トップ校に合格する子に共通する能力についてできるだけ詳しく説明してみる(1回目:言語能力の高さについて)。

2015年5月14日

トップ校に合格していく子が、共通して持つ能力について書いていこうと思う。書き出したら非常に長くなってしまったので、何回かに分けてシリーズ化して書いていくことにする。

1回目の今日は、言語能力についてだ。

046e47e5905b6c32ccb1c7e3740fd8b3_s

言語能力というと、文章を読み書きする力のみにだと思われるが、実はそうではない。もちろん、トップ校に合格するためには、長いリード文を読みこなさなければいけないのだから、高いレベルの文章を読み書きする能力が必要なのは言うまでもない。ただ、今までのトップ校に合格していった卒塾生を思い返してみると、決して読み書きの能力が高いだけでなく、他にも言語能力の高さをうかがわせる共通点があることが分かる。

大人と対等に話すことができる

意外に思われるかもしれないが、トップ校に合格していった卒塾生のほとんどはよくしゃべる生徒だった。同年代の友達同士でよくしゃべるだけでなく、物怖じせずに大人と話をするのが得意といった傾向がある。

うちの塾でいうと、授業前や授業後に我々講師に気さくに話かけることができる生徒は総じて学力が高い。断っておくが、うちの塾は生徒と講師の関係には一線を置いていて、「友達同士」のような馴れ合いの関係にはしていない。講師と話すときに敬語が使えない生徒に対しては、たとえそれが小学生であっても注意をするなど、あくまでも「講師と生徒」という一線を置いた関係を保つようにしている。

そんな塾なので、多くの生徒は講師に話かけるときに戸惑ってしまう。勉強の質問などはするものの、積極的に世間話をしようとはしない。ところが、トップ校に合格するような生徒は違う。物怖じすることなく積極的に、講師に対していろいろな世間話を持ちかける。もちろん我々講師側も、もちかけられた世間話には積極的に乗っているので、世間話を通していろいろな話をすることになる。

このように、大人と対等に話ができるというのも、言語能力が高い証拠だろう。付け加えて言うと、トップ校に合格する生徒は、話の切り出しのタイミングが上手だ。講師が忙しそうにしていたり、他の生徒の対応をしているときは絶対に話しかけず、ちゃんとその場の空気を読んで話かける。状況判断が上手にできるからだろう。

話し上手である

2つ目の特徴として挙げられるのは、トップ校に合格する子は話し上手であるということがある。何かを問われたり質問されても、「これはこうだから」と明確に話すことができ、その話が分かりやすい。また、人前でも堂々と話をし、話の中にユーモアを加えることのできる余裕もある。

ちょうど昨日、昨年度の卒塾生である湘南生と、これと同じような話をした。

「湘南の子って、話がとても上手で面白いんです!クラスの前で一人ずつ自己紹介をしたんですが、普段は暗くてオタクみたいな子でも、いざ前に立つとオタクネタだけどとても面白い話をするんです。それが中学校とは違うなって思います。」

と言っていた。ちなみに彼女も中学校時代に生徒会長を務め、人前で話をすることに長けている。入試前の面接の練習では、これは就職面接か何かですかと思うような、大人顔負けの受け答えをしていたほどだ。そんな彼女もビックリするほど、湘南の生徒は総じて話が上手なのだそうだ。

突然質問されても黙らない

3つ目は、突然質問されても黙らないことだ。

多くの中学生は、突然質問をされると黙ってしまうが、トップ校に合格するような子は分からなくても何かしら答えようとする。それが的を射ている答えでも、全く見当違いの答えでも、突然質問されても自分の考えをすぐにまとめて声として発することができる。

言語能力が低い子は、そうはいかない。不意打ちで質問されると、まず何を聞かれたかどうかを考える必要があり、その質問に対して考えるのに時間がかかり、またそれを言葉でうまく表現できないので、結果的に黙ってしまうしかない。質問の答えが分からなくて黙っているのではなく、答えが分かっている子でも、言語能力の低さゆえに黙ってしまうのだ。

まとめ

人は言葉を介してしか物事を考えられない。つらつらと書いてきたが、トップ校に合格する子に言語能力が高い子が多いのは当然のことだ。言語能力が大切というと、どうしてもすぐに「じゃあ本を読もう」とか「作文を書こう」など、いわゆる国語の勉強に走ってしまいがちになるが(もちろん読書や作文も大切)、机の上の国語の勉強でなくても言語能力を鍛えられる方法はいくらでもある。

たとえばいろんな大人と話をする機会を持つことや、授業中に積極的に挙手をして自分の意見を発表する練習をしてみること。他にも学年委員や生徒会などに立候補してみたり、スピーチコンテストなどに参加してみたり、いくらでも方法は思いつく。もっと小さなことで言うと、日常会話をいかに大切にするか。お母さんが一方的に話をして終わりにするんじゃなくて、子どもにいかに話をさせるかということも、言語能力を高めるための練習になるだろう。

2回目は「タフさ」について。不定期で書いていこうと思います。