国公立大現役合格に圧倒的に強い柏陽の、良い意味での「尖らない」校風。

今日は横浜市栄区にある柏陽高校を訪問してきました。

今年で創立50周年を迎える柏陽高校は、県内公立高校の中でも比較的新しめの学校ながら、横浜翠嵐・湘南に次ぐ大学進学実績を誇る、県内屈指の進学校です。

小田原市にあるうちの塾からは、距離的な問題でなかなか候補には上がりにくい高校ですが、本郷台駅から歩いて5分程度の場所にあるので、小田原駅から1時間で通えます。面倒なバスへの乗り換えもなく、駅から高校までの道も平坦で、しかも乗り換えも1回です。実は、同レベルの厚木高校と比較しても、小田原駅からの所要時間はそんなに変わらないということが分かりました。ちなみに、小田原からだと、藤沢市にある湘南高校よりも所要時間はかかりません。やっぱり実際に足を運んでみないと分からないことがたくさんありますね。

柏陽高校初潜入レボートということで、井坂校長先生、進路指導担当の熊澤教諭にお話を伺ってきました。

柏陽は現役に強い!3人に1人が国公立大に現役合格。

まず特筆すべきは、国公立大学への合格実績だ。今春は、卒業生314人中104人が国公立大学に合格したとのこと。割合にすると、全卒業生の33%になり、3人に1人は国公立大学に現役で合格していることになる。

他の高校と今春の現役国公立合格者を比較してみても、湘南高校が355人中98人で27.6%、厚木高校が352人中94人で26.7%と、柏陽の33%は頭一つ抜き出ている。圧倒的な現役国公立合格実績を誇る横浜翠嵐の43%にはさすがに及ばないものの、神奈川県の公立トップ校の中でもこの実績はかなりのものだ。

柏陽のカリキュラムを見ても、2年生まで全員数ⅡBや古典が必須科目となっていたり、2年生での選択科目が化学or歴史だけだったりと、国公立大への進学を強く意識したものになっている。

「入学の時点では、ほぼ全員が国公立大への進学を希望している。だったら、33%で満足するのではなく、将来的には40%、50%まで増やしていきたいと思っています。」と井坂校長はおっしゃっていた。

また、国公立大への実績もさることながら、柏陽は全体的に見ても非常に現役に強い。今春の4年生大学進学率は80.9%とのことで、浪人する割合が20%を切るという。「浪人が当たり前」の傾向がある神奈川県公立トップ校の中で、これだけ浪人する生徒が少ない高校も珍しいと言えるだろう。

部活に学校行事に勉強に、何事にも全力投球!

「柏陽生は、とにかく真面目で穏やかな子が多いのが特徴。部活も学校行事も勉強も、全てに全力投球します。」と、校長先生と熊澤先生は2人とも口を揃えておっしゃった。

体育祭、文化祭、合唱祭の3つが柏陽の三大行事だという。体育祭と文化祭は隔年実施の高校が多い中、2つとも毎年実施する高校も珍しいのに、その上合唱祭まで行われるという。

加えて、部活動の加入率は92.9%と、ほぼ全員が何らかの部活動に加入している。一部のトップ校では部活動に制限をかけているところもあるが、柏陽は最終下校時間以外は特に何の制限もないとのこと。

「柏陽高校の生徒は何かと忙しい毎日を送っていますが、その分とても充実しているようです。」と校長先生はおっしゃった。

横浜翠嵐や湘南と何かと比較される柏陽高校。横浜翠嵐は勉強色が強く、湘南は学校行事や部活動に力を入れていて、2校とも強烈な個性がある。翠嵐・湘南と柏陽との違いは、良い意味で「尖がっていない」ということかもしれない。部活も学校行事も勉強も全力で頑張る、いわゆる「昔ながらの公立トップ校の生徒」が柏陽高校にはある。素直でスレたところがなく、何事にも全力投球をする頑張り屋の生徒が多い穏やかな校風こそ、尖った2校にはない柏陽の最大の魅力と言えるだろう。

入試に関すること

次のH30年度の入試から、柏陽が今まで続けてきた傾斜配点をやめ、5教科の得点がフラットになる。

校長先生曰く、「5教科がフラットになったということは、中学レベルの勉強は、英数国理社のどれもが全部できて当たり前というメッセージと受け取ってもらって良い」とのこと。

中学レベルの勉強は全部できて当たり前ー。

このメッセージは、柏陽の特色検査の内容にも強く現れている。柏陽の特色検査は、特定の科目に偏ることがなく、全ての科目に関する問題がほぼ万遍なく出題されている。横浜翠嵐の特色検査ほど難解でもなく、また湘南ほど論理と思考に偏ったものでもない。また、厚木の特色検査ほど、英語と理数というようにパキッと科目が別れていることもない。

毎年特色検査の分析をしているが、個人的に一番好きなのが柏陽の特色だ。簡単すぎず難しすぎず、普通の中学生でも無理なく解けるレベルで、各教科万遍なく出題されている(やや文系寄りな印象はあるが)。学力重視の問題ではあるが、共通入試の問題とはきちんと一線を画したものになっている。

参考:H28年度柏陽高校特色検査研究と分析:個人的には今年の特色No.1は柏陽!全てがちょうどいい。

特色検査でも、他の高校のように決して尖らず、すべての科目の基本、思考の基本を問う。まさに、柏陽の校風にピッタリな問題と言えるだろう。

まとめ

今日の訪問まで、柏陽高校に対して、「柏陽=理系」、「柏陽=遠いから小田原からは無理」、「柏陽=横浜翠嵐湘南の受け皿」という何とも勝手なイメージを抱いていたが、実際に訪問してみて、そのイメージはすべて裏切られることとなった。

ブランド私大への進学や指定校推薦でのラクラク進学を目指すのではなく、無骨に、がむしゃらに、国公立を現役で目指す生徒の姿。勉強一辺倒ではなく、学校行事に部活動にと、毎日を忙しく過ごす生徒の姿。柏陽高校は、多くの公立トップ校が失いつつある、そんな「昔ながらの公立トップ校」の雰囲気を今も強く残している。

真面目で力のある生徒にはかなりオススメの学校です。小田原駅からだと、厚木や平塚江南まで通うのとあまり通学時間が変わりません。将来国公立大を目指す小田原市内の中学生も、選択肢の一つとして一度高校見学に行かれてみることを強くオススメします。