50分程度で解くテスト1枚を作るのに、その2倍3倍の時間を割いて作ることもしばしばだが、生徒の実力向上に直結するテストに対して、手間隙かけることは一切惜しまない。こうして、既製品ではなく手間隙かけた愛情たっぷり手作りテストを生徒に解かせることで、実力の底上げをはかっているのだ。

また、テストを全て手作りすることで、自分の講師としての実力も確実にアップする。良問を選定する目も養われるし、生徒がこのレベルの問題を解けるようになるにはどうすれば良いかを常に考えることができる。教え方が上手な塾講師は得てしてテスト作りも上手いのも、このためだろう。