特色検査を解くために必要な「能力リスト」を作成してみました。

2015年5月27日

6月中旬から始める特色検査対策の課題をせっせと作成しています。

過去3年分の県内の特色検査と県外の特色検査的な入試、あとは公立中高一貫校の適性検査を分析してみて改めて思ったことは、「教科横断型」と呼ばれる試験を解くのに必要なのは、次の6つじゃないかなということ。とりあえず今のところの結論なので、もしかしたらまた付け足していくかもしれません。
142944d3722465be7f9b3c4913cf9a91_s

特色検査を解くために必要な6つの能力

情報処理系能力

・読解力(言語化された情報を読み取る力。)
・情報整理力(読み取った情報を体系的に整理する力。)
・資料やデータからの情報分析力(資料を読み取り、背後にある要因を導き出す力。)

思考系能力

・論理力(順序だてて物事を考えていく力。)
・仮説構築力(「情報処理系能力」の情報分析力の進化版。ある真意が不確かな情報に対して、仮説を立てることができる能力。横浜翠嵐・湘南など、難易度の高い高校の特色検査でよく見られる。)
・数的処理力(数字を用いた判断推理、数的推理。)
・試行錯誤力(早い話、ジタバタする力。継続して思考を続けられる思考体力もここに含まれる。)

勉強系能力

・5教科の基本的な学力
・計算力
・一般常識力

表現系能力

・文章力
・情報編集力(読み取った情報の重要な部分を切り取り、まとめる力。要約力。)

活用系能力

・取捨選択力(問題に対して使える知識を正しく取捨選択できる力。)
・組み合せる力(種類の異なる複数の知識を融合させる力。)
・発想力(枠にとらわれず、自由に発想する力。)

遂行系能力

・状況判断力(自分が置かれている状況を客観的に判断する力。どの問題から先にやれば良いか、時間配分をどうするかなど。)
・ストレス耐性(複雑な問題や文章、計算などのストレスに対する耐性)

学校ごとに能力の優先順位は変わってくる

とりあえずこの6つの能力がバランスよく備わっていれば、どの学校の特色検査でも問題なく解くことはできますが、特色検査のタイプによって、6つの能力の優先順位は当然異なってきます。

たとえば小田原高校だと、

1.情報処理系能力
2.活用系能力=勉強系能力
3.思考系能力(論理力を除く)

の3つの優先順位が極めて高いです。ちなみに2で「活用系能力」と「勉強系能力」をイコールにした理由は、勉強系能力が備わっていないと、当たり前ですが活用系能力が生かされないからです。

ところが、平塚江南になると、

1.勉強系能力
2.活用系能力
3.思考系能力(数的処理力重視)

となります。平塚江南では、あまり「情報処理系能力」の優先順位は高くありません。その代わり、勉強系や活用系などの、5教科の学力に即した能力の重要性が高い。

難関校の湘南になると、

1.思考系能力全般(特に論理力、仮説構築力重視)
2.情報処理系能力
3.活用系能力

の順になるでしょう。しかも、1の「思考系能力」が大半を占めます。

唯一「遂行系能力」だけは、高校を問わずにどの特色検査でも求められる力です。基本的に、特色検査は状況を冷静に判断しながら、要領良く解いていかないといけません。また、パッと見ただけで分かる問題なんてほとんどないので、考えることに対するストレス耐性は絶対的に必要です。

これらの力は鍛えられるのか?

「特色検査の勉強は何をすれば良いのか分からない」、「特色検査って頭の良さを測るためのテストだから、対策しても意味がない」と思っている人は毎年少なくありませんが、これら6つの能力はきちんと鍛えることができます(もちろん、中には短期間で鍛えるのが難しいものもありますが)。

たとえば「勉強系能力」と「活用系能力」は、5教科の勉強をしたり、特色検査の問題数をこなすことで当然鍛えることができる力です。「思考力系能力」では、“論理力”や“数的処理力”は、ある程度理解する力さえあれば、比較的短時間でも鍛えることができるでしょう。厳密にいうと、“論理力”や“数的処理力”を試す問題の解法や考え方に“慣れる”ことができるという意味ですが。

「情報処理系能力」は、一番上に書いた“読解力”がないと太刀打ちできません。しかも読解力は、中学生が短期間で鍛え上げることはできません。ただ、読解力さえあれば、“情報整理力”と“情報分析力”は、訓練次第で鍛えることはできるでしょう。「表現力」も、やはり言語の力が基盤にあるので、短期間で鍛えることはなかなか難しいです。

冒頭にも書いたように、今特色検査対策教材をせっせと作成しているのですが、基本的には訓練次第で鍛えることができる能力を伸ばしていく教材構成にしているつもりです。

ちなみに今のところの予定では、

第1号・・・情報処理系能力(情報整理中心)と、思考系能力(論理中心)
第2号・・・情報処理系能力(情報分析中心)
第3号・・・思考系能力(数的処理中心)
第4号・・・活用系能力(組み合せる力中心)、表現系能力
第5号・・・活用系能力全般1
第6号・・・活用系能力全般2

の6回の構成を考えています。あくまで予定ですから、途中で変わるかもしれません。教材作りがかなり大変で心が折れそうなのですが、特色検査対策の教材って、市場が狭すぎて過去問くらいしか出回っていないんですよね。だったら、自分で納得できるものを作るしかないかなーって、割り切って作っています。