中3生の模試の偏差値が1下がってしまいました:国語力が乏しい中3生への、これからの勉強法アドバイス

10月の入試模試が返却されました。8月最後に実施してから2ヶ月ぶりの模試でしたが、残念なことに8月模試と比べて団体偏差値が64から63へ1ポイントダウンしていました。点数の伸びしろと志望校とを考えると、ちょっと(いやだいぶ)マズいなと思われる生徒がたくさんいます。

一番の原因は国語力

現中3生が最も得意な科目は数学でしょうか。今回の10月模試も、数学の塾内平均点だけ83点と、80点を越えています。逆に、このブログでも何度も指摘してきたように、中3生の最大の課題は国語です。恥を承知の上で公開しますが、今回の模試の国語の塾内平均点は60点です。県平均点の51点から考えても、これはヒドすぎると言っても大袈裟ではありません。

中3生の国語力が極めて弱いのは十分承知していました。私は彼らに国語を直接教えていませんが、塾生の国語力のあるなしは、国語を教えていなくても十分把握することができます。

今まで塾で小中学生を見てきた経験から言うと、

  • 会話中の文に主語が欠落していたり、結論(言いたいこと)まで全て言い切らないことが原因で、何を言いたいのかがよく分からない。
  • 授業中にあててもボソボソと話し、こちらが耳を一生懸命すまさないと何を言っているのか聞き取れない。
  • 語彙力や一般常識に乏しく、ニュースにも疎い。
  • 三者面談に来ても、当の本人がほとんど話さない。たまに話しても、言葉を発するまでに非常に時間がかかる。
  • 読書経験が少ないか、非常に偏りがある。

この4つに当てはまっている塾生のほとんどは、国語ができません。そして現中3生の塾生のほとんどが、見事にこの4つ全てに当てはまっているのです。

今後考えられる最悪の状態

国語はまるでガン細胞

国語ができない生徒の怖いところは、国語はまるでガン細胞のように、現在健康な他の科目にも影響をじわりじわりと及ぼしてくることです。国語以外の他の科目ができなくても、その科目を集中的に勉強することで、他の科目にまで大きな影響を及ぼすことはありませんが、国語となると話は違ってきます。

国語的要素の強い科目ができなくなる

たとえば今比較的安定している数学も、実は細かく分析してみると、図形の証明になると途端に点数が取れなくなっている。証明問題は、論理的に物事を説明していくところから、どちらかというと数学よりも国語的要素が大きい単元です。英語も、日頃の文法特訓の成果もあって、文法はほとんど間違えなくなってきていますが、国語同様に読解の力が試される長文読解となると満足に点数が取れていません。ちなみに、国語の次に英語の平均点が低いのも、国語力が弱い学年の典型的なパターンです。

時間内に解き終われない

理科や社会も同様です。模試や入試問題の理社の問題は、定期テストや普通の問題集のように、一問一答のような形式ではなく、文字数の多いリード文を次々と読んでいく必要があります。国語が弱い人は、総じて読むスピードも遅くなります。読むスピードが遅いということは、全ての問題が時間内に解き終わらないという現象がおきます。読むスピードがそこそこでも、字面だけを追っていて問題文を理解しきれていないために、トンチンカンな解答ばかりしている場合もあります。

今後必要な勉強方法

すでに何人かの生徒に面談で、「入試本番、国語で点数が取れないことを前提として、それでも合格できるようなプランを考えよう。」という類いの話をしました。これまで中3生の国語力に対して、アレコレと時間をかけて策を練ってきました。全く効果はなかったわけではありませんが、それでも入試で満足に点数が取れるレベルの効果があったとは言い切れません。

国語という科目は実に厄介です。国語ができない理由は多岐に渡り(あえてここでは触れません)、またそれを一つひとつ治していくのに非常に長い時間がかかってしまう科目です。入試までの残り時間を考えると、これからあと4ヶ月でうなぎ上りに国語ができるようになるとは考えられません。

よって、国語が取れなくても、他の4科目で国語の点数をカバーできるような作戦を考えましょう。まずは、やはり理社です。理社も国語というガン細胞の影響を受ける科目とはいえ、勉強のやり方によってはその影響を最小限に抑えることができる科目です。

徹底的な反復練習で時間短縮につなげる

最小限に抑えるためには、類題パターンの反復練習によって、「問題文を読む→考える→解答」までの時間を極力短くすることができます。ただし、中途半端な反復練習であれば、入試においてほとんど時間の短縮にはつながりません。「えーっと、これ何だっけ?」「ああ、どこかでやったことあるなぁ」レベルではダメなのです。基礎的な問題やよく出題されるパターンの問題は、瞬時に答えや考え方が浮かぶレベルにまで落とし込む必要があります。

