人を変える、「空気」の力。

授業が好きでこの仕事をやっていますが、なかでも12月から2月までの期間の中3生の授業が一番好きです。

この時期の中3生は、授業を受ける姿勢から目付きまで、それまでとは何もかもが変わります。授業内容を少しでも聞き漏らすまいと懸命に耳を傾け、メモをし、まるで乾いたスポンジのように全てを吸収しようと全身全霊で授業を受けます。ダラーっとした雰囲気がまるでなく、ピリッとした緊張感が心地良く教室を支配しているこの「空気」は、この時期の中3生の教室ならではのものです。

11月後半から中3生の週5日通塾が始まって3週間。水・金・土のレギュラー授業に加え、火・木も自習のために塾に来ますが、この中3生が自習にくる火・木の自習室の「空気」も、非常にピリッとしていて心地良いです。志の低い人は、この自習室に入るのも躊躇してしまうでしょう。

このように、志の高い人間がその場のマジョリティーになると、場の「空気」がプラスの方向に変わリます。

今の中3生の教室や自習室のような、ピリっとした心地良い緊張感のある「空気」の中にいると、大変なことでさえもそれほど大変とは感じません。実際に、今の時期の中3生は、中1中2生から見たら「大変な努力」をしていますが、当の本人たちは「自分たちは大変な思いをして、めちゃくちゃ努力しているんだ」とは感じていないだろうし、むしろ中1中2生よりも良い表情をして勉強をしています。

「空気」ほど人を動かすものはない、と常々思います。

ダラーっとした雰囲気の悪い「空気」が漂うチームに所属すると、みるみるやる気は削がれていき、あっという間に自分の態度もだらけてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。良い空気に触れれば人はその良い空気を真似るし、悪い空気に触れれば人はその悪い空気を真似る。『空気にのまれる』という言葉があるくらい、人はその場の空気に簡単に左右されます。

だからこそ、私は自分の塾の「空気」に人一倍敏感です。「緊張感がありますね」とうちの塾に見学に来られた先生におっしゃっていただくことが多いですが、意図してそういう空気を作り出しています。ダラーっとした澱んだ空気が支配する教室は、いくら良い授業をしたところで、いくら大量の課題を出したところで、ほとんど結果は出ません。

塾を選ぶときでも学校を選ぶときでも、何か自分が所属する場所を選ぶときは、良い「空気」が流れている場を選ぶようにしましょう。友人関係も同じです。良い空気が流れている友人のグループに身を置きましょう。悪い「空気」が漂う空間や組織・チーム・友達には寄り付かないこと。いくら自分がしっかりしていても、あっという間にのまれてしまいます。

受験生の保護者様の「親にできることはありますか」という質問に対して、一つ付け加えるのならば、良い家庭の「空気」を作ってくださいということでしょう。明るく寛げる空気。未来を前向きに捉えられる空気。マイナス思考ではなくプラス思考の空気。そういう空気を作ってください。

うちの塾の中3生に話を戻します。
中1生の頃から、いや、小学生の頃から、学力が低くて問題だらけの学年でしたが、ここにきて非常に良い「空気」になってきました。その空気に触発されて、多くの生徒が変わろうとしています。とても良い傾向です。

中2生や中1生は、中3生が自習室にいるときに一緒の空間で勉強してみましょう。きっと、空気の力でいつもよりも勉強が捗るはずです。

(12月号慧真ニュース「塾長のつぶやき」より加筆修正)

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