受験勉強の効率を上げる「ルーティン化」という考え方。

2015年12月9日

12月も中旬に差し掛かり、受験勉強も本格化してきています。うちの塾生の合格手帖をチェックしていると、土日に1日8時間以上受験勉強に費やしている生徒も増えてきて、ようやくお尻に火が付いてきたようです。

ただ、一生懸命勉強しているのは良いものの、1週間で同じ科目ばかり勉強していたり、そこまではいかなくても特定の科目に偏り過ぎていたりと、どうも上手く勉強時間を割り振れていない生徒も目立ち始めてくるようになりました。

そこで今日は、受験勉強を進める上で、かなり有効となる「ルーティン化」という考え方について書いてみたいと思います。

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基礎基本をルーティン化する

最近、中3生には毎回のように「数学の10問テストを毎日1枚ずつ必ず解きなさい」と口酸っぱくして言っています。10問テストとは、うちの塾の全学年で使用しているオリジナルのテストで、計算〜応用までの10問を10分〜15分以内で授業開始時に解いているものです。

サンプル:中3生12月2回目10問テスト

10問テストには、基本的にパターン演習の反復で習得可能な問題や、今の中3生が弱い単元の入試問題を中心にして出題しています。これを毎日1枚ずつ反復練習することで、数学のパターン問題に素早く正確に対応する力が付きます。数学の基礎演習は、まとまった時間に何時間も取り組むよりも、少しずつでも毎日取り組む方が勉強の効果は高くなります。

数学の他にも、リスニング対策としてラジオの基礎英語講座を毎日聴くこと、英語の長文に慣れることとして長文読解を1日1つずつ読む(解くのではなく読む)ことを勧めています。これらも、立派なルーティンの勉強です。

基本的に毎日ルーティン化する勉強に相性が良いのは、英数国などの基礎基本です。それも、リスニングや長文、計算演習や漢字演習など、毎日継続してやらないと勉強の成果が出にくいものが適しています。逆に、理科や社会、また数学の基礎基本以外の問題は、日々のコツコツとした短時間のルーティン化でやるよりも、まとまった時間に時間をたっぷりと使って勉強した方が効率が良いでしょう。

毎日決まった時間に決まったルーティンをやる

毎日やるルーティンの内容として適したものを挙げてみます。
【毎日のルーティンとして適した勉強】

  • 数学の基礎問題
  • 英語のリスニング
  • 英語読解問題
  • 英単語や熟語暗記
  • 国語の漢字

この中から自分に適したものや必要なものを2つ3つほど、毎日のルーティンとして取り入れましょう。先ほど理社はルーティンには向いていないと言いましたが、たとえば社会の年号暗記などは、ルーティンとして取り入れても良いかもしれません。

毎日のルーティンを決めたら、今度はそれをやる時間も固定してしまいましょう。毎日朝起きたらすぐに歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同様、毎日同じ内容を決まった時間にやることを習慣化した方が、勉強に取り組むまでの負荷がかからなくなります。

参考:勉強のやる気を出すことよりも、ルーチン化することの方が大切だと思う。

たとえば朝起きて朝食までの間にラジオのリスニングに取り組む、学校から帰ってきたらすぐに数学の基礎問題(10問テスト)をやる、夜寝る前に英語の読解問題を1つ読むなど、やる内容と時間を決めたら、毎日必ず取り組むようにしましょう。

各曜日のルーティン化

毎日のルーティンとは別に、各曜日のまとまった時間に何をやるのかということも、ある程度決めてしまった方が勉強ははかどります。たとえば、毎週月曜日の夜は英文法を1単元復習する、火曜日には理科・・・というように、各曜日の自分の学習パターンを決めてしまうのです。

各曜日の学習パターンをルーティン化することの最大のメリットは3つあります。

まず1つ目は、「今日は何をしよう?」と考えなくてもよくなるということです。何をするのかを決めるのは、意外にも時間がかかります。旅行や食事なんかもそうですね。何を食べよう、どこに行こうと悩んでいる時間の方が長かったりします。勉強でも同じことです。

2つ目は、各教科のバランスをある程度保ちながら勉強できるということです。うちの塾生でもよくあるのが、気が付けば1週間ずっと1科目ばかり集中的にやっていて、他の科目を全く勉強しなかったというパターンです。もちろん、特定の科目が弱すぎて、1週間ずっとその科目ばかり集中する週があっても良いかとは思いますが、あまりにも偏り過ぎた勉強は危険です。曜日ごとに何をやるかを決めておくと、意図しないうちにアンバランスになることを避けることができます。

3つ目は、行き当たりばったりの勉強をしなくなるということです。受験勉強で避けなければいけないのは、行き当たりばったりの勉強を無計画に繰り返すことです。各曜日で何をするかをある程度決めておけば、ある程度計画性を持った勉強ができるようになります。

土日はあえてルーティン化しない

ただ、一点気をつけておきたいことは、1週間をガチガチにルーティン化しないということ。受験勉強は、ある意味で流動的です。時期によって、または模試の点数によって、勉強しなければいけない内容や時間をかけなければいけない科目が変わってきます。そのような流動性にも対応できるように、土日はあえてルーティン化しないということをオススメします。

まとまって勉強できる土日に、各曜日でやり残した内容や、集中的に勉強しなければならない単元や科目を勉強しましょう。その際、週毎の目標を決めておくと良いでしょう。「今週は歴史の強化週間」、「今週で理科のこの単元の全国入試を解きまくる」、「今週は数学の証明問題をやる」など、何でもいいです。毎週そのような目標を立て、土日はその目標に対して集中的に取り組みましょう。

まとめ

受験勉強は、ルーティンとして毎日継続してやる勉強と、1週間ごとに大きなテーマを決めて流動的に勉強することをバランス良く繰り返していくと、計画的に勉強ができるようになります。

受験勉強というのは、結局同じことの繰り返しです。毎日のように、何か目新しい斬新な勉強方法を模索してばかりの人は、結局受験に失敗してしまいます。決まりきったことをコツコツと、どれくらいの精度でやっていくか。また、入試本番当日までに、どれくらいの精度で各科目を仕上げているかということが大切になります。