【神奈川県公立入試】飛躍的に力が付く数学関数10年分チャレンジ!

2017年11月12日

神奈川県公立入試の数学の受験対策で、ほとんどの人がまず最初に取り組むだろう大問が「関数」。入試制度がどう変化しても、難易度がどう変わっても、関数だけは出題傾向もほとんど変わらず、毎年毎年出題されている。

少し前は関数は点取り問題ばかりだったけれど、最近は関数でも難しい問題が増えてきていて、なかなか満点を取りにくくなってきている。そうは言っても、トップ校を目指している受験生は、是非とも関数で点数を稼ぎたい。

ということで、今日のブログ記事は、過去10年間分の関数の問題の解くべき順番と、学ぶべきポイントを挙げてみる。受験勉強とっかかりの関数対策として、是非参考にして欲しい。

1番目 2010年問3 難易度:★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/10/kgw/kgw/kgw-su/su2.html
2010年の関数は基本的な面積の出し方を学べる超基礎問題。とりあえず△AEFと△BCDの面積を求めてから簡単な比に直すというオーソドックスな解法で解いたあとは、面積を出さずに面積比だけで解く解法(「ひらめきは天からの贈り物ではない。ひらめきの正体と鍛え方。」参照)も考えておこう。

分かりにくいだろうから解説してみたよ!

簡単だけども面積比で解く方法も学ぶと良問になる。

2番目 2008年問3 難易度:★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/08/kgw/kgw/kgw-su/su2.html
2008年の関数のウでは、関数における等積変形の基本が無理なく学べるので、最初のうちに取り組んでおきたい。

3番目 2014年問3 難易度:★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/14/kgw/kgw-su/su_2.html
2008年の関数を解いた後は、2014年の関数にチャレンジしよう。等積変形の類題なので、2008年と同じ考え方で解ける。等積変形はよく出てくるので、2008年と2014年の2年分で是非ともマスターしておきこう。

4番目 2011年問3 難易度:★


次は2011年の問3で、線分の比の出し方の基本を学ぼう。線分の比は神奈川の関数でも頻繁に出題されるが、2011年の問3は、補助線いらずで一番簡単に解ける。直線ADとx軸の交点をHとすると、△CHF∽△BAFとなるので、CFとFBの比はCHとBAの線分の比と同じだということに、すぐに気が付くように。

5番目 2009年問3 難易度:★★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/09/kgw/kgw/kgw-su/su2.html
2011年の次は2009年の問3。2011年同様、線分の比を求めるシリーズ。この問題は補助線が必要。先ほどの2011年と同じちょうちょ型の相似にするには、点Cからx軸に平行に直線CEと交わるまで補助線を引くといい。この問題で、補助線の引き方をマスターしておきたい。

6番目 2012年問3 難易度:★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/12/kgw/kgw/kgw-su/su2.html
次に取り組みたいのが2012年の問3。これは相似比と面積比の典型的な問題。2011年と同じように、△ABEと△OEFの相似比はABとOEで簡単に求められる。面積比は相似比の2乗なので、相似比が分かれば面積比もあっという間に分かるという仕組み。

ちなみに、このウの問題を点Eを求めてから△ABEと△OEFの面積を出すという方法もできるが、手間がかかるだけなのでオススメしない。というより、その解き方だと学びが無い。

7番目 2013年問3 難易度:★★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/13/kgw/kgw-su/su_2.html
2013年の問3も面積比の問題。2011年〜2013年まで3年連続で出題されている。この問題も△DEFと△DABが相似だということに気づくと、相似比から面積比が簡単に出る。四角形AEFBの比は△DABの比から△DEFの比を引けばいいだけ。

この問題も、△DEFと四角形ABEFの面積を求めてもできるのだが、あくまでも面積を求めなくても解けるということを学ぶこと。相似比と面積比で解くのなら、EもFも座標を求める必要はないので速攻解ける。

8番目 2017年問4 難易度:★★★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/17/kgw/kgw-su/su_3.html
2013年の次は今年の問題。三角形ACEを二等分する問題で、普通に考えれば三角形の二等分線の解き方かなと思うだろうけど、これは線分の比と面積比で考えた方が簡単。言葉では説明しにくいので、解説してくれている動画を貼っておきます。ちなみに、この動画に登場する人と私は何の関係もありませんし、これは私ではありません。

正直言って、この解説動画の解き方は、塾できちんと習っていない人には厳しいと思う。まず自分で思いつかない。でも、少し手間はかかるけれど、実は基本となる考え方の等積変形を駆使しても解ける。余裕のある人は、等積変形でもやってみよう。面白いから。

9番目 2015年問3 難易度:★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/15/kgw/kgw-su/su_2.html
9番目は2015年。最後に持ってきたけれど、関連がないだけで考え方は超基本だし簡単な問題だ。2015年は平行四辺形を二等分する直線について。今まで出てこなかったタイプの問題だが、二等分線は基本なのできちんとマスターしておく。平行四辺形を二等分するには、平行四辺形の中心(2本の対角線の交点)を通る直線を引けばいいだけ。

三角形の二等分線も、頂点を通るバージョン、頂点を通らないバージョンの2つともきちんと確認しておくように。

ラスト 2016年問3 難易度:★★★


http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/16/kgw/kgw-su/su_2.html
ラストは2016年の問3。これも何通りか解法がある問題だけれど、中学生が思い付く基本的な解き方は方程式で解く方法。点Eの座標を文字で表して、△ACEの面積と△CDEの面積をその文字で表し、方程式を立てる。座標を文字で置いて方程式に持っていくのは、独自入試の頃の関数で流行ったパターン。難しいというわけではないけれど、自分で解けるようになるにはある程度練習が必要かも。

まとめ

公立高校を目指す受験生のための過去問活用術」の記事でも書いたけれど、過去問はだらだらと年度別にやるべきものではない。その役割は模試で十分だし、年度別で解いたところであまり力はつかない。

特に数学の過去問は、年度別ではなく関数、空間、確率などの単元別でやるべきだ。しかもいくつかの問題パターンが分かれる関数は、2017年度から順番に解くのではなく、このようにパターン別に解いていくほうが力が付きやすいかなと思ってこの記事を書きました。

うちの塾では、冬期講習で、各設問の10年分チャレンジシリーズに過去の独自問題や最近の全国入試を交えたものをやります。10年シリーズをやる前とやった後では、数学の点数が飛躍的に上がります。

皆さんも10年チャレンジ、お試しあれ。