今の中3生の勉強方法は、この部分がまだまだ甘いのです。入試対策復習テストをやっても、「ある程度」は仕上げてきますが、ほとんど「ある程度」レベルで終わってしまっています。「この問題はこう解く」と、確信を持って解けるまでには仕上げていません。そのような状態の勉強を繰り返していると、国語というガン細胞の影響をモロに受けてしまい、国語だけでなく理社も総崩れになってしまいます。

数学の文章題・証明はパターン暗記

国語的要素の強い数学の文章題や証明は、パターン暗記です。神奈川の入試問題の文章題や証明問題は、今のところパターンから逸脱した問題はほとんど出題されていません。昨年度、難しい難しいと騒がれていた2次方程式の文章問題だって、パターン暗記していなかった人にとって難しかっただけで、同じようなパターンの問題は嫌という程問題集に載っています。

論理的に説明していく証明だって、高校入試レベルの証明パターンは数えるだけしかないので、その証明の仕方をテンプレート化して身につけておくと、公立入試レベルであれば凌げるようになるでしょう。

間違っても、「オレは数学ができるからいいや」と高をくくらないように。先ほども言ったように、国語がコケても合格できるようにするということは、他の科目でコケることが許されないということです。皆さんの得意な肝心の数学でコケていては、絶対に合格は望めません。

また、国語的要素の弱い関数、資料や確率の問題は確実にできるように。まだまだ10問テストの関数の問題で取りこぼしても平気な顔をしている人がいますが、関数なんて絶対に取りこぼしてはいけないところです。取りこぼしてはダメなところは確実に点数に結びつけられるように、徹底的にパターン演習を繰り返すこと。ちなみに、10問テストを毎朝復習している人はどれだけいるでしょう?「やった方が良いよ」と指示したことを素直に実戦できないのも、今の中3生の悲しい特徴の一つです。

長文読解は多読

国語的要素が最も強いのは、英語の長文読解です。ただ、国語と英語の長文読解の異なるところは、英語の長文読解はそれほど難解な内容理解を要求されていないということです。公立の高校入試に出題されるような英語の長文読解は、英語が母国語の人にとってみれば、小学生低学年でも理解できるような簡単な文構造や内容で書かれたものばかりです。国語であれば、基本的に大人向けに書かれたような小説や論説を読まなければいけませんが、英語の長文読解はそもそも大人向けには書かれていません。

つまり、英語の意味や文法さえ理解できれば、比較的国語よりも読みこなすことが簡単だということになります。ただ、それが困難に思えるのは、それが英語で書かれているからなのです。それを克服していくには、英語で書かれた文章、つまり長文読解に慣れていくこと、これが最も重要です。

長文読解に慣れるためには多読しかありません。国語だって、本を読み込んできた人と全く読んでこなかった人とでは活字の認識スピードが異なるように、英語の長文だって多読してきた人とそうでない人とでは、読むスピードや段落の構成・長文特有の表現の理解度が全く異なります。Aクラスの人は、既に全国入試問題集の北海道・東北地方まで制覇しています。これを根気強く、「正しい解き方で」続けていくことです。

あと、リスニングがめちゃくちゃですが、5月くらいに「やっておくと良いよ」と指示をした基礎英語3をきちんと今まで聞き続けている人はどれだけいますか?「やった方がいいよ」と言われたことをやらず、後になってできないできないと騒いでも、どうしようもありません。そういうのを「自業自得」と言います。

まとめ

以前の記事「国語力について、身も蓋もない話をしようと思う」でも書いたように、国語力は各教科の土台となる部分です。中3生の皆さんは、いわばこの土台工事を疎かにしたまま、何とか丈夫な建物を建てようという、無茶なことをしようとしています。ちょうど今、旭化成建材によるくい打ちのデータ流用で、横浜の傾いたマンションが問題になっていますが、アレと同じです。国語力という「くい」がグラグラなまま、上に立派なマンションを建てようとしているのです。

基礎工事(国語)がグラグラなのに、上の建物(英数理社)もお粗末なものを作ってしまったら、すぐに建物が崩壊してしまうのは目に見えています。横浜のマンションのように、せめて上物(英数理社)だけでもしっかりとしたものを作らなくてはいけません。

もちろん、基礎工事がグラグラのままなので、その影響は高校受験後の大学受験で現れてしまうでしょう。それでも何とか高校受験を乗り越えたいのなら、上物だけは欠陥なく建てていきましょう。

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