2015年度大学合格実績から見る、近隣公立高校の実力

2015年6月4日

サンデー毎日の「2015年高校の実力」が届いたので、2015年度の近隣の高校の大学合格実績を一覧にしてまとめてみました。
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分かりやすくするために、合格者数と卒業生数からそれぞれの割合を計算しています。なお、各高校の合格者数には、現役生だけでなく浪人生も含まれているものと思われます。

近隣公立高校の実力

※注 スマホから閲覧すると、非常に表が見にくいです。PCからの閲覧をオススメします。

高校名 卒業生数 国公立大 早慶上智 G+MARCH 日東駒専
合格者 割合 合格者 割合 合格者 割合 合格者 割合
湘南 358 165 46.1% 339 94.7% 492 137.4% 51 14.2%
厚木 351 111 36.1% 113 32.2% 388 110.5% 83 23.6%
小田原 320 82 25.6% 112 35.0% 334 104.4% 105 32.8%
平塚江南 310 83 26.8% 98 31.6% 347 111.9% 116 37.4%
秦野 355 24 6.8% 29 8.2% 207 58.3% 164 46.2%
海老名 347 9 2.6% 11 3.2% 136 39.2% 142 40.9%
西湘 310 18 5.8% 12 3.9% 71 22.9% 86 27.7%
大磯 270 10 3.7% 9 3.3% 51 18.9% 85 31.5%
伊志田 277 1 0.4% 0 0% 16 5.8% 70 25.3%
足柄 272 0 0% 0 0% 7 2.6% 44 16.2%

湘南高校の東大合格者数が神奈川県内公立トップ

2015年度の神奈川県内公立高校での東大合格者数No.1は、湘南の19名でした。ちなみに2014年度は横浜翠嵐高校の22名がトップです。東大の合格者数だけだと、湘南高校の19名は、全国の公立高校の中では第10位です(全国公立高校トップは東京都立日比谷高校の37名)。

東大合格者数だけでなく、湘南高校は、国公立の合格者割合が2014年度の41.4%から2015年度は46.1%、早慶上智の合格者割合も2014年度の81.2%から2015年度は94.7%と、今年は全体的に実績を伸ばしてきている印象があります。昨年度の湘南出身の浪人生たちによる頑張りのお蔭なのか、それとも2015年度の現役生が踏ん張ったからなのかは定かではありませんが。

厚木・小田原・平塚江南は似たり寄ったり

厚木・小田原・平塚江南の3校の合格実績は似たり寄ったりです。国公立大の割合だと、3校のうち厚木のみ3割を超えていますが、早慶上智やGMARCHは3校ともあまり違いはありません。ただ、2015年度の厚木は、東大合格者が1名、京大が0名と、2014年度が東大京大合わせて5名だったことから考えると、若干寂しい結果になっています。

この3校の中で元気なのは、平塚江南です。2014年度に比べると国公立大合格割合も21.0%→26.8%と6ポイント以上伸ばしていて、2年連続で東大に2名の合格者を輩出しています。去年は平塚江南の学校訪問に行けなかったので、今年は是非訪問して、この辺の伸びの秘訣を聞いてこようと思っています。

国公立を狙うには、特色検査実施校に入っておくべき

上の表からも明らかなのが、特色検査実施校と非実施校との国公立大合格者割合の差です。特色検査を実施していない秦野以下になると、国公立大の割合がいきなり1ケタ台に落ちてしまっています。国公立大への進学を視野に入れている中学生なら、最低限特色検査実施校へ進学しておくべきでしょう。

秦野のGMARCHの合格割合が飛躍的にアップ!

秦野が頑張っていますね。国公立合格者数や早慶上智はさほど変わらないものの、GMARCHの合格者割合が、2014年度の35%から2015年度は58.3%と、かなり大幅に伸ばしています。去年、秦野高校を訪問した際、「進学校として秦野を改革しているところで、国公立とGMARCHの合格者数を伸ばすことを目標にしている」と神戸校長先生が仰っていましたが、まさに有言実行となりました。あとは、国公立の合格者数をどのように伸ばしていくのか、注目しておきます。

秦野高校と海老名高校の偏差値がほぼ同じで、どちらを志望校にするか比較する中学生が多いのですが、秦野高校の躍進のお蔭で、2015年度の海老名は秦野にだいぶ差をつけられた形になりました。しかも、国公立も2.6%と、海老名よりも偏差値が下の西湘や大磯にも負けてしまっています。どうしたものでしょうか、海老名高校。

西湘の国公立大合格者数が2ケタに!

2015年度の西湘は、国公立大の合格者数が18人と、2014年度の5人から比べるとこれも大躍進です。しかも、18人の内訳を見ても、北海道大や名古屋大に1名ずつ、東京工業大にも現役で1名と、かなりの難関国立大に合格しています。

西湘と伊志田も入学時の偏差値がほぼ同じくらいなのでよく天秤にかけられますが、合格実績だけで言うと西湘の方が確実に上でしょう。伊志田はGMARCHの合格者数も5.8%、日東駒専も16.2%にとどまっています。

まとめ

高校を選択するとき、もちろん大学合格実績だけが全てではありませんし、志望校の合格実績がよいからと、自分も確実にレベルの高い大学に行けるとは限りません。しかし、高校を選ぶということは、「どういう環境に身を置くかを選ぶ」ということでもあります。

たとえば湘南高校に進学すれば、「最低でも早慶上智は当たり前」という環境のもとに身を置くことになるでしょうし、厚木・小田原・平塚江南に進学すると、「国公立を目指して当たり前。最低でもGMARCH。」という環境になるでしょう。朱に交われば赤くなるということわざがありますが、10代は特に周りの環境に左右されやすい年頃です。

将来、国公立大を視野に入れているのなら特色検査実施校、GMARCHレベルなら秦野には最低入っておきたいところです。これからの志望校選択の参考にしてみてください。