中学生活での、よくありがちで非常に危険な4つの勘違い

2018年4月17日

この春、新しく中学校に入学した新入生とその保護者の方に対して、「中学生活でのよくありがちで非常に危険な4つの勘違い」をQ&A方式でまとめておきました。

毎年、都市伝説並みの変な噂をいとも簡単に信じ込んでしまう人がいます。噂話にはくれぐれも惑わされないように。

部活に入らないと内申書に響くんでしょ?

まだまだいらっしゃるんですよね。何十年前もの話を平気で持ち出してくる人。

神奈川県公立入試に限っては、部活動の加入の有無が内申書に響くということはありません。加入の有無どころか、部長副部長のような役職や、県大会何位とか全国大会出場のような実績も、入試において加点されるということはありません。

部活動の継続や役職、実績が入試で加点されるのは、私立高校です。スポーツ推薦枠を設けている私立高校の場合、もちろん部活動の実績は入試に影響を及ぼしますが、スポーツ推薦枠ではなく一般の枠での入試の場合、部活動での加点はそれほど大きくはありません。そもそも一般的な私立高校の場合、部活動に入っているいないかかわらず、各高校の学校成績の基準点に達していたら普通に合格します。

参考:神奈川県限定。意外と知らない併願私立高校の入試システムをズバッと解説。

なので、スポーツ推薦枠を狙っているのではない限り、部活に入っていないからといって、入試に影響するとか内申書に響くということはまずあり得ないので安心してください。

「部活をやめると内申に響く」という都市伝説を信じ込んで部活を辞めることを躊躇する子もいますが、部活を辞めようが続けようがそもそも帰宅部だろうが、全く入試に影響はありません。

5段階の通知表での「3」は普通ってことでしょ?

いいえ。

もしかしたら普通よりも下という可能性もあります。逆に、「5」がついているからその科目は安心ということも言えません。

親の世代の相対評価の通知表と違って、今の中学生は「絶対評価」で成績が付けられています。絶対評価なので、極端な話、基準を満たしていれば全員「5」だって良いのです。

参考:実はこんなにも違う・・・中学別の内申点の割合(注意:2012年の記事なので、入試の基準等の情報は古いままです)

上の過去記事のように、各学校によって、また同じ学校でもその教科の先生によって成績のつけ方には差があります。「5」をもらう子が学年の数パーセントのような希少な学校の場合であれば、「5」がついていることで安心できますが、学年の40%以上が「5」をもらっている場合、「5」はよくできる証でもなんでもありません。逆に、そのような科目で「3」がついてしまうと、「普通」どころか「めちゃくちゃヤバイ」ということになります。

ちなみに過去記事で紹介したような県内の中学校の評価の付け方に関する調査は、なぜか今から6年前のH24年で終わっているので、今の中学校の実態はわかりません(なぜこのような重要な調査を終わらせたんですか教育委員会さん。出したら都合が悪いからですか?)が、近隣中学校の様子を見ていると、

「5」→学力的にも態度や提出物にも問題がなく、よくできている
「4」→学力的にも態度や提出物も極めて普通
「3」→学力的または態度や提出物のどちらかに、何かしらの問題がある
「2」→学力的にも態度や提出物のどちらにも、極めて重大な問題がある
「1」→問題外

といった感覚だと思います。

英検や漢検を受けていれば、入試に有利になるの?

公立高校の場合、全く有利にはなりません。上に書いた部活動と同じく、検定を持っているからといって加点されることはありません。

これまた部活動と同じように、私立高校の場合は準2級や2級以上であれば、若干加点されることもありますが、先ほども書いたように、私立の場合は成績があれば間違いなく合格するので、検定による影響は微々たるものです。

その他には、学級委員や生徒会役員のような役職も同じです。公立高校の場合は何の加点もありません。

定期テストで8割や9割くらいの点数をとっていれば入試でも安心ですよね?

いいえ全く。

定期テストで8割や9割近くの点数をとっているからといって、入試でもそれくらいの点数がとれる実力があるというのは大間違いです。

定期テストと入試の問題の質や範囲は全く違います。定期テストでは、ほぼ直前の暗記がモノを言いますが、今の神奈川の公立入試では暗記はほとんどの場合役に立ちません。暗記しているのは当然で、その知識の使い方、活かし方が大切になります。

定期テストと入試を同列に考えない方が良いです、絶対に。実力があるかどうかは、定期テストではなく、学力テストや入試模試などの点数で判断してください